圧巻の平安京ジオラマ
日本の首都めぐり、四年だけの都だった恭仁京に続き、今回は千年の都、平安京です。
平安京は京都御所を中心に広がっていた、とばかり思い込んでいたら、そうじゃないということが分かりました。平安京の大極殿は御所より2kmほど西、千本丸太町付近にあったらしく、現地を確認したいと思いたちました。
ずいぶん久しぶりの阪急京都線9300系のかぶりつきです。淀川左岸の堤防は本格化しているようです。さんざん通った長柄から海老江にかけての淀川左岸ですが、もうとんとごぶさたです。
淡路駅の工事も進捗していて高架橋の下を走っていました。こういうシーンは記録として撮っておくべきと思います。
桂で8300系準急に乗り換え西院で下車。嵐電に直結する北口が新しくできていました。
西院の電鐘式踏切は変わらずいい音を奏でています。
モボ301は車庫でひとりでお休み。線路際の柵に赤いノアサガオが絡まっていました。
ノアサガオとツリカケです。
千本丸太町の交差点、南東角には朝堂院跡の案内、北西角には大極殿跡の案内がありました。
Google Mapで245件の評価で4.7という高評価のお店、おばんざいあだちでランチ。お店に入るとすぐには席に付かせてもらえず怪訝に思っていたら、入口にショーケースがあって、メインは4品から1品と小皿は15品くらいあって3品を選んでから席につく流れになっていてナットク。
メインに鯖みりん、小皿は肉じゃが、小アジの南蛮漬け、いんげんの胡麻和えを選びました。料理が運ばれるまで再度スマホをチェックしていると、245件の評価の大半は翻訳、つまりインバウンドさんたちの評価と気づきました。
鯖みりんが絶品、スマホを置いて食べることに集中、京のおばんざいを満喫させてもらいました。インバウンドさんたちがいなくなった今だからこそ、応援したいお店です。
千本丸太町の交差点の北西角を少し入ったところに内野公園という小さな児童公園があります。何とここが平安京大極殿跡です。
大極殿遺蹟の碑、字が変です。極の字は偏と旁が左右ではなく上下に並んでいます。ググると分かりやすい説明がありました。
天皇が政務や国儀大礼を行う庁舎である朝堂院の正殿が大極殿で、自分は大極殿北側の昭慶門西側回廊の前に立っていることになります。
平城京は大極殿が復元されているのに、平安京は寂しいなと思ったら、平安京はもう明治時代に復元されていて、それが岡崎の平安神宮です。
平安京創成館
京都市中央図書館に隣接する京都市生涯学習総合センターの中にある平安京創成館へ行ってみました。
応仁の乱の頃まで洛外の白河、現在の岡崎動物園付近にあった法勝寺の1/100ジオラマです。八角九重塔は約81mあり東寺の五重塔よりずっと高く、もし現存していたら京都タワーを建てる必要はなかったかも。九重とありますが、何度数えても十重です。一番下の屋根は裳階と呼ばる簡易な屋根で数えないそうです。
平安京の土層の展示、平安時代の埋蔵物に出会うには3mくらい土を掘る必要があると分かります。
圧巻の平安京1/1000ジオラマ、国内最大級の歴史都市復元模型だそうです。中央は朱雀大路(現千本通)、手前の羅城門両側に東寺と西寺。東寺と西寺の北側は現在の梅小路付近、現在は山陰本線がほぼ朱雀大路のルートで北進し、ちょうど朝堂院の辺りでほぼ直角に西へ向きを変えているのは平安京遺跡と関係がありそうです。
ジオラマの東側、鴨川と高野川がY字に分岐した間に下鴨神社があるのは今も変わりません。ボランティアガイドさんに清水さんはどこですかと尋ね、教えてもらった位置(画面右端)に白い矢印を書き込んでみました。ずいぶん山奥です。
清水寺をアップして撮ってみると舞台が確認できました。
ジオラマの右側からの眺め、手前は上述の法勝寺、周囲に六勝寺と呼ばれた勝の字がつく寺がこの白河の地に集まっていたものの、応仁の乱以降廃絶しています。まっすぐ二条大路が伸びていているものの鴨川に橋は架けられておらず、鴨川の渡河が貴族の大きな収入源になっていたようです。
鴨川と高野川が分岐する現在の出町柳付近、百万遍辺りは田んぼしかありません。鴨川の向こうは京都御所ですが、まだ貴族の邸宅が並んでいます。京都御所の場所が内裏となったのは南北朝時代以降で、藤原家の邸宅が多く、天皇さんにとって母親の実家のような居心地のいい場所だったのがここが選ばれた理由ではないか、とのことでした。
ジオラマの左側(右京)へ回ってみます。渡月橋が見えます。その北側には大覚寺と大沢池、広沢池もそれと分かります。大覚寺は現在よりはるかに大きな寺院だったようです。
いつまで眺めていても飽きないジオラマです。平安京創成館はジオラマだけじゃなくて、発掘品や平安時代の風俗の紹介等々まだまだ盛りだくさんですが、きりが無いので引き上げます。
吉田山周辺
この前「とびだせ!えほん」でやっていた吉田山へ行ってみることにします。全然行ったことのない場所です。最寄りの丸太町七本松バス停より本数が多そうなので千本丸太町からバスに乗って岡崎道へ。丸太町七本松の次は千本丸太町、烏丸御池と四条河原町もそうですが、京都の地名は、南北→東西の順とは限らず、語感を優先しているようです。
充電器は充電してきたのに、充電ケーブルを忘れてきました。スマホはオフにして、とりあえず北へ向かっていて歩きます。細い路地からいきなり巨大な山門の前に出てきました。くろ谷金戒光明寺、全然知らなかったお寺ですが、知恩院と並ぶ浄土宗の大本山だそうです。
その先には真正極楽寺(真如堂)、こちらも全然知らなかったものの、国宝や重要文化財が数多い天台宗の寺院、何度も来ているようで京都のことを知らなすぎたようです。真如堂の北側あたりから山道に入って行くと吉田山です。
住宅や寺院に囲まれた小さな丘が吉田山です。ほどなく三等三角点吉田山、標高105.12mに到達しました。
色々いそうですが全然見当たりません。何とかアカタテハだけ。
吉田山山頂にある茂庵、山荘風の古民家カフェです。入店の順番待ちになっていたので、入りませんでした。京都一のデートコース哲学の小道からもほど近いせいか、カップルが多いです。
吉田山からは色んな方角へ道が延びていて東側へ下りてみることにします。青もみじの森を抜けると視界が広がり正面に大文字山。
山の斜面に古風な家がならび、「吉田山山岳救助隊」本部(たぶん)になってました。
大文字山に登っている人たちが少なくないです。この時間から下山すると真っ暗になってしまうかと。比叡山も目近です。
出町柳へ出て、鴨川の河原に下りてみました。セグロセキレイ2羽にかなり長い時間遊んでもらいました。
「ひえい」が見えたので発車するのを見送ります。手前の赤いのは、紅葉とカボチャを組み合わせたハロウィンの飾り物です。