ゼフィルス1号、ゼフィルス2号
シジミチョウの内ミドリシジミの仲間は日本に36種類生息、内25種類はゼフィルスと呼ばれ、蝶マニアの憧れの的だそうです。能勢町の三草山(みくさやま)にこのゼフィルスの生息に適した環境の森が広がっていてゼフィルスの森と呼ばれていると知り、どうしても行ってみたくなりました。
森の中で樹上性の蝶をそう簡単に見つけられるのか全然自信ないものの、無駄足覚悟で出かけることにします。
能勢電山下駅から阪急バスで約20分、森上バス停で下車、天気予報は晴れなのに、パラパラ雨が降りだしています。検索してみるとそう遠くないところにファミマがあるのを見つけ、ポンチョを買ってから歩き始めました。
慈眼寺というお寺の辺りから山道に入ります。初見のヤマキマダラヒカゲ。エナガは幼鳥のようです。
大きな声で鳴いているホオジロ、ヒメウラナミジャノメはちょっとピンボケ。
ルリシジミと青虫を咥えたホオジロ。麓の小学校で運動会をやっていて、玉入れの数を数える声とか聞こえてきます。静かな里山歩きを楽しみたいのにうるさいですがガマンです。
小さな池のところでクルマの通れる道が途切れ、森の中の道に入ります。三脚を抱えた人が下りてきました。ゼフィルスを撮った帰りのようです。来るのが少し遅かったかも知れません。
ゼフィルスの森トラストとある看板があって、道が3つに分かれています。ゼフィルスの森の真ん中の道を選んで進んでいくと、クマザサに覆われた道がどんどん狭くなっていきます。
ヒカゲチョウみっけ。クマザサを掻き分け20分ほどあるくと小さな展望スペースのようなところに出てきました。向こうに見えるのは大阪市内です。
先客がひとりいたのですが、すぐ帰ってしまい、自分ひとりでこの展望スペースを専有、ポンチョを着たり脱いだりしながら小一時間ここでねばってしまいました。
テングチョウと、この茶色いのがいっぱいいます。茶色いのは正面しか写真を撮れていなかったので正体不明。
10mほど先の木の葉っぱに黄色いのが止まっているのを見つけました。ズームしてみるとウラナミアカシジミ、ゼフィルス25種の1種です。ゼフィルス・コンプリートを目指して、ウラナミアカシジミをゼフィルス1号と呼ぶことにします。
別の葉っぱにも、今度はアカシジミ、これもゼフィルスの1種、アカシジミをゼフィルス2号と呼ぶことにします。
ツバメシジミとかと比べると同じシジミチョウでもかなり大きいですが、それでも10m先の1円玉を撮っている感じです。もうちょっと近づきたいのですが、間は急なスロープにクマザサが茂っていて断念。それでも無駄足覚悟で来た甲斐はありました。
止まっている葉っぱは、柏餅をくるんでいるのと同じで、ナラガシワの木です。
さっきの看板のあったところまで戻り、せっかくなので三草山山頂を目指します。
胸突き八丁の急な坂を登って三草山三角点に到達、標高564.0m、ここからの眺めがなかなか結構です。
梅田のビル群の向こうにハルカス、そのはるか向こうにPLの塔まで見えます。
阪神高速池田線の斜張橋ビッグハーブの向こう、大阪空港に駐機しているJAL機が見え、その向こうは淀川、海老江辺りです。
右手に少し移動すると南港、もう少し右手に移動すると大阪湾、対岸は岸和田辺りです。
運動会の音を避けたいので山頂から反対側へ下りることにします。かなり急な下り坂で膝はガクガク、時々後ろ向きに歩いたりしながら林道に出て、九十九折の林道を下ると、ようやく谷が開けてきました。
棚田の中の農道を下りて行きます。モンシロチョウが止まる紫やかえんじ色の花はたぶんネギの仲間のアサツキたぶんヤグルマソウ。
田んぼの中のオタマジャクシとイモリ。
下りてきた三草山を見上げます。秀麗な独立峰です。頂上付近は斜面30度くらいあります。よく登ったな、と思います。
クルマの殆ど通らない広い道路に出てきました。うねる下り坂を行く少年の自転車、空にはトンビ。
田んぼのカルガモとケリ。ようやく運動会がオシマイのようです。成績発表、優勝は白組、準優勝は赤組…。
カワラヒワが5羽くらい。
ルリシジミとベニシジミ。
さて、ゼフィルス3号にはいつ会えるでしょう。三草山頂上まで行かずにゼフィルスの森だけだったら、そうキツくないので、度々来れそうです。あっ、電車だけで行けて、ゼフィルスいそうな場所を思いつきました。今度はそこにしてみます。