京大博物館
今年の京都初めは寒さに関係ない博物館へ。最高気温は8℃も意外とポカポカ、厚手のジャケットで歩くと暑いくらいです。
ステゴドンゾウの後、100万年前から50年前に温帯に棲んでいたマンモスの仲間のシガゾウが琵琶湖らしき湖の畔を歩いています。化石が発見された滋賀県志賀町にちなむ命名ですが、大阪にも生息していたと推測されるようです。
もう1枚のパネルで氷河時代に、ナウマンゾウは大陸と陸続きだった九州から、マンモスは樺太を経て北海道にやってきたと分かります。
ネットにアップされたタイのゾウのショートムービーが好きでよく見るのですが、ホントにゾウは頭が良くて人間とコミュニケーションしているのが分かります。現生人類が生活していたことが分かっている氷河時代の日本列島、現在のタイのようにナウマンゾウと縄文人が共生していたはずです。
全長816mmもあるオオサンショウウオとチュウゴクオオサンショウウオの交雑個体の骨格標本。賀茂川にオオサンショウウオが現れたという情報を時々見かけますが自分はお目にかかったことがありません。
世界の糞中の標本、大好きなオオセンチコガネも見えます。糞虫コレクションとしてはやはりならまち糞虫館の方がずっとすごい。
慶長年間のキリシタン墓碑、詳しい資料が見つかりました。多くは北野白梅町付近から出土しており、北野白梅町付近に当時のカトリック教会があった可能性が高そうです。
お隣は唐古遺跡のコーナー、弥生土器だけじゃなくて縄文時代晩期の縄文土器も出土していると分かりました。持ち運びに便利なように蔓製のネットを掛けられた様子を復元しているそうです。
唐古遺跡といえば絵画土器、舟が描かれた壺です。
唐代の陶俑、日本の埴輪に相当する副葬品のようです。女性像が巫女埴輪とそっくりなヘアスタイルなのが興味ぶかい。
殷代の出土品の数々、紀元前11世紀頃に中国では既に文字(甲骨文)が登場していたことが分かります。
第12王朝(紀元前1991年頃 - 紀元前1782年頃)、ネフェルヘテブセネブの供養碑。楽しげな食事風景が精緻に描かれその上にヒエログリフがびっしり並んできます。何十年も前に、ルーブルや大英博物館、さらにはメトロポリタンで古代エジプトの美術品を見た記憶があるものの、初めてしっかり見た気がします。
ロビーに戻って来ました。広いカフェやミュージアムショップがあるものの誰もおらず、まさに閑古鳥がシーンと鳴いてました。同じ時間の来場者は10人もいなかったように思います。今日見学した展示は京大が保管する膨大な関連資料のごくごく一部のはず。テーマが広範すぎてもっと絞り込むことで見やすく学びやすくなるのでは、展示すべきコレクションは無尽蔵で集客する方法はいくらでもあるはず、とも考えてみたものの、閑古鳥が鳴くこの展示がOKなんだ考え直しました。
潤沢な研究資金があり、集客や収益性、経済原則もあまり考える必要もないはずで、そこに優秀な研究者が集まり、それぞれの専門分野の調査研究に没頭できる環境からもたらされる未知の「何か」が社会や国、あるいは世界にとって有益であり人類の発展に不可欠です。例えば、ここで古代エジプトのビーズネットを見て興味を持った少年が、何十年もかけて、古代エジプトと古代日本の関係にとんでもない大発見をする可能性があるかも知れません。何人ものノーベル賞受賞者を輩出している京大の「自由の学風」の伝統の意味と意義が少し分かった気がしました。
駅伝
ランチはミリオンでハンバーグのつもりだったのですが、定休日だったので向かいの台湾料理、魯肉飯と海老ワンタン麺セットです。
百万遍交差点へ戻ると交通規制が行われていてもうすぐ駅伝が通過しそうです。既に国際会館折り返しを過ぎて後半戦の7区、今出川通りを歩いていると、1位は京都、大西桃香選手(立命館宇治高校)。
なかなかのスピードで川下りです。