コハクチョウは裏切らない

この週末はかなり暖かくしかも快晴との予報、レンタカーじゃなくてレンタサイクルでコハクチョウに会えます。昨シーズンは新潟へ行くのが精一杯だったので21ヶ月ぶりの湖北へ。

新快速近江塩津行に揺られ長浜に着いたのは9時過ぎ、長浜観光協会でレンタサイクル、電動アシスト付はママチャリの他にスポーツ車も導入されていてスポーツ車にしました。走り出すと電池の残量が80%を切っているのに気づき一旦引き返して電池を交換してもらい再出発。

ミコアイサ

いつも通りまずは豊公園の浜、のっぺりした湖面にオナガガモとオオバン。

遠くに見える山本山に向かって出発、スポーツ車の小さなサドルでおいどが痛く、だましだましペダルを漕ぎます。

と、いきなり浅瀬にコウハクチョウたち。

浅瀬のコハクチョウたちを近くに見られる場所が見つからないまま姉川大橋、河口の砂州まで行くことができるようです。

姉川を渡ると湖岸緑地の木の間隠れにコハクチョウが見え、整備された公園になっているので近づけました、

3羽のファミリー、幼鳥が水中から頭をあげたところと親鳥が頭を揚げたところです。

真正面に浮かぶ竹生島をバックに撮ってみました。公園の東屋で休憩していたクロスバイクのよく日焼けした男性に声をかけられしばしコハクチョウ談義。

16km先の対岸に近江今津、平和堂今津店がよく見えます。

早崎内湖はまだ工事中、ビオトーブの整備まではまだまだかかりそうです。

本当にビオトーブにするつもりがあるのかと疑問に思ったら、ミコアイサのカップル。工事現場の様相とは裏腹に水中には意外と豊かな自然環境が残っているようです。

ミコアイサだけで10羽以上、これだけまとまった数のミコアイサを見たのは初めて。

奥の州

2年前と同様に琵琶湖はかなりの渇水で浅瀬が広がり島へ歩いて渡れるようになっています。2年前よりさらに道幅が広く見えます。数日前のよんチャンTVでここから生中継をやってました。2年前には名前が分からず勝手に海老江島と呼んでおいたのですが、奥の州という名前で、今では琵琶湖のモンサンミッシェルと呼ばれているそうです。

沖には白い点々、コハクチョウたちです。実はよんちゃんTVの画面にコハクチョウたちが写っているのを見たのが今日ここへやってきた話の発端です。テレビを見たらしき人たちがたくさんやってきていて、島の入口付近の道路は時ならぬ渋滞。海老江漁港脇の水門の北側の石段を下りると奥の州へ続く道に出られます。Google Mapでは完全に水没している道、島の北側の浜辺の道を取るとかなり向こうまで続いていて、島は丸くなくて東西に長いと気づきました。

ちょっと逡巡したものの、やはり島の西端まで歩いてみました。その沖や北側にコハクチョウたち。

ずっと向こうは近江塩津辺り、琵琶湖の北端です。

画面左手のピークは賤ヶ岳421m、羽柴秀吉と柴田勝家決戦の場です。その稜線の南端が山本山324m。

浜辺に黒く尖った貝殻のようなものがびっしり、ヒシクイの大好物、ヒシの実です。

湖岸へ戻り野鳥センターへ向かいます。枯れたハスの畑が沖の方まで伸びています。ほとんど冬にしか来たことのない湖北の夏に来てみたいと思います。

竹生島をバックにコハクチョウたち。

ヒシクイたちは全員爆睡中。

オオワシ

ビワイチのロードバイクの人たちや奥の州を訪ねてきた人たちで道の駅は大賑わい。食堂はパスして豊公園前のセブンで買っておいたサンドイッチで軽いランチ。

湖北野鳥センターのフィールドスコープを覗いてみると枯れ木にオオワシが止まっています。となりに掲示されたオオワシの現在地を示す写真をスマホで撮っておいて山本山の麓へ向かいます。

今日発売されたばかりの湖北の野鳥ハンドブック「山本山のオオワシ」を買って山本山をバックに1枚。今年で26年連続の飛来、推定年齢31歳以上、追跡できている限り国内最高齢のオオワシのおばあちゃんです。

湖北野鳥センターから山本山へ向かう道にカメラマンが数人、でも野鳥センターのフィールドスコープが向いていた方角よりずっと左に向かっています。こちらに来るまでの間にオオワシは移動したのでしょうか。もう少し北側にも30人くらいのレンズの砲列、その端っぽで回りのレンズの向かう方角をじっと観察もどこにいるのかさっぱりわかりません。オオワシが飛び出すのを待ってみることにします。

居並ぶカメラは殆どががっしりした三脚に乗せられ、レンズは最低限500mm以上、あるいはNikonのP1000といった超望遠ネオ一眼、もしくはフィールドスコープ。対して自分はAPS-Cに300mm、フルサイズ換算で460mm、全画素超解像ズームで900mm相当になるはずですが、いかんせんファインダーも無いのでどこにオオワシがいるのかさんざん探してみてもわかりません。漸く野鳥センターのフィールドスコープから覗いた角度は、居並ぶカメラマンさんたちのレンズの方向と同じでオオワシはずっとじっとしたままと気付き、とりえあえずあの辺かなと何枚か撮っておきました。

小一時間ほど粘ってみたのですが飛び出さず、諦めます。もう10回くらいチャレンジしているものの今までオオワシをある程度しっかり見ることができたのは琵琶湖湖面の杭に止まっている時1度だけ、どうもご縁が薄いようです。

帰ってから画面をチェックしてみると、いちおう写ってました。画面の中央にくるようにトリミング、まっすぐこちらを向いてます。引いた画面でもよーく見ると写ってます。画面右端から1/3、上から1/4くらいの枯れ木のてっぺんから少し下です。このカメラとレンズでは本格的なバードウォッチングは難しいと思い知らされたものの、お金が無いということもありますが、機動性重視で重いものは持ちたくないので自分的にはとりあえず現状がベスト。

尾上漁港の方へ回ってみるとここにもコハクチョウたちが18羽、右手奥は近江塩津、対岸左手は行き止まり道路のどんつきにある人口18人の月出集落、行ってみたい。

山本山の方へ戻ると別の角度からオオワシを狙う人たち数人、やはり自分には確認できないものの、そのレンズの向かう方向をとりあえず撮っておいたら、やはり一応写ってました。画面右端から1/5上から1/2くらいの位置です。

かなりの数のコハクチョウたちが湖面に浮かんでいたので、可能性は低いものの田んぼに出ているコハクチョウがいないかチェックしておきたいです。広〜い湖北、伊吹山はまだ冠雪していまんせん。気持ちのいいサイクリングですが、今日はなぜか顔に蜘蛛の巣が絡んできます。取り除いてもまた蜘蛛の巣、服にも付いていたので丁寧に取り除きました。可能性の高いJA北びわこカンツリーエレベーター周辺も全く白い点々は見つからず。やはり田んぼに出なくても渇水の湖面でマコモなどの好物が簡単に採餌できるためと思われます。

夕空のコハクチョウ

湖岸に戻り、3羽のファミリーがいた辺り、まだ3時なのに西日を受けたモズ♀。

今日は飛んでいるコハクチョウを全然見ていません。日が傾いてきたので塒に戻るコハクチョウが見つからないか上空もチェックしつつ、姉川を越えて南浜の湖岸を覗くと白い点が見えたもののカンムリカイツブリでした。

南浜の湖岸でいっぷく。今日は田んぼで間近からウーウーをまともに聞いておらず、飛翔する姿も見ておらず、これまでの湖北鳥見で一番のハズレかも。琵琶湖の水位が戻った頃に出直してこよう、今日のブログタイトルはコハクチョウじゃなくてミコアイサか、と考えながら長浜市街へ戻りかけると、今朝、最初にコハクチョウを見た浅瀬に白い点々がまだいます。

向こうはダイワロイヤルホテル長浜。もう少し近くから見えないかと自転車を漕いでいると林の向こうからウーウーウー。湖岸へ出る方法はないのか探してみると、今朝は気づかなかった石段があって湖岸へ道が伸びているのを発見。クルマだとまず気づかなかったはずです。

林を抜けて湖岸にでてくると、かなり低くなったお日さまに照らされた黄金色の湖面にコハクチョウたち。なぜかカワウたちと対峙しています。

さらに後ろからもコハクチョウたち。

さらに三々五々と同じ方向に向かってきます。バシャバシャバシャっという音が聞こえ咄嗟に連射モードに切り替えました。

一斉に飛び立ちました。大好きなシーンです。

湖面に残っていた2羽の1羽もテイクオフ。もう1羽を追い越しての大股水上助走は体が大きいので迫力あります。

連射10枚、Ligtht boxでご覧ください(画像クリックで画像拡大、拡大画像右半分クリックで次、左半分クリックで前に切り替え)。

塒のある北の方へ向かうと思いきや旋回、湖面には1羽だけ残っています。

さっきの子が戻ってきました。どうやらこの2羽は帰りそびれた仲間がいないかチェックする当番らしい。

よんチャンTVを見てやって来た湖北、ちちんぷいぷいの時にコハクチョウたちの写真を提供し、鳴き真似までした自称コハクチョウファミリーの一員の自分、コハクチョウたちも期待を裏切らず林の向こうからウーウーウー、こっちやでと声をかけてくれたようです。

豊公園からの夕日です。

今日の相棒のYamaha Vienta。30kmは走ったはずですが、まだ70%くらい電池が残っていてビックリ、おいどの痛さも気にならなくなってました。

名残のモミジを眺め、自転車を返却。2年前はこのあと醒ヶ井へバイカモを見に行っており、今回も彦根城とか色々考えていたのですがもうその時間はありません。

観光協会のあるえきまちテラス内の壁画に長浜の四季が凝縮されていました。左側の山は明らかに山本山、真ん中の山はたぶん小谷城、右側は長浜八幡宮のようです(2024/1/28追記: 右側の寺社は長浜別院大通寺に訂正します)。田園では田植えの一方、ハクチョウたちが二番穂を啄んでいて、その脇の自転車はたぶん自分です。

 

えきまちテラスに新しくできた飲み屋さんに入ってみるとテレビでは天皇杯決勝、前後半スコアレスドローで、延長線が始まったところでした。延長線でも決着せずPK戦に突入、それも10人目で残念ながらレイソル優勝ならず。リーグ戦でもギリギリのギリ、得失点差でJ2落ちを免れたレイソルらしいといえばらしいです。来年にかけてほしい。

祝杯になるはずだった4杯目のおかわりは止めて、柏がらみで関西唯一のホワイト餃子を食べに行こうとしたら売り切れ、同時に入店したカップルに残念やったね、と声をかけて帰ってきた笑顔が素敵でした