蕪栗沼
かぶくりぬま、と読みます。何ともクリスピーな心地よい響きの沼、ラムサール条約登録地です。先週行けなかった釧路、このままだとフラストレーションが溜まったままになるので、宮城県北部のラムサール条約登録地めぐりに行くことにしました。
難波まで歩き始発の空港急行に乗って漸く機上の人になれました。名古屋付近から雲が切れ、木曽の御嶽山が見事な姿を披露。
諏訪湖、それと車山、プラス500円の窓側席、価値があります。
伊豆沼・内沼
仙台空港でレンタカーを借りて、仙台東部道路、仙台北部道路、東北道を1時間半ほど、路肩に雪が残るものの凍結はなく快適なドライブで伊豆沼に到着。先週行きそこねた釧路湿原に次いで、日本で2番目にラムサール条約に登録された湿地です。気温は2℃くらい、寒くはなくてピリッと心地いい空気です。
12月7日現在ガン類が74,467羽!日本で一番鳥の数が多い場所と言って間違いないと思います。それにしてもどうやって数えるんでしょう、訊いてくるべきでした。
ラムサールトライアングルと題されたパネル、今日ここへ自分がやってきた理由を分かりやすく説明してくれています。
宮城県伊豆沼内沼サンクチュアリセンターの展示は美しく、じっくり見たいところですが、時間が限られているので割愛。館内にはカフェもあります。記名帳があったので、ちょっと誇らしげに、大阪市の自分、と記帳。
入口に給餌用ポン菓子が売られていました。野鳥の給餌をススメている野鳥保護施設は初めてでビックリしたものの、とりあえずポン菓子1袋を購入(募金)。
エサやりにオススメ、とあった内沼へ移動、ポン菓子を撒く子どもたちににオナガガモが群がっています。オオハクチョウが3羽、まるで飼育されているコブハクチョウみたいです。
砂浜の足跡はオオハクチョウのものかと。沼の向こう側にE5系はやぶさがチラリ。ポン菓子を買ってきたけど、あげるのは鳥たちにとって良いことなのかよく分からず、とりあえずやめておきました。
周辺の田んぼで採餌しているオオハクチョウがいるはず、と移動すると早速見つかりました。
マガンたちがやってきました。
やはりオオハクチョウはコハクチョウよりかなりデカいです。伊豆沼の南側の田園地帯、叫びだしたくなるほど気持ちいい空間です。
マガンの大群が舞います。バラバラだったのがいくつかの編隊を組んで行きます。
ハンサムさではオオハクチョウより嘴の黒い部分が多くてキリッとしまったコハクチョウかな。
JR新田駅近くの田んぼにもオオハクチョウとマガンたち、ちょうど701系2連が通過。701系の上をオオハクチョウが舞っている鉄道ジャーナル1月号の表紙は、701系の帯色からするとこの辺りではないようですが、本数の少ない電車と飛んでるオオハクチョウを1枚に収めるのは至難の技と分かりました。
皆が下を向いて餌をついばんでいる中、ひとりすっくと立つマガン。コハクチョウの幼鳥とは異なり、オオハクチョウの幼鳥は嘴がピンクじゃないです。
ずいぶんだらしない格好で採餌しているヤツもいます。今日の相棒Vitz君とマガンたちです。
駅から歩いてハクチョウを見に行けるJR新田駅です。細い道を迷っていたら農家の倉庫にスバル360、宮城ナンバーじゃなくて「宮」ナンバー。
JR瀬峰駅前の田んぼにもオオハクチョウとマガンたち。車窓から眺めることも可能なはずですが、701系のロングシートだとちょっとしんどいかと。
蕪栗沼
蕪栗沼へ向かいます。ナビに入っておらず、蕪栗簡易郵便局が出てきたのでそこをとりあえずの目的地にして、iPhoneのナビを併用して無事到着。途中の片側1台ぎりぎりの道路も退避スペースで待ってくれている対向車ドライバーが笑顔が素敵、とても心優しい土地柄のようです。
周辺にもたくさんのマガンたち。セブンイレブンでトイレを借りておにぎりを調達、この辺のコンビニにはドアの外にもうひとつドアがあります。
蕪栗沼の東半分は一面にヨシやススキが茂っていてその茂みにオオハクチョウが点在しています。
頭を突っ込んでマコモを食べるので顔は泥まみれ。
青空に舞うマガン、オオハクチョウも舞います。
広めの水面に着水。顔は泥まみれでも羽根を広げるとやっぱカッコいい。
風はなくほぼ快晴、絶好のコンディションですが、日が陰るとさすがに寒いです。外に出たりクルマに戻ったりしながら撮ってます。
ススキとマガン、絵になります。傾いた日差しにオレンジ色のオオハクチョウ。
空を舞うマガンの数が増えてきました。
3時55分、日没は4時17分頃です。右端の2羽をアップで。
V字編隊とT字編隊。
中天に浮かぶ弓張月。四方八方からマガンの群れ。
黄金雲の上にマガン編隊。
北の方からマガンの大軍団、慌てて動画に切り替えて大正解。南側からの軍団と交錯、よくぶつからないものです。
オオハクチョウも黄金雲の上。
マガンの塒入り、双眼鏡や望遠レンズがなくてもこの感動が体験できるはずです。
マガンが編形を変えるところです。
月に雁、切手で知られた安藤広重の構図とはかなり違います。
まだマガンたちのショウは終わっていないものの、そろそろ引き上げる時間です。雲出川河口、有明海の大授搦、安来の田園地帯を遥かに上回る数の鳥を見て大満足。
帰り道
ナビに仙台空港と入れて帰りを急ぎます。もう日没をだいぶ回っているものの前を走るくるまの上空にマガン編隊が何度も見えるのですが、ガマンして空港へ。
ちょっと関空に似た造作の仙台空港です。少し時間があるので夕食、寿松庵という華屋与兵衛かさとのような和風ファミレスです。牛タンもあるものの、和風御膳にしました。これでなんと2千円!特に牛肉のしぐれ煮がついてるのが嬉しい。新人さんらしいおねえさんのたどたどしいながらも一生懸命の接客は好ましく、それを見守る先輩や上司の視線も暖かくいいお店であることは間違いなさそうです。仙台の町は素通り、牛タンも食べない日帰り旅、何とも自分っぽいです。
ピーチ機内でラピートの割引きっぷを販売中とのアナウンス、シートポケットに入ったボロボロのパンフを見ているとCAさんが目ざとく見つけ、何かご用はございますか、とわざわざ窓際席の自分に声をかけてくれたので、断りきれずに購入しました。
関空から乗車したのはなんとラピートα、初乗りです。泉佐野から天下茶屋まで止まりません。岸和田出身の自分ですが、岸和田を通過する南海電車に乗るのは初めての経験。
日帰り旅で今朝出発したのがもうずいぶん前のことのようです。それだけ満足度の高い旅だったということのようです。その反動で毎年元旦の恒例にしている湖北のコハクチョウをどうするかちょっと悩みます。