右京区梅津

京都市内で歩いたことのないエリア、右京区の梅津を訪ねてみます。桂川の左岸から東は葛野大路(かどのおおじ)通、北は太秦、南は高辻通辺りまでが梅津です。

最高速度115kn/hのところをずっと114km/hでキープ、技術の高い運転士さんです。水無瀬付近で新幹線と並走、いつもこのシーンを期待しているもののめったにお目にかかったことはなく、よーく見るとN700Aはどうやら回送列車のようです。

桂で6300系に乗り換え、クロスシートでもかなり窮屈、調べてみると9300系よりシートピッチが50mmも狭いと分かりました。松尾大社で初めての下車、嵐山へ向かう人達を見送ります。ツードアに連続窓の6300系、阪急ならではの塗装技術の高さも相まって美しい。

桂川

松尾大社駅の踏切を渡ると桂川にかかる松尾橋。

土手の小さな畑にクロッカスが一輪。

乗ってきた6300系が嵐山から折り返してきました。八坂神社から伸びてきた四条通の西端が松尾大社の鳥居です。

松尾橋を渡ります。桂川の川幅は200m以上、鴨川の四条大橋は70mしかありません。松尾橋の川上は2km以上先の渡月橋まで橋がありませんが、鴨川だと四条大橋から2km川上の荒神口橋までの間に、三条大橋、御池大橋、二条大橋、丸太町橋と4つも橋があってさらに飛び石もあります。

カワアイサのカップルです。

カイツブリの見たことのないポーズ、水中から出てきたところのようです。

コガモとカイツブリ。

愛宕山が美しい。手前のぽっこりした山は小倉山。

カワアイサが水かきのある大きな足で顔を掻いてます。平安京創生館の巨大ジオラマの嵐山付近からの眺めに梅津付近を書き入れてみました(リンク先画像の白い楕円形)。リンク先画像上部に広がる平安京、梅津が丹波から桂川(保津川、大堰川)を流されてきた木材の集積地になり、平安京造営の資材供給基地になっていたことが分かります。

今しがた渡ってきた松尾橋が初めて架けられたのは明治中期らしく、架けられてからも度々橋が流され、松尾大社へは渡し舟だったようです。現在の橋の竣工は昭和28年、それまで渡し船が存在したのかよく分からないのですが、松尾大社に船渡御が行われていることからも参詣者相手の渡し船はあったはず。

松尾橋袂にタバコの吸える喫茶店を見つけオムライスとコーヒーで満腹、2車線だけの四条通を少し歩くと松尾橋バス停。色んな系統のバスが通る中、3系統だけの始終点なのにやたらと広いバス旋回場になってます。調べてみると昭和44年まで走っていたトロリーバスのターミナルだったようです。

梅宮大社の参道です。周囲はずっと田園地帯だったのが宅地化されたところなので、京都的な古い町並みは見当たりません。

梅宮大社

菰樽は伏見だけじゃなく、灘の大所、さらには広島西条の賀茂鶴まで並んでます。

梅だけじゃなくて猫がいっぱいいるという情報に惹かれてやってきたのですが、会えたのはこのクロネコだけ。

梅を撮ろうとしたらジョビ太がやってきました。

拝殿の向こうに本殿、犬飼橘三千代(光明皇后の異父妹で橘諸兄の母)により綴喜郡井手町(奈良線玉水駅付近)に創建され、平安時代初期にこの地へ移された、源平藤橘のひとつ橘氏の氏神だそうです。

楼門の内側の見目良い松はゴヨウマツ。

600円払って神苑に入ります。

真ん中の池は水が張られているものの周囲の池は水が抜かれていて寂しい景色。ハナショウブやカキツバタの頃に出直してくる必要がありそうです。

水の抜かれた池に架けられた石版の橋を渡りかけるとエナガ。

やはり身近で会える鳥でダントツの可愛さです。

いつものようにちょこまか動き回らず、久しぶりにじっくりと撮らせてくれました。

思ったより広い神苑、松の木の上から、こんにちは、と声をかけられ、ごくろうさまです、ありがとうございます。庭師さんとの気持ちのいい会話に嬉しくなりました。

サザンカの花びらより艷やかでひと目でそれとわかるツバキ。神苑の奥にある勾玉の池も水が抜かれていて、コケもほとんど見当たらず、全体がイマイチな感じですが、庭師さんの責任じゃなくて、失礼ながらたぶん予算かと。歴史は相当に古いものの神社本庁にも属していない単立神社、仏教寺院のように檀家がある訳でもなく、お賽銭や祈祷料、酒造メーカーからの奉納金等で切り盛りする中で、ようやく庭師さんに入ってもらっているのではないか、と想像します。

次はどこへ行くかまだ決めていなかったのですが、四条通を歩いていると3系統四条河原町行が通りかかったので乗り込みました。四条通をまっすぐ東へ東へ。有栖川を渡ると片側2車線に広がり、両側に大きな工場、右手は日新電機本社、左手は梅津じゃなくて太秦に含まれるようですが三菱自動車京都工場、エンジンの主力工場だそうです。天神川を越えると京都外大前、ここで運転手さんが交替、発車時間調整で5分ほど道路脇に停車。京都外大のに隣接して京都市営バス梅津営業所があり、以前は京都外大前じゃなくて梅津車庫前バス停だったそうです。それ以前はトロリーバスの車庫がここにあったらしい。

「次は西大路四条(阪急・嵐電西院)」と西院がひとつにまとめられているものの英語は(Hankyu Saiin、Randen Sai)としっかり区別されていました。この3系統、戦前から3系統として運行されている由緒ある路線、四条河原町までじゃなくて、河原町通を上リ、百万遍、北白川まで行くと分かり、銀閣寺へ行ってみようかと考えているウチ、四条大宮まではスムーズに進んでいたのに四条烏丸から一気に動きが鈍くなりました。

四条烏丸から四条大橋手前まで歩道が拡幅され片側1車線に、そこへ各方面からのバスが集中、タクシーや一般車両も規制されていないので、完全にボトルネック状態。人を取るかクルマを取るかで人を取った訳で、ここは乗り通すより下りて歩いた方が絶対早いです。大丸前の四条高倉でバスを下りて、ロココさんの250円コーヒーでいっぷく。

麩屋町通、寺町通

梅津では古い町並みとか無かったので、京の町歩きがしたくなりました。2週間前に御幸町通を歩いたばかりなので、その一本西側、麩屋町通を歩いてみます。「町歩き」なのか「街歩き」なのか、「街」だと高層ビルをイメージしてしまうので、京都では町歩きがしっくり来ます。

おしゃれな店の多いエリアを過ぎると静かな京町家の町並み、軒先に並べられた季節の花の鉢、奥から順に、チューリップ、シダレウメ、スイセン、盆栽の梅、薄いピンクの花(エリカ?)、センリョウ、ナンテン。お見事でです。

夷川通との交差点、夷川通側は夷川麩屋町、麩屋町側は麩屋町夷川になってます。こういうこだわりが好きです。

1年ほど前に立ち寄った陽気なテイクアウトコーヒーのblendさん、相変わらず表に看板が見当たりません。

麩屋町通は御苑で途切れるので竹屋町通、どんつきに革堂行願寺、アサギマダラのやってくるお寺です。

真っ赤なナンテンの実と葉っぱ。

革堂で「こうどう」と読むと気づきました。行願寺を建てた平安時代中期の僧、行円がいつも鹿革をまとっていて鹿聖と呼ばれたことにに由来するそうです。

寺町通沿いで行願寺に隣接する下御霊神社、こちらもアサギマダラがやってくる神社です。

境内の紅梅はまだチラホラ。

境内の奥に藤棚のように棚に広がった這松が見事。苔むし方もハンパないです。

御苑から出町

御苑の中も東側は塀に囲まれた広い砂利道を行くばかりだった記憶があるので、丸太町通を渡り寺町通をさらに上ります。

長い長い仙洞御所の塀の外の道を歩いて、清和院御門から中にはいります。とにかくだだっ広い。

迎賓館が一般公開され見学できるとは知りませんでした。宮内庁じゃなくて内閣府の管理、仙洞御所見学は無料ですが、迎賓館は1,500〜2,000円、宮内省の方が太っ腹です。いずれ仙洞御所や迎賓館の塀の中に入ってみたいと思います。

ツグミを撮ってみたところ、何か暗すぎます。ここまで来て、なら瑠璃絵の夜にカメラの露出をぐっと下げた時の設定のままになっていることに漸く気づきました。このため上掲の写真の多くは露光量を上げるレタッチをしています。鳥の写真は概ねOKなのですが空や川の写真は色味が調整しきれず、ほとんどがIPhoneで撮った写真ばかりになってます。

御苑の西側には梅林もあり、景色の変化も楽しめるのに、塀ばかりの東側を歩いてきたのは京都御所東側にバードパス(野鳥の水飲み場)があるとマップで見つけたため。ところが散々探したもののバードパス自体見つけられませんでした。とにかくだだっ広い京都御苑ですが、美しいのは美しいです。松も巨木が多く剪定は高所作業車でやってました。梅宮大社とは予算規模が全然違ってるようです。

鳥獣保護区区域図です。今日はツグミとシジュウカラにしか会えませんでした。ちなみにこの地に内裏が置かれたのは南北朝以降で、平安時代の内裏は平安京創成館の時にも書いたように千本丸太町付近です。

今出川通を渡ったところに道標、大原口道標と呼ばれ慶応4年に建てられたものだそうです。かう堂(革堂)九丁とあります。1丁は109mですが、実際には1.5km(14丁弱)あります。もう測量技術が確立したいたはずの時代なのにいささかいい加減です。

出町「ふたば」の行列を確認して鴨川、葵橋の川上にカワアイサ。

既にカメラの露出はデフォルトに戻しているので露光補正のレタッチはしていません。

川底が浅い場所で、潜ること無く頭だけ水に突っ込んで水生昆虫化何かを採餌しています。

やはりくちばしの形状ゆえのよだれをザーザー。

賀茂川です。景色としては桂川よりずっと色っぽいです。

整備されて間がない賀茂川デルタの公園にみたらし団子らしき石のモニュメント。どうやら「ふたば」に因んでいるのではないかと思われます。甘いものは得意じゃないので「ふたば」のお団子を食べたことはありませんが「ふたば」といえば豆餅、でも豆餅だとモニュメントになりにくいのでわかりやすくみたらし団子になったかと。一番先っぽの団子と二番目が離れているのがいい感じです。

京阪電車に乗ったものの、前回同様祇園四条で下車。いつもの角打ちで一杯。

京阪で帰った方が楽なのですが、天満橋で乗り換えるとお店が限定的になってしまいます。梅田へ出て阪神スナックパークで寿司をつまみ、さらにラーメンで仕上げました。