あの山の名前

近所にタワーマンションが増えてまた空が小さくなりましたが、自分の部屋から見た生駒山地です。晴れた冬の夕方の、山襞の形が鮮明な写真がありました。

生駒山上よりかなり南、暗峠よりさらに南側で、なだらかな三角点を形成しているものの、この山の名前がわかりません。

大阪城本丸からの写真です。

Google Mapでも国土地理院の地図でも生駒山の南は信貴山まで行かないと三角点がでてきません。名前の無い山なのか、自分の部屋とイオン布施店を結ぶ線分が山に突き当たる、なるかわ園地へ行って探ってみることにします。

枚岡や額田はよく利用するものの、瓢箪山駅は初めて、踏切の南北に商店街が伸びていて、北側はサンロード瓢箪山、南側はジンジャモール瓢箪山、となっていました。

どちらもかなりの人出、シャッターの下りたお店は見当たらず、こんな活気のある商店街を見たのは久しぶりです。東大阪市の中心、布施より、ずっと賑わっているように見えます。ちょうどプレミアム商品券の販売をしていて、数百人が並んでいたのですが、発売後20分くらいで売り切れ。

ジンジャモール側に美味しそうな洋食屋さんをみっけ、どれも食べたいものばかりのメニューから幕の内弁当を選択、お腹いっぱいになって、エネルギー充填完了。

駅から坂の斜面に広がる住宅街の中の迷路のような道を歩くこと30分以上、ようやく山の中に入ることができました。充填したばかりのエネルギーのかなりを費やしてしまいました。枚岡駅や額田駅だと早々に森の中に入っていくものの、回りにはコンビニもありません。山歩きと商店街ぶらぶらは、やはり分けて楽しんだ方が良さそうです。

なるかわ谷という渓谷を上って行きます。ヒカゲチョウと大柄なムギワラトンボ。

ウラギンシジミとニホントカゲ。

モノサシトンボ♀、ブルーの♂と異なり体や目がグリーンで、足にスパッツのような膨らみもありません。目と目の離れ方がなんとも可愛い。

このブログ初登場のカタツムリ、たぶんナミマイマイかと思います。

山道の目の前を大きなネズミ?が横切りました。写真では不鮮明ですが、尖った鼻先をしっかり見ました、間違いなくモグラです。

またモノサシトンボ♀、とヒメウラナミジャノメ。前日までと違って急に気温が上がり、さらに湿度がかなり高いのを肌で感じます。この辺りまできて、もう汗びっしょり、というより全身びしょびしょです。カメラに水滴が落ちていたので、あれ、雨?と思ったら自分の汗でした。

渓谷沿いの道が「石畳の路」と鳴川峠への道に分岐するところまで来ました。麓の自動販売機で買ったペットボトルの水が残り少なくなってきていることもあり、今日はここで引き返すか、と考えたのですが、今日の目的は小さな仲間たちだけでなく、自分の部屋から見える山の名前を調べることが目的だったことを思い出し、ある程度見晴らしの広がるところまで「石畳の路」を進むことにしました。

この「石畳の路」がキツかった。石畳というより、殆どが「石段」です。1枚の写真を撮ることもなく、石段を登り続けること約1時間、息も絶え絶えで、なるかわ管理道との合流点までたどり着きました。

管理道から崖下の木を眺めていると、小鳥たちが少なくないのに気づきました。ところがどれもこれもピンボケ、よほど疲れきって、カメラではなく自分の目のオートフォカスが効かなくなっていたようです。

せっかくなので、とても可愛いメジロだけアップしますが、拡大すると恥ずかしい超ピンボケです。メジロ以外にもソウシチョウやコゲラ、後ろ姿だけで判別のしようのない小鳥も写っていたのですが、もっとひどいピンボケだったので割愛。

植物観察をしていたベテランハイカーさんに、この先、水を買えるようなところがありそうですか、と聞いてみたところ、30分程歩いた、レストハウスで売っているかも、と教えてくれました。但し旗立山という山を越えなければならないそうです。30分なら下りるより近く、500mlのペットボトルの1/4くらいになった水にかなり心細くなりながらも、このまま管理道を進むことにします。

ようやく見晴らしが広がってきて、旗立山への登山道の分岐点までやってきました。

そこに、森のレストハウスでスポーツドリンクを12時から12時45分まで販売しています、との看板、ガビーン、既に2時半を回っています。このままレストハウスへたどり着いても、水が調達できる可能性はほぼ無さそうです。

この分岐点では大きく眺めが広がり、足下直下に瓢箪山駅があります。阪神9000系が瓢箪山駅に侵入するところです。

ビスタカーが通過線を走りぬけ、坂を上って行きます。

視界はあまり良くないのですが、瓢箪山駅の先、一直線上に東花園駅、さらに河内花園駅。

その先、若江岩田駅、近畿自動車道をくぐり、うっすらと八戸ノ里駅も見えます。

間違いありません。自分の部屋は近鉄奈良線から垂直方向に約150m、毎日自分の部屋から見える風景を逆方向から見ていることになります。ということは気になるあの山は旗立山、ということでしょうか。

もう気力も体力も水も残っていません。たぶん旗立山だろうと自分をナットクさせて、この分岐点から旗立山とは逆方向の客坊谷の道を下りることにします。

20分ほど下ると「らくらく登山道」にでてきました。元々自動車用に計画されたのが、ハイキング用に転用されたもののようです。水は飲みきってしまいましたが、コミスジをアップで撮る元気はまだ残ってました。

らくらく登山道を下って、らくらくセンターハウスという施設に到着、住宅地はすぐそこなのに、ここの自動販売器の水を買ったら山の上のレストハウスと同じ価格、クタクタになって下りてきたのに建物の中は換気もされておらず、ゴミは持ち帰れとか、注意書きばかりで不愉快になり、そそくさと退散しました。おいしい水を期待していたのにガッカリ。

結局、行きと同じ所に出てしまい、長時間住宅地の下り斜面の迷路を歩くことになってしまいました。らくらく登山道へ入らずにまっすぐ客坊谷沿いを下ったほうが楽で、ディスカウントの自動販売器のずっとおいしい水が飲めたはずです。


ウチに帰ってから「旗立山」をキーワードに検索してみると、こちらにアップされているPDF(リンク切れ)で、旗立山の真東に大原山522mという表記がありました。国土地理院の地図にルートや詳細な名称が上書きされているもののようです。旗立山の標高は486mということも分りました。

ということは自分の部屋から見えるピークは、旗立山ではなく、大原山ということになります。上述のPDFの地図では、その南に横峰山474mの書き込みもあります。

晴れた冬の夕方の写真にわかった地名を書き込んでみました。ほぼ間違いないかと思います。旗立山の中腹にちょっとした空間が広がっているのが見えます。瓢箪山駅を通過するビスタカーを撮った場所、つまり今日の折り返し地点のようです。

改めて大原山へ登って再確認したいところですが、上述PDFの「石畳の路」の等高線の間隔を見て、ちょっとぞっとしました。それより暗峠から大原山へは等高線の間隔も広く、楽勝のようです。暗峠経由であれば、峠の茶屋「すえひろ」があるので水の心配がいらないどころか、お酒までいただくことが可能です。

フィールドワークで得た情報をキーワードにネット検索することで、知らない世界が見えてくる、ということに気づきました。