途方に暮れる

ひと月半ほど前、夜中に目が覚めて、スマホをいじっているとピーチのタイムセールが目に付き、釧路往復土日でも安いやん、とあまり深く考えずに予約してしまいました。

待ってろよタンチョウ、と旅のキャッチフレーズを思いついたものの、朝になって色々調べてみるとどうも適切な判断じゃなかったと分かってきました。タンチョウの観察にはいい時期ではあるようですが、釧路到着は12時前なのに日没は4時前、翌日は12時半の出発で遊べる時間はかなり限られてしまいます。それに冬の北海道のレンタカーの運転は避けた方がいいという声も多いです。釧網線や花咲線も明るい時間帯に運行される列車はごく僅か、乗り鉄も難しいです。最低でももう1泊必要と分かったものの、もうキャンセルできません。

それでも鶴居村まで片道30kmほど、スタッドレス履いてるしゆっくり走れば大丈夫だろうとレンタカーを予約、十数年ぶりの北海道行の楽しみは募って行きました。

ところが今季一番の大寒波がやってきました。今日明日の釧路の天候は晴も最低気温は氷点下11℃、最高気温でも氷点下2℃、万一帰りの便が飛ばなかったら大変、と週明けの仕事に必要な資料をMacbook Airにぶち込み、最悪札幌まで出れば帰れるだろうとその分の旅費、それにヒートテックの靴下や手袋と準備万端、昨晩は興奮してなかなか寝付けませんでした。

関空でモーニングして行こうと早めにウチをでてラピートに飛び乗り、田尻町ラッピングの連節バスで第2ターミナル到着。

自動チェックイン機に予約メールのQRコードを読み込ませると何故かエラーが出てきます。もう一度やってみてもやはりエラー。何か変だなと周りを見回してみると、欠航手続きと書かれたカウンターに釧路と掲げられていて人が並んでいます。漸く事態が飲み込めました。天候不良でMM125便は欠航、帰れないことはそれなりに想定してはいたものの、行けないとは完全に想定外。

とりあえず列に並んでいると係の人が回ってきてキャンセル方法を説明するプリントを渡されました。釧路空港滑走路凍結のため、だそうです。まずはレンタカー屋さんとホテルに電話してキャンセル手続き、どちらの応対も感じよくてお世話になれなかったのが残念至極。それとプリントのQRコードで往復のピーチをキャンセル、費用的には関空往復の電車賃のみのロスで済んだようです。

第1ターミナルに移動してモーニング、Facebookに起こったことを投稿すると早朝の仙台行で発った友人のコメント、7時過ぎの出発便案内の写真ではMM125便は天候調査中になってました。

晴れてる釧路は欠航で雪の降ってる札幌へは飛んでます。

途方に暮れて帰ります。関空連絡橋のタンカーがぶつかった部分は徐行。

尾崎の団地の給水塔が見えます。帰ってもすることがないので、男里川河口へ行ってみることにします。

樽井で下りて男里川河口右岸へやってきました。潮位はかなり高く、風が強いです。イソシギの羽がボサボサ。

海はかなり時化ています。沖の大きな何かはコンテナ船、よく見ると淡路島の端っぽが浮島になってます。水温の高い海上に冷たい空気が流れている証拠です。

左岸へ回ってみます。河川敷の草むらから何かが飛び立ちました。たぶんチョウゲンボウです。あー飛行機に乗りたいなぁ。

カワラヒワとコガモたち。自分はなんで今ここを歩いてるんだ、との疑問が募ります。

男里川左岸河口です。ここでこんな波を見たのは初めて。尾崎の浜ではアオサギたちがテトラポッドの陰で風を避けていました。

浮島現象で明石海峡大橋とつながる岩屋付近、それに山並みが途切れる淡路市付近も宙に浮いてます。

尾崎港の赤灯台、海のうねりがハンパないです。さすがに釣り人はひとりもいません。

時々晴れ間が広がるものの風が強くてすぐに雲に隠れてしまいます。

風に舞うヒドリガモ、これだけ波が激しいのにサーフィンしています。寒いのでもう帰ります。

難波へ戻り、冷え切ったからだをしゃぶ扇で温めます。ここのコーヒーが意外と美味いんです。