能勢の小さななかまたち

日本一の里山と言われる能勢の黒川に行ってきました。

ずいぶん久しぶりの阪急宝塚線で川西能勢口、梅田から北に向かっていた宝塚線はここから西に方向を変え、能勢電のホームは短くて西側は行き止まりになっています。

元阪急2000系の1700系日生中央行に乗車、能勢電は日生中央行と妙見口行を交互に運転、山下駅でそれぞれピストン運転の電車に接続しています。

能勢電にまともに乗るのはたぶん初めてです。ずっと昔、昭和56年に廃止されてしまった川西能勢口と川西国鉄前間を乗車した記憶がうっすらあります。

住宅街が続くのですが、鉄橋やトンネルがあって、宝塚線とはかなり趣きが異なり、運転室後ろのかぶりつきが楽しいです。

内外装ともほぼ阪急2000系のままですが、運転台にワンマン運転のドア扱い制御箱が乗っかっていて、鏡やモニターを見ながら操作しています。

山下で乗り換え、50系復刻塗装の1500系2両編成です。30年ほど前、川西国鉄前で乗った時の色はこれだったハズです。

山下から妙見口は単線、急勾配急曲線が続き、橋本から先の南海高野線や神戸電鉄粟生線に引けをとらない感じです。

自分好みの小さなトンネルを抜けて妙見口到着、叡電八瀬比叡山口駅のように、山が迫って行き止まりになっています。

大阪府最北端の駅、妙見口。駅前は小さな観光案内所に土産物屋さんと数店の店舗があるだけで、閑散としています。

駅から少し歩くともう田んぼが広がっていてこんな写真も撮れます。

妙見口からアオバズクの営巣で知られる野間の大ケヤキへ行ってみようかなとも思っていたのですが、週末の台風で土砂崩れがあったらしく、バスは運休になっていました。アオバズクがもういないのは分かっていたので今日の自分としては構わないのですが、国道477号線の不通は能勢町の人にしたらかなりキツイと思われます。バスは8月15日から運行再開の予定だそうです。

それでもバスは自分の目的地でもある黒川の妙見の森ケーブル駅まで運行されていました。阪急バスですが、こんなマイクロバスです。他に乗客はなく貸切状態、それもスルッとKansai 3dayパス利用が申し訳なくなりました。不通がなくても大赤字路線のはずで、他のバス会社ならとっくに路線廃止、あるいは自治体のコミュニティバスに置き換えられているところですが、1日10往復くらい運行している阪急バスの地域社会をサポートする姿勢はエラいと思います。

この辺りの府県境は入り組んでいて黒川は兵庫県川西市にあります。ケーブルカーが真正面を登って行きます。お盆ですが、観光客は多くないです。

県道605号に沿って季節外れの黒川ダリア園へ向かうことにします。緑が美しい棚田の中には、すでに稲穂がふくらんできている田んぼもあります。

茅葺きのスタイルを踏襲したと思われる瓦葺きのお宅、古いものを大切にしながら、現代の便利さを取り入れたスタイルかと思われます。

里山といえばやはりヤギ、ダッシュ村の雰囲気になってきました。

ダリア園の先にキャンプ場があります。私有地のキャンプ場で、駐車料金を払った客だけが川や公園の中に入れるようになっているらしく、その周囲には無断立ち入り禁止の看板がそこここに立っていました。かなり興ざめしたのですが、ドカドカとピクニック客が入ってきてゴミだけを残されたとしたら、たまらないでしょうから、いたしかたないのかも知れません。ただ、キャンプ場を経営するより、田んぼをやって欲しかった、とは思います。

ダリア園からこんどは田んぼの中の道を引き返します。

石垣の上の土蔵、子供の頃、夏休みに遊びに行った親戚の家を思い出します。

川の流れはかなり人の手が入っていますが、自然な感じです。

田んぼはロープで囲われています。これ電線になっていて、イノシシ除けかと思われます。

元黒川小学校が公民館として今も現役で活用されています。

棚田とクネクネの道、火の見櫓、いかにも里山っぽい風景です。

率直なところ、同じ大阪近郊でもクルマでは簡単には行けないということもあり、美しさでは暗峠の方が上だと思います(暗峠へは、それなりの運転技術と対向車に出会わないという運が必要)。しかし、生活や経済としての規模、里山としての環境の多様さからすると、ここが日本一の里山と言われることに異論はないです。関西一くらいにはしておいた方がいいかとは思いますが…

ではでは、小さななかまたちの登場です。

ツバメが五線譜みたいに止まっています。鳥さんでは、ホオジロとシジュウカラも見ましたが写真は失敗。

ベニシジミとヒメウラナミジャノメ

ヤマトシジミとお取り込み中のモンシロチョウカップル

こちらもお取り込み中のシオカラトンボ(ムギワラトンボ)カップルと、ぼっちのムギワラトンボ

オオシオカラトンボ

このブログでは初登場の両生類、ニホンアマガエル、小さいのでなかなかピントが合いません。

やはりこのブログ初登場の爬虫類、ニホントカゲ、それからニホンアカガエル。

トノサマガエル♀とトノサマガエル♂

サワガニさんたちカワユイ!

特別珍しい小さななかまたちは見かけませんでしたが、ニホンとかヤマトとかつく名前のなかまたちがしっかり揃っているのも日本一の里山たる所以なのかも知れません。