ダリと広電

5年ぶりの広島出張です。

新幹線に乗るのも吉備路サイクリング以来の名古屋発のぞみ号です。おとなびWEB早特で8,350円、チェックしてみると5年前は7,430円でした。ちなみにおとなびWEB早特は3月で終了らしい。明日は土曜日なので、泊まって行くことも考えてみたものの、土日は大寒波襲来との予報で日帰りにしました。

窓に汚れの筋が4本残ったまま、自分の席だけじゃなくて前後の窓も同様、シートもいささかくたびれた感じがします。

広島に到着、在来線ホームに下りると見たことのない車両、etSETOra(エトセトラ)という観光列車で、両開きドアでキハ47の改造と分かります。

自分の乗車した普通列車が3分前に発車したetSETOraに海田市で追いつき、etSETOraは呉線に入っていきました。金土日月に広島から福山まで1往復運行されていると分かったものの、自分的にはボックスシートのままのタラコ色キハ47の方がいい。

久しぶりのカワセミ

お仕事は無事終了。クライアント様店舗近くの小川でカワセミ、咲くやこの花館のプール以来2年ぶりのカワセミでテンションアップ。2分くらいじっとしてくれていたのに、どうしてもブレてしまいます。漸くカメラのモード設定がおかしくなっていたと気づき、調整したら行ってしまってました。それでも会えて嬉しい。ブレの比較的マシな2枚です。

宮島へ行って奈良のシカと宮島のシカの違いをチェックしたかったのですが、広島駅へ戻る電車の車内で調べてみると、厳島神社は5時半までと分かり諦めます。

帰りの新幹線は日本旅行のtabiwaで買った21:59発ひかり、6時間近くあります。予約変更できないので、さあどうするか、とりあえず広島県立美術館へ行ってみることにしました。

昨年8月に新しくなった広島駅、改札を出ると同じフロアに広電広島駅。Bのりばの3800形を見送り、Dのりばの5100形Green mover maxに乗車。

稲荷町電停から新しくできた広島駅へ入る分岐を大きくカーブして5000形がやってきました。ドイツ・シーメンス製の輸入電車で日本初の本格的LRVといえる車両ですが、メーカーのリコールが発生するほど不具合が多発、12編成導入されたものの廃車が進み残るはこの5011編成と5008編成の2本だけです。運転台も国内では他に例をみないユニークなもの。

八丁堀で白島(はくしま)線に゙乗り換え、元大阪市電や元京都市電を期待していたものの、白島線乗り場には1000形Green mover LEX、その車内と運転台です。5000形のように、速度計を黒いパネルにすれば引き締まったのに惜しい。発車後すれちがったのは700形(昭和末のカルダン駆動単車、800形だったかも)。現時点の白島線は1000形と700形の2両でピントン運転と分かりました。10年ほど前の写真ですが、白島線を行く元大阪市電と元京都市電です。

広島県立美術館

2つ目の縮景園前で下車、広島県立美術館へ。ファサードを撮るのを忘れたのでストリートビューを借りてくると、元京都市電の1900形が写ってました。

通常5時閉館が金曜日だけ7時まで開館、さらに65歳以上無料と分かりやってきた次第。窓の外に広がるのは広島藩浅野家の大名庭園だった縮景園、こちらは5時閉園も、今の時期は花も緑も少ないので諦めがつきます。以前入園したことがあるような気もするのですが、記憶は微妙。

広島県立美術館も浅野家別邸だった敷地にあり、大正時代に観古館という私立美術館だったものの原爆で建物も展示品も壊滅したらしい。昭和43年に県立美術館として開館、平成7年に現在の建物が竣工、広島にゆかりある画家の作品、アジアの工芸品、1920〜30年代の世界の美術作品など5000点あまりを収蔵。最初の展示室は広島にゆかりの作家の作品で、龍がえがかれた壺は三原市出身の清水南山「波に龍文水瓶(昭和12年)」。写真OK!と掲示されたもののみ撮影可で全体の半分くらいです。

大きな展示室にどどーんとサルバドール・ダリ「ヴィーナスの夢」、1939年のニューヨーク万博でダリ自身が手掛けた「ヴィーナスの夢」パビリオンのために制作された作品とのこと。

4.9m x 2.4mの大画面に描かれた溶けた時計、顔と胸が引き出しになった人物の頭にロブスター、燃えるキリン。

手前に置かれたソファーに腰掛けて鑑賞しています。後ろにいる監視員の女性の視線がちょっと気になるけど、他に誰もおらずダリを独り占め、ぜいたくなひとときでした。お気に入りのマックス・エルンストの彫刻がいくつも展示されていたものの撮影NGが残念。

重要文化財 伊万里色絵花卉文輪花鉢(柿右衛門様式、江戸時代-17世紀)はマイセン磁器の礎を築いたザクセン選帝侯アウグスト強王(在位1697-1733)の旧蔵品、伊万里焼のマイセンへの影響を証する一品。

柿右衛門様式とは、江戸時代初期に、肥前有田の陶芸家・酒井柿右衛門が完成させた色絵磁器の様式で、「濁手」と呼ばれる乳白色の素地に、余白を広く残しつつ、明るい赤(柿色)を基調に、黄色、緑、青、そして金彩がバランスよく配置された繊細な色絵で、国内のみならずヨーロッパの貴族たちをも虜に。後にゴッホやモネを虜にしたジャポニズムの元祖です。

伊万里柿右衛門様式色絵馬(江戸時代-17世紀後半)、世界で6体しか残されていない内の2体。色味の異なる「濁手」に首や足は共通の紺色の斑点、背中に掛けられた鞍下の唐草模様や松葉ちらしが美しいだけでなく、頭に巻かれた面繋(おもがい)の繊細さに驚かされ、歯をむき出し目を見開いたコミカルな表情に職人の遊び心が感じられます。

せっかくの開館時間延長なのに、来館者は10人もいなかったかと、ありがたい以上にもったいない。県立美術館から徒歩10分くらいのところにひろしま美術館があり、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ピカソ、モディリアーニ、フジタ、岸田劉生、上村松園らの作品が見られると分かったものの5時閉館。

広電撮り鉄乗り鉄

まだ5時半で新幹線まで4時間近くあり、ドトールでいっぷくして作戦を考えます。思いついたのが広電本社前まで行って夕方のラッシュアワーで入出庫する電車の撮り鉄、とりあえず紙屋町電停へ向かって歩きます。

紙屋町電停付近を行く広電5200形Audiラッピングと広電5100形カープ電車。

紙屋町の交差点をカーブする元京都市電1900形がちらっと見えました。小さいですが紙屋町電停に停車中の元京都市電、そごうと並んだところは香港銅鑼湾(トンローワン、Causeway Bay)の前を行く2階建て香港トラムを彷彿とさせます。

千葉、大宮、横浜、広島、香港の他、台湾、マーレシアにそごうブランドの百貨店が残るようです。

本通電停に停車中の5200形MOBIRY DAYSラッピング、モビリーデイズは広電に新しく導入されてQRコード決済システムです。QRコードとICカードとふたつの読み取り機が設置されていてICCOCAのICカード決済も使えます。

続いてやってきたのは350形、広電本社前へ行くつもりだったのですが、反対方向の横川駅まで行ってみることにしました。

結構混み合っているのですが、優先座席には誰も座らず、周りで立っているのが広島ならではの風習。大阪のおっちゃんの自分は遠慮せず座らせてもらいます。終点横川駅に到着、踏み台がありがたい。

横川駅の350形、67歳の電車には見えないくらい塗装も美しい。広電生え抜きで広電社章が誇らしげ。

同じ電車で折り返すことにしました。後部カブリツキ動画、ツリカケサウンドをお楽しみください。十日市町のジャンクションのポイント通過音まで撮るつもりだったのが、iPhoneのディスク容量がいっぱいになって途切れてしまいました。

本通電停まで戻ってきました。オレンジ色は広島交響楽団ラッピングの5100形、広電のラッピング広告車両のセンスが際立ってます。広告主に言われるままじゃなく、景観を守り、広電や広島の町のイメージアップにつながるようなデザインのルールが決められていて、広電広告部門がしっかり管理しているはずです。路面電車のラッピングにありがちなごちゃごちゃした小さな文字や画像は少なく、遠くからでも夜目にも認識しやすいのもウリです。

本通商店街の目立たない信号で立ち止まる人たち、これも優先座席に座らないのと同様に広島ならではの風習、大阪では考えられない景色です。2018年7月の豪雨で山陽本線セノハチ付近が長期間不通になった際、山陽新幹線で満員の自由席車に入れなかった人たちが指定席車に溢れても、誰も座ろうとしなかったくらい社会ルールを守る気風が強い広島です。

喫煙所を発見していっぷく、立町の善吉さんへ、5年ぶりです。お酒じゃなくてクラフトビールにしました。かなり苦みの強い東京ナントカが美味かった。ミニサラダはとてもミニじゃないボリュームとクォリティ。

店内に貼られていたOK!!日本酒のポスターで吉川晃司さんが「おいしいけえ」、不義理をしてしまった中電工社員だった義父の「タクさん(⇠自分のこと)もっとのみんしゃい」という声が聞こえてきました。

奥田民生さんも加わったOK!!広島の方は、宮島の大鳥居、西条の酒蔵煙突、瀬戸内海の島々をバックに、牡蠣、穴子飯、瀬戸内レモン、お好み焼き等々広島グルメがびっしり、デザートはもみじ饅頭。奥田民生+吉川晃司でOoochie Koochieという還暦ロックユニットだそうです。

新幹線の時間までまだ1時間半あるのですが、駅ビルでお好み焼きを食べて帰りたいので、広島駅へ向かいます。

5100形カープ電車の広島駅寄りにはスラィリーくん、1000形エスビー食品ラッピングと並びました。

エスビーラッピングは満員だったので次の5100形を待ちます。

新しくできた坂道を上り広島駅2階へ。正面に電車がいるので右に曲がると思いきや左に曲がってDのりばに入線。この急勾配は40‰で元京都市電などの旧型車も上れるのか調べてみたところ問題ないようです。そういえば京都駅西側で堀川通が国鉄をくぐるところなどはももっと急だったはず。

広島駅に到着。何軒も並んでいたカウンターのお好み焼き屋さんを求めて駅ビルを彷徨ったものの見つけられず。広電乗り入れでそれぞれに移転してしまったらしく、改装された駅ビルからなくなってしまってました。

他を探し回る時間の余裕もなくなったので仕方なく焼肉ライクで間に合わせ、もういちど広電広島駅。入線してきたのは5100形広島交響楽団。

漸く、ひかり592号新大阪行の時間になりました。停車駅はのぞみ号と同じで、のぞみ号用の16両編成。新大阪止まりなので東京まで連れて行かれる心配はないのですが、それほど酔っ払ってはいません。

やはり、山陽新幹線専用8両編成の2+2の車内と較べ、くたびれた感じのする車内です。谷町線の最終で無事帰宅、お好み焼きを食べ損なったのが心残り。ちなみに広島では広島焼きと言っていけません、あくまでお好み焼きです。