比叡山一日回峰とオオルリ

千日回峰行にあやかって一日回峰をやってきました。でも、心や体の修行ではなく、鳥見の修行です。

歩いたルートをGoogle Map上に緑のラインで描いてみました。地図です。たぶん20kmは歩いたかと思います。

スルッと関西3dayチケットで叡電の八瀬比叡山口へ、キビキビした動作の女性運転手さん。ワンマン運転なので、運転だけでなく、停車する度に運転席後ろの窓を下げて、立ち上がって愛想よく集札、発車すると運転台のスタンドマイクでアナウンス、ハードとソフトどちらもカンペキな仕事ぶりに感服。

八瀬比叡山口駅近くになると住宅街がいきなり山の中になります。

ケーブル八瀬駅にあった比叡山の野鳥たちのポスター、冬鳥の紹介が多いけど、今日はどうなのかな?

叡山ケーブルは高低差日本一だそうで、最大530‰の勾配を登って行きます。ちなみに叡山ケーブルは京福電鉄の経営なのにスルッと関西3dayチケットの対象外です。

ケーブル比叡駅からはロープウェイに乗らず、ここから歩きます。もちろん鳥見のためです(地図上の1)。

少し行くと広い空間が広がります。人工スキー場の跡で2001年まで営業していたそうです。

その先、濃いピンクの花が見事なのですが、名前はわかりません。

森のなかの山道を進みます。坂は緩く歩きやすい道で、色んな野鳥の鳴き声も聞こえるのですが、姿はなかなか見つけられません。

ようやく、シジュウカラを発見。ここにはスズメもハトもカラスもいません。ということはこの山の最大勢力なのかな?

東塔方向と西塔方向に分かれるところまでやってきました。どっちに行こうかと迷って東塔の方へ行くことにしました。巡拝受付所があって諸堂巡拝券を購入、山頂へ行く道を尋ねたら、阿弥陀堂の脇の石段を上がって行けばよいと教えてくれました。

この道が大変でした(地図上の2)。Google Mapには何も描かれていないので、ジグザグを描いておきました。最初は石段だったものの、つづら折りの急な獣道のような道になり、滑り落ちるとオシマイ、といった感じのところを20分くらい歩いたでしょうか、電波塔のある広い空間にたどり着きました。

このあたりが比叡山の山頂で、この上にさらに小さな小山があって、そこに大比叡の三角点がありました。聞いたことのない野鳥の鳴き声がしきりに聞こえるのですが、姿はどうしても見えません。ここまで歩いてまともに見ることができたのはシジュウカラだけです。

その先、少し降りると比叡山山頂バス停がありました。ガーデンミュージアム比叡という洋風の庭園があるのですが、かなり入園料が高いのでやめました。比叡山に人工の洋風庭園は似合わない、とも思います。

ちょうど比叡山内シャトルバスが発車するところだったので行き先も決めずに乗ることにしました。

比叡山には高野山や吉野のようにお店がいっぱいある場所はなさそうです。巡拝券といっしょにもらった巡拝マップから、食事ができそうな峰道に向かうことにしました。

冷えた体を鍋焼きうどんであたためました。ポットがトリに見えます。相当重症になったみたいです。

巡拝マップを見ると、峰道から分岐した道を進んだところにある黒谷青龍寺がかなり秘境っぽいです。レストランで道順を聞いて行ってみることにしました。歩行者通行禁止と書かれた奥比叡ドライブウェイをちょっと歩いたところに道がありました。

かなり急な下り道になっています(地図上の3)。人っ子ひとりいない、鳥の声と風の音だけがする森です。

飛んでいる鳥は時々見つけられるようになったものの、木が高いので梢にとまる鳥の姿はなかなか見つけられなかったのですが、ようやく見つけました。たぶんジョウビタキ♀だと思います。

行けども行けども黒谷青龍寺にはなかなかたどりつけません。30分以上山道をあるいてかなり急な石段になりました。

黒谷青龍寺、法然上人が若いころに修行をしたお寺です。本堂の前に並んだスニーカーがとても印象的でした。

ここでもやはり鳥の声はすごくよく響き、飛んでいる鳥はみかけるのですが、結局この往復1時間以上で写真が撮れたのはさっきのジョウビタキ♀だけでした。出会った人間も若い女性ひとり、おじいさんひとりだけでした。

ここから一本道で大原と八瀬の間に下りられるとの案内があって迷ったのですが、山上に戻ることにします。

樅の木だと思うのですが、見事な大木です。スギゴケも美しい。

とても心地いい山道です。トリに会えなくてもだんだん気にならなくなってきました。

峰道からドライブウェイに並行した山道を西塔の方へ向かいます(地図上の4)。ここから出会う人が急に増えます。京都一周トレイルというのがあるようで、そのゼッケンをつけて走っている人も多いです。すれ違うたびに「こんにちは」とあいさつを交わします。

この白い花がところどころに群生しています。二輪草でしょうか?葉っぱが違うみたいです。

トンネルとかもあり変化があって楽しい道です。

西塔に到着、巡拝マップにのってるもうひとつの秘境っぽい瑠璃堂に行ってみることにします。名前に惹かれました。オオルリに会えそうな気がします。

境内の地図で釈迦堂の裏からドライブウェイを渡った所に瑠璃堂への道があるとわかって行ってみたのですが、何の案内もありません。またどれくらい遠いのかもわかりません。黒谷青龍寺ほど遠いのであれば、あきらめるつもりで、お寺に戻って聞いてみることにしました。

釈迦堂付近には分かるような人は誰もいません。そういえば、野鳥以上になぜかお坊さんを見かけることが殆どありませんでした。

巡拝案内所を見つけ、尋ねたところ、やはりさっきの場所が瑠璃堂への道でした。でも15分くらいで行けるとのこと、行ってみることにします。今後行かれる方のために、道が分かれるところの写真を貼っておきます。

こんな山道を15分ほど下ります(地図上の5)。やはり往復で出会ったのはカップル一組だけでした。

いきなり耳元でウグイスが大きな声で鳴き出しました。姿も見えました。ウグイスって声はするけど姿はめったに見せないんですよね。メジロのようなウグイス色ではなくて、茶色くて、さほど色っぽくはないトリです。山手線のウグイス色は間違いです。メジロ色が正しいと思います。

瑠璃堂につきました。やはり聞いたことのない野鳥の声がするのですが、姿は見えません。人もいません。

西塔から東塔へ向かいます(地図上の6)。

野鳥の紹介ボード、殺生が禁止されていたので、たくさんのトリがいる、というのはちょっと違うかと思います。

比叡山高校・比叡山中学の生徒さんたち、すれ違うたびに元気な声で「こんにちは」とあいさつしてくれます。

坂道じゃなくて、かなりきつい石段で膝はガクガク。

白ナンバーの消防車!

ようやくケーブル延暦寺駅に到着、登録無形文化財だそうです。こっちはスルッと関西3dayチケットが使えます。片道860円するので、これは嬉しい。

これで鳥見の一日回峰はオシマイです。結局シジュウカラとジョウビタキ♀だけでした。そういえば、ケーブル八瀬駅であんなに大きなポスターも貼ってあるのに、バードウォッチャーさんも全然見かけませんでした。日本野鳥の会京都支部で比叡山探鳥会とか開催されているようなので、今度はそういうのに参加させてもらうべきでしょうね。ビギナーにはかなり難しいエリアだとわかりました。

比叡山鉄道比叡山鉄道線が正式名称ですが、坂本ケーブルと呼ばれていて京阪グループのようです。架線がないのですが、パンタグラフが残っています。駅で充電するためだそうです。

叡山ケーブルが日本一の高低差に対して、坂本ケーブルは2.0kmで日本一の路線長です。叡山ケーブルの女性従業員さんのソフト路線に対して、こっちはビシッと鉄道マンの制服を着こなした70代とおぼしき運転手さんの硬派路線です。マニュアル棒読み風の叡山ケーブルよりこちらの年配運転手さんの説明が楽しいです。

夕方には鹿やタヌキもでてくるそうですが、残念ながらお見かけできませんでした。その代わり、沿線の鉄道設備にいろんな動物の木彫がおいてありました。

坂本到着、ここから京阪坂本駅までのバスは3dayチケットが使えないので歩きます(地図上の7)。

さっき気持ちのいいあいさつをいっぱいしてくれた比叡山高校がありました。

比叡山高校の前から日吉神社、駅の方へみどりのもみじの並木が続いています。樅の木とかよりずっと背が低いのでトリが見つかりそうです。

よーく見たら、やはりいました、メジロです。

そして、別の木に・・・、やったー!オオルリ、この前は前向きだったのですが、きれいな瑠璃色の背中を撮らせてくれました。

スコアレスドローのゲーム、アディショナルタイムで決勝GOOOOOOOAL!