洛中のアサギマダラ

今日は阪急電車。

珍しくLEDの表示がえらくくっきり撮れてました。

桂で乗り換えの準急はミッフィー号、神鉄のしんちゃんのマネして運転室右側に阪急の帽子を被ったミッフィーが座ってます。

阪急電車内で西院周辺を検索して見つけた太陽カレー、12時前でも並ぶとクチコミがあったものの行ってみます。ちょうど12時前で、2階にあるお店の階段にやはり4人ほど並んでいたけど、さほど待たされること無く入店できました。カウンターだけのガッツリ系のカレーショップをイメージしていたものの、店内は広々としていて、インテリアも接客もカレーショップというよりカジュアルなイタリアンといった雰囲気です。

有機野菜と三元豚ロースカツカレー、辛さは普通にしたものの十分に辛い、でも食べているウチに甘みを感じます。ちょっと甘すぎるような気がしてきたところで、こんどはガツーンと辛さが戻ってきました。会計時に、並んだ甲斐がありました、と声をかけた時のフロア係のおねえさんのニッコリも素敵、満足して嵐電西院駅、上り電車はオバQ顔のモボ102。

電鐘式踏切がカンカン鳴る中やってきたバス顔で真ん中に運転台があるモボ501に乗車。帷子ノ辻で乗り換えは江ノ電色のモボ631。

嵐山からの接続を受けると車内は満員、外国人観光客を連れたジイさんが下手な英語でかなりデタラメな案内をしているのが気になりつつ、妙心寺で下車。

駅から妙心寺への道はひっそりも、昔ながらの本屋さんやかしわ屋さんが営業中。

妙心寺退蔵院

妙心寺北総門です。門をくぐると境内図、塔頭が46もある広大な臨済宗の寺院、つまり禅寺の大本山です。

両側を塔頭寺院に挟まれた石畳の道が続きます。例えば天龍寺などもかつては現在の何倍もの敷地にいくつもの塔頭や伽藍が立ち並んでいたらしく、室町時代頃はこんな感じの場所が京都中にあったんだろうと感じさせます。

白い花はハナノナアプリがジンジャーと教えてくれました。ショウガ科の花ですが、食用の生姜とは別の品種でジンジャーリリー、ハナシュクシャ、バタフライリリーとも呼ばれるようです。

妙心寺の妙心寺が見えてきました。入母屋造の建物は重要文化財の法堂(はっとう)、その先に漸く今日の目的地、退蔵院に到着。

退蔵院ホームページの花ごよみに藤袴がリストされていたのを見て訪ねて来た次第。

退蔵院全景図、一塔頭寺院でこの広さ。靴を脱いで方丈庭園を眺めます。

方丈の床の間に国宝瓢鮎図(ひょうねんず、模写)の掛け軸。瓢箪でナマズを捕まえることができるか、という禅問答を絵にした室町時代の画僧、如雪の作。鮎はアユで、ナマズは鯰のはずですが、中国語では鮎はナマズだそうで、Google翻訳でもcatfishとでてきました。瓢鮎図を室町時代の粋が凝縮した一幅として詳しく解説されている記事がありました。小学館の運営するサイトで他にも興味深い記事が盛りだくさんでFeedlyに登録。

靴を履いて外から方丈庭園、室町時代の画家、狩野元信の作庭、常緑樹を主にした不変の美を表現しているそうですが、自分的には変化する方が好みです。

境内の庭園、余香苑の門をくぐると左手に陽の庭、右手に陰の庭。

陰の庭の真ん中にシュウメイギク、陽の庭の外にリンドウ。

余香苑の全景です。ハギとススキ。

ハギにウラナミシジミ。

水琴窟です。↓竹の筒に耳を近づけてみました。

お庭の池には泡がいっぱい浮いていて水質がよくないようです。築山から滝が流れるとても美しいお庭だけに残念。退蔵院境内には他にもいくつか庫裏が立つものの座禅を組むための施設のようです。

退蔵院の他にも公開されれいる塔頭寺院もあるようですが次の目的地へ向かいます。南総門の脇には勅使門があり、南側が正面と確認できます。ただ南総門を出ても土産物店はわずかに1軒だけ、他の京都の巨刹と較べてかなり異質な趣きが感じられる妙心寺です。

藤袴祭

妙心寺前のバス停で次の目的地までのルートをスマホでチェックすると、京都バス63系統に乗って京都市役所前で下車して8分歩けと出てきたのですが、そのバスより先に市バス93系統がやってきました。目的地へ向かってくれるのか不安だったもののエイヤで乗ってみると、丸太町通をまっすぐ次の目的地の最寄りまで行けると分かり大正解。難解な京都のバスも漸く使い慣れてきたようです。

河原町丸太町で下車、丸太町通を渡ってふたつ目の目的地、行願寺へ向かうと、仁丹の広告付きホーロー町名表示板「上京區下御靈圖子通新烏丸東入東椹木町(かみぎょうくしもごりょうずしどおりしんからすまひがしいるひがしさわらぎちょう)」、現在の住居表示では区名だけが上京区ではなく中京区でそれ以下は旧字体が新字体に変わっているだけです。中京区ができたのは昭和4年なので、それ以前のホーロー看板ということになります。

図子(辻子)とは路地より少し広い程度の細い道を意味し、御霊図子通は寺町通から河原町通を越えてもう少し先までの東西の道、新烏丸通はバス停から今歩いてきた南北の通りで、かつて烏丸通沿いにあった民家が宝永の大火で移転してきたことに因むそうです。

新烏丸通から御霊図子通へ西入るとシャッターに貼られたポスターにおおっとなりました。藤袴祭が本日開催中、開催場所は寺町通(丸太町〜二条間)とあるもののよく分からないまま少し先へ進み寺町通へ出るといきなりフジバカマの鉢が並べられていました。

下御霊神社です。拝殿を囲むようにフジバカマの鉢が並べられていて一箇所にカメラマンが集まっていました。

今年も会えました、アサギマダラ。たくさん並べられたフジバカマの鉢に1頭だけ。会えたのは嬉しかったものの、帰宅後写真を見てがっかり、翅にペンでマーキングされています。「10月9日、京都」とマーキングされているものの、今日は10月8日です。もうアサギマダラの生態は必要十分なくらいに解明されているかと、何より、美しくないので、アサギマダラが可愛そうです。マーキングが目立たないのを2カットだけアップしておきます。

目の形でハチではなくハナアブと分かります。シロスジベッコウハナアブと判明。

ツマグロヒョウモンもフジバカマが大好きなようです。

寺町通にもフジバカマの鉢が並びます。御霊図子通を挟んだ南側が2つ目の目的地の行願寺、ネットの情報通りこちらもフジバカマの鉢がいっぱい。

こちらの境内にも1頭だけですがアサギマダラ。こんどはマーキングがない綺麗な翅、後翅の端に黒い班が無いので♀です。去年は大原野、一昨年は摩耶、その前は移転する前の大原野、2018年は毛馬、これで5年連続アサギマダラ。ただ、ここ洛中のフジバカマは大原野や摩耶と較べて白でもピンクでもなくぼやーっとしてます。そういう品種なのかも知れません。

ずいぶん地味ですがチャバネセセリ。ツマグロヒョウモンは雌雄併せて5頭ぐらい舞ってました。

寺町通をさらに南へ向かいフジバカマの鉢が途切れたあたりで夷川通を西入リ、柳馬場通を下ルと京都ハリストス正教会。明治34年築の重要文化財、生神女福音聖堂です。若い神父さんらしきが声をかけてくれました。

藤袴祭は丸太町の北側にも続いているようなのでそちらへ向かいます。

おしゃれな店なのですが何を売っているのか分からず覗いてみようとすると声をかけられました。テイクアウトのコーヒーと分かったもののメニューをみると何とコーヒー一杯が700円。でももう要らんわと言えるタイミングじゃなかったので、とりあえずエスプレッソ、いや、やっぱレギュラーコーヒーで。ブルーマウンテンとかモカとかを選ぶんじゃなくて、味の好みが聞かれ、適当に答えると、2種類のコーヒーを丁寧に抽出して理科実験のビーカーで混ぜ合わせて出来上がり。

バリスタらしき若いニイチャンふたりでやっていて開店して1年半とのこと、1年半持ったんやったら10年は大丈夫や、とお世辞を言うとえらく喜んでくれました。自分は普段コーヒーにはお砂糖とミルクなのですが、お砂糖とミルクをくださいと言える雰囲気じゃないのでブラックで。でも心地いい香りとほんのり甘さがあってとても美味しいコーヒーでした。

お店の名前はずばり「blend」、ニイちゃんがポーズを取ったところ以外の写真を撮りそびれたのですがGoogle Mapにアップされた写真でお店の雰囲気が伝わってきます。竹屋町通麩屋町の角、いい気分にさせてくれるお店です。斜向かいにはいい感じの散髪やさん。京都は散髪やなのか床屋なのかまだ確認できていません。

丸太町通を渡り御所に沿った寺町通にもフジバカマの鉢、日本キリスト教団洛陽教会のフジバカマです。

同志社新島会館のフジバカマ。隣の新島襄旧邸にもフジバカマ、見学できると分かり入ってみます。

明治8年同志社英学校がここに開講した同志社発祥の地で、新島夫妻の私邸でもあり、書斎は学生たちにも開放されていたそうです。大河ドラマでそんなシーンを見た記憶があります。

新島襄永眠後、八重さんは裏千家に入門、茶道教授となり茶会を開いていた茶室「寂中庵」です。昭和7年になくなるまでこの家で生活されていたそうです。大河ドラマの八重の桜はもう9年も前なんですね。綾瀬はるか演じる八重さんの凛々しい美しさが思い出されますが、Wikipediaの八重さんはぽっちゃりと可愛く、スペンサー銃を手に新政府軍を相手に奮戦した様子は思い描きにくいです。

新島襄旧邸にもホーロー住居表示「上京區下切通シ通寺町東入ル松蔭町(かみぎょうくしもきりとおしどおりてらまちひがしいるまつかげちょう)、現在の住居表示は上京区下切通シ寺町東入松蔭町」で丸太町通より北側は上京区のままでOKなのですが、なぜか「シ」の後の「通」が抜けてました。

さらに上ルと京都市歴史資料館、「京都市歴史資料館がある場所-御所の東の今と昔-」展を開催中、少し覗いてみたものの、もう歩き疲れたせいかあまり頭に入ってきませんでした。

藤袴祭はたぶんここが北端、御所の寺町御門前です。

中町通丸太町の梅湯、銭湯めぐりが好きな人が増えているそうですが、お風呂が苦手な自分でもその気持は分かります。

丸太町橋を渡らず鴨川右岸にでるとドピーカンでびっくり。神宮丸太町駅がすぐそこですが出町柳まで歩くと右岸は日陰なのでちょっと寒い。