嵯峨野の紅葉

天候不順で例年より2週間ほど遅い今年の紅葉、ということで3週連続で京都へ。どうせなら混雑覚悟、怖いもの見たさ半分で嵐山へ向かうことにしました。

阪急百貨店コンコースウィンドウのクリスマスディスプレイは去年と同じ不思議の国のアリスがテーマ、おそらく同じデザイナーさんの作品も去年とは趣向を変えているようですが、イマイチその違いがよくわかりません。

9300系の準特急8006列車、桂到着は9時11分10秒。

嵐山から天龍寺

阪急嵐山駅前のミニストップでおにぎりとクランキーチキンを買って出発。中ノ島橋からの眺めです。

去年は橋の下にカワセミがいたので期待していたのですがご不在。

嵐山公園中之島地区のモミジです。渡月橋は予想よりかなり人が少なめ、おそらくまだ時間が早いせいと紅葉が遅れたせいかと。

川辺でおにぎり、ジャンパーの下に厚手のシャツとセーターを着込んで来たのですがちょっと寒い。

こんなに綺麗に色づいている嵐山を見たのは初めて。大悲閣を訪ねることも考えていたのですが、大堰川右岸は日陰の道が続くので渡月橋を渡ります。

渡月橋から直進方向はいつもながらの混雑が見え、大堰川左岸の道を進みます。

川面を覗くと10cm弱の魚がびっしり、たぶんカワムツ。嵐山公園亀山地区へ登るか、常寂光寺にするか悩んで常寂光寺に決めました。貸しボート屋さんを過ぎたところで北へ向かうと天龍寺の門前に出てきました。常寂光寺へは、混み合った通りに戻り、さらに混み合っているはずの竹林の道を遠回りするしかないと分かり。天龍寺の拝観料を支払って天龍寺の北門へ抜けることを思いつきました。

天龍寺の曹源池庭園です。混雑はさほどではありませんでした。

曹源池裏の渓流沿いのモミジ。ツワブキとモミジの落葉。

渓流を埋め尽くしたモミジの落葉。ドウダンツツジの紅葉も美しい。

丘の上に上がってきました。正面は比叡山。丘の上の道のモミジです。

天龍寺北門を出て竹林の道を東へ。竹林から天龍寺のモミジ、実物は息を呑むような美しさだったのですが、十分に表現できていない写真です。

トロッコ嵐山駅近くのモミジ。iPhoneの超広角だと紅葉の色味に重厚さがありません。

常寂光寺

紫式部がいました。今年の大河ドラマは見ていません。

常寂光寺に到着、天龍寺が思ったほどじゃなかったのに、こちらは予想以上に人が多い。

茅葺きの仁王門とモミジ。参道脇は枯葉モミジのカーペット。

息を呑む竹林とのコンビネーション、ZV-E10でいい感じに撮れました。

展望台に登って来るとモミジと比叡山。去年やってきた時は展望台までの道のりはもっときつかったような気がするのですが、今日来てみると楽々、ちょっと着込みすぎたかと感じるくらい日差しがポカポカしてきました。

仁和寺の五重塔がよく見えます。

右下に桂川、京都タワーの向こうは東山三十六峰、その向こうに屹立しているのは、音羽山から醍醐山の山並み。京都でも有数の眺めで間違いないと思うのですが、初めてやって来た去年と比べるとイマイチ感動が少な目です。

真っ赤っ赤です。

石段の下から多宝塔。本堂書院と中庭の特別公開が開催されていたのですが、天龍寺を通り抜けるのに500円使ったのでパス。

庫裏の前の休憩所からメインの石段じゃなくて、崖の石段を下りると人が少なくなります。この崖下のモミジが絶景でグンとテンションが上がりました。

メジロが出てきました。梅にメジロでウメジローなので、モミジにメジロでモミジローと呼ぶことにします。

動画を撮ってみたところ画面を回すのが速すぎ、再生速度を半分にしてみたらカクカクになってしまったので、ちょっと目が回りますが元の速度に戻してBGMを入れてみました。

もう2枚、去年より圧倒的に美しい。人混みを厭わずやって来て良かったです。

来た時よりずっとチケットブースの列が長くなっていました。次にどこへ行くかあまり考えていなかったのですが、とりあえず人が少ない北へ向かいます。

3年前にも訪ねた西行井戸。

なんとなく悟り開きたるここちにて 六十六のわれを眺むる

3年前のブログでも引用させてもらった石神井のヨシさんの歌、明後日で六十七になってしまう自分ですが、悟りが開けたここちは全くありません。

小倉山麓の公園に入ると真っ赤なモミジにエナガたち。

モミジに止まってくれたのは一瞬で、常緑樹に移動。

枝被りと後ろ姿です。

杉林の中のエナガがいたモミジです。

二尊院前の喫煙所でいっぷく。

今年初のお嬢(ジョウビタキ♀)。

祇王寺はパスしてさらに北へ行ってみます。初めて歩くエリアです。

鳥居本

しばらく進むとリノベされたっぽい土蔵や古民家が並ぶ整備された通りになってビックリ、嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区だそうです。

あだしのまゆ村という崖の上の人形店の崖下に現在地・鳥居本の町並みジオラマ、町を歩く人たちはまゆでできてます。読みにくい文章を読み直してみると、この先愛宕神社の一の鳥居があってそこから整備された通りの入口まで伝統的建造物群保存地区に指定されていて、この先の方は茅葺き、ここら辺までは瓦葺きの町家が並んでいて、ふたつの村が合体して構成されたものらしい。源氏物語の恋物語の舞台、さらには古今集や新古今集のもののあわれの舞台となり、小倉百人一首や松尾芭蕉らによって語り継がれ歌い継がれてきた場所だそうです。

室町時代から江戸時代にかけては愛宕まいりをかねた物見遊山の観光地として時代の要請に応じた変貌を遂げてきた、ともあります。落語「愛宕山」の室町のだんさん一行も立ち寄ったことは間違いなさそうです。

お腹がペコペコ、適当なうどん屋とかがあれば入るつもりも見つからず、今朝ミニストップで買ったクランキーチキンがまだ残っていたことを思い出し、その辺の道路脇でムシャムシャ。

化野念仏寺への参道を上がってみます。

境内の紅葉です。ここまで来ると中国人の団体さんは見かけず、欧米系の人たち、広東語の香港からと思われる人たち、それと日本人の若い女性が目立ちます。

平安時代から葬送の地だった化野(あだしの)、空海がこの地に埋葬された人々を祀るために開創、法然が念仏道場とし、明治中期に散乱埋没していた石仏や石塔が集められたそうです。

掲げられていた人生五訓、心の糧七ヶ条、幸福の道、長寿十訓。いずれもお酒について語られていないのが意外です。

境内の奥から竹林の道が続いていて、階段を上ると墓地になってました。全体的にお墓が半分のお寺、ここに欧米系の人が多いのは高野山に似た要素があるからかも知れません。

さらに教訓2枚。手前に賽銭箱のような箱が置かれていて勉強になったので100円入れておきました。

参道の石段を下ります。もうモミジは満腹しました。

あとで調べてみたところ、石段から左へ行くとジオラマの愛宕神社一の鳥居があって、愛宕念仏寺を経て、清滝、愛宕神社への登山道と続くと分かりました。愛宕念仏寺まで10分ほどで行けると分かったのがちょっと悔しいですが、今日はもうここまでで十分ではあります。

何度も訪ねていたはずの嵯峨野、まだまだ知らないところがあると分かった訳で、次回の楽しみにとっておきたいと思います。

鳥居本の坂道を下って行くとホットワインのメニューが目に入りました。池袋に住んでいた頃、よく上野動物園入口のお店でホットワインを飲んだことを思い出しつつ、店先に腰掛けさせてもらって温まります。

近くに鳥居本バス停があるのものの京都バスの阪急嵐山行しかないようです。都心に出たいのでとりあえず元来た道を辿ります

二尊院前の喫煙所で再度いっぷく。ここを常寂光寺方面じゃなくて東へ道を取ります。この通りの厭離庵の紅葉も美しいとSNSで見ていたのですが、今日はもうモミジは満足、それよりご飯が食べたい。

清凉寺の境内に入ります。モミジの若木もいい感じです。清凉寺東側の嵯峨釈迦堂前バス停に市バス28系統京都駅行の経由地に四条大宮と見えたので迷わず乗り込みました。

山陰線や嵐電をまたぐ渋滞した高架を越えて嵐山にでるとものすごい人でびっくり。バスは渡月橋を渡り松尾大社前、松尾橋を渡り梅宮大社前を経て四条通りを東へ東へ。

バスは堀川通を右折してしまうようなので四条大宮で下車、四条通りを歩いてお店を探し、これ以上迷ってもしょうがないのでやよい軒に入りすきやき定食。四条通りのビルの上半分だけ西日が当たった景色は大阪と違ってます。

河原町まで歩いて、綾小路御幸町のロココ、続いて御幸町四条上ルの高田酒店。この2店に寄らないと京都に行った仕上げができなくなった自分です。

APPENDIX

人気観光地の大混雑は京都だけのことじゃなくて、パリとかでも同じらしい。最近ハマってる無敵のレオ氏のYouTube、ルーブル美術館のモナリザ前大混雑にはビックリしました。嵐山よりすごいです。入場料も今や€22(3,500円)もするようです。自分が学生時代に訪ねた時は、当時の自分の限られた予算でも楽勝でした。それに食事代、宿泊費、交通費なども今や自分の許容範囲をはるかに超えてしまっていて、治安も悪化し居心地はよくなさそうです。いずれ再訪したいと思っていたのですが、パリオリンピックの様子からもすっかりその気が失せてしまいました。

一昨年訪ねた新潟へはFDAもPeachも今や運行されておらず、北陸新幹線延伸で北陸も遠くなり、6年前に行きそびれた釧路へのPeachも休航、心理的距離感がますます遠のくばかりですが、天気を見てから出かけられる京都や奈良でも毎回新しい発見は少なくなく、遠出することもないんじゃないか、と思い始めた今日このごろです。