暗越

暗峠の奈良県側を航空写真で見ると大阪側よりもっと棚田が広がっています。棚田が一番美しいこの時期、どうしても行っておきたくなりました。

近鉄生駒線の南生駒下車、生駒線に沿って流れる川は、在原業平が百人一首で歌った竜田川、水面を「からくれなゐにみずくくる」のは近鉄1021系です。

水はあまりキレイとは言い難いですが、数十匹のコイが群れていました。

この辺りから見上げた生駒山頂、山の中腹まで住宅が広がっています。

竜田川支流の神田川という小さな川に沿って上って行きます。

クサガメのベビーとハクセキレイの幼鳥だと思います。

30分程歩いた池にカイツブリの幼鳥。

カイツブリの幼鳥は3羽くらい、少し離れたところにママ。

カワウがやってきました。よく見ると、池の向こう側の茂みにカワウが何羽か隠れていました。

いつの間にかアオサギもやってきました。この子もまだかなり幼いようです。

ムギワラトンボが何かを咥えて飛んできました。かなり大きな蛾です。齧っているのですが、大きすぎて諦めてしまいました。

池を過ぎると大阪側と同じような円形のすべり止めの刻まれたコンクリートの峠道になり、街道っぽい家並みが続いています。これも国道308号線です。

電線に水浴びしたばかりのような何かの幼鳥が止まっています。何なのかは全く不明。

もう半分くらい来てるはずと思ったらまだ1/3、駅を出てから既に1時間以上経ってます。池で道草しすぎました。錆びたブリキの一斗缶の蓋でできた案内板、かなりいい感じです。

暗峠までバスが通っているのですが、8人のりのバンで平日のみ4往復、ハイカーへのサービスは端から考慮されていないようです。

やまびこホールという地域の集会所のようなところのトイレになんと、ゴマダラチョウ。

ここからコンクリートの峠道はアスファルト舗装になり道幅も広がりますが、国道とはいうものの通るクルマは稀です。歩く自分の頭の上をギンヤンマやオニヤンマが行ったり来たりしているのですが、止まってはくれません。

うどん屋さんが営業していました。この辺りから棚田の視界が広がってきます。

これはありがたい自動販売器。遠くに見えるのはたぶん大和富士こと額井岳、先日スズランを見に行った吐山あたりです。

この辺り生駒市西畑町といいます。西畑の棚田、棚田百選に選ばれている三草山山麓の長谷の棚田、にほんの里100選の黒川穂谷よりさらに美しいと思います。農家の方に怒られるかも知れませんが、棚田は田んぼ毎が小さい程美しいように感じます。それにより独特の紋様が形成されるということもありますが、狭くいびつな形状の田んぼでは100%人手に頼らざるをえず、それが結果的に手間をかけた美しさになっているような気がします。

信貴生駒スカイラインと交差する暗峠到着。

軒先のツバメの雛達がママが餌を運んでくるのを待っています。見ているとツバメのママは数分おきに餌を運んでくるのですが、ハンパない重労働です。

峠の茶屋すえひろでビール、これが楽しみで暗峠へ上って来るようなものです。

このまま国道308号を枚岡へ下りるのが本来の暗越ですが、自分の部屋からみえる三角点、大原山を確認して来たいと思います。

暗峠から稜線沿いに15分程上ったところ、公園のような広場の中の小高い丘の木に大原山522mと掲示されていました。その手前の岩が三角点っぽいです。

大原山で出迎えてくれたのは2頭のツマグロヒョウモン、いつまでも自分の回りを舞っていました。

残念ながら大原山は木立に囲まれ展望は広がっていません。

大原山から30分程下ったこんもりした丘が旗立山486m。旗立山から見上げた大原山山頂付近の送電線の鉄塔、自分の部屋からも見える鉄塔です。

旗立山で出迎えてくれたのはヤマトシジミ、と思い込んでいたのですが、帰ってからよくよく見てみるとウラナミシジミ!閉翅するのを待っていたら、と悔やまれますが、次の機会の楽しみにとっておきます。

このまま客坊谷を下りると炎天下の市街地を長く歩くことになるので、神津獄ルートから枚岡へ下りることにします。

漸く展望が開けました。わかる建物名等を書き込んでみました。右下に暗越奈良街道が見えます。暗峠から下りてきた国道308号はこの街道に繋がり、新深江から長堀通りになって玉造を経て、船場の入口、東の旅の出発点、安堂寺橋に至ります。

大阪湾の向こう、三角錐の山は高取山、遠からずあそこに上って反対側からどう見えるかチェックしてみたいと思います。

カエルがいます。どこにいるか分かりますか?たぶんヒキガエルかと。

コミスジが写真を撮ってよ、といわんばかりにポーズをとってくれました。

ナガサキアゲハに会えたのは枚岡展望台も下りてから。