白鳥と猿とEF210
大好きでたまらない湖北のコハクチョウがピーク。秋に訪ねてはいるもののどうにも物足りない再会でした。ほどなく北帰行も始まってしまうはずで、これ以上望むべくもない天候コンディション、出かけるか諦めるか、府県境をふたつもまたぐだけに人一倍ビビリの自分は直前まで悩みに悩みました。湖北は諦めて、いずれ東北や北海道まで追いかけることも考えたものの、気づいたら昨晩レンタカーの予約をしてしまってました。
なかなか寝付けないまま変な夢を見ました。アメリカ、確かシカゴまで上海経由のユナイテッドで日帰り、というか現地滞在が数時間だけという弾丸ツアーに出かけ、どこかの空港で搭乗前にPCR検査を受けたものの、行けども行けども搭乗ゲートに辿り着かない自分がいました。
前回と同じ8時発の新快速米原行で出発、いつもの先頭車かぶりつきじゃなくて空いているはずの後ろの方の車両を選びます。大津からワイドビューひだと並走するはず、と構えていたら、ひだはちょっと遅れていて石山で追い抜かれただけでした。
米原駅西口です。駅前には東横インしかありません。殆ど渡る人のいない横断歩道を飛び出し坊やが見張ってくれています。平和堂があった場所はきれいさっぱり更地になってました。
早崎内湖ビオトーブはまだ工事中、と、上空にコハクチョウたち。行き先を目で追うと延勝寺地区の田んぼに集まっていました。
延勝寺地区
どんどん集まってきます。白い山は金糞岳1317m、美し山容にそぐわない山の名前ですが付近に鉱山があったことに由来するようです。
上空を旋回してランディング。
まだまだやってきます。ちょうど湖北野鳥センター前や延勝寺地区沖の小島のねぐらからの通勤時間のようです。
かなり密集して飛んでる一団も。
向こうの雪山をよくみると電波塔が見えます。滋賀県と福井県境の乗鞍岳865mと分かりました。この東側山麓に国境高原スノーパークがあって1m以上の積雪、全面滑走可のようです。ここから直線距離で15kmしか離れていません。
水族館のチンアナゴのようなコハクチョウたちがスマホで撮れます。
コハクチョウたちの全体像です。300羽くらいかな、これまでに湖北で見た集団としては最多かと。
ようやくピントが合ってきたようです。
田んぼのコハクチョウ、ウーウーウー、かなり賑やかです。
頭上を行くペアに続いてバラバラっと17羽。
離陸するコハクチョウたちが小さいながらV字になりました。
上昇するコハクチョウと着陸態勢のコハクチョウが交錯します。
西池
かなり満足して一旦引き上げます。山本山西側にはオオワシ狙いの人たちが三脚を並べていて、レンズは山本山じゃなくて北の空を向いてます。尾上漁港東側の岸に並ぶカメラマンも見え、クルマを止めてみようかと思ったものの先を急ぐことにしました。
湖北野鳥センターの駐車場もほぼ満車状態、関西より名古屋や岐阜ナンバーが目立ちます。野鳥センター前にコハクチョウが1羽もいないことを確認して西池へ向かいます。
西池ではジョビ太が出迎えてくれました。
池面にはカモたちがびっしりも期待していたミコアイサは見当たらず、オナガガモ、マガモ、コガモ、カルガモまで。
諦めて帰ろうと、クルマをUターンすると池の北側の田んぼにニホンザル。野生の猿はお初、10頭くらいいます。
ウチへ帰ってがっくり、ニホンザルの写真は殆どピントが合っていませんでした。その中から比較的ましなのをピックアップしてアップロードしています。周りとサルたちとのコントラストがなさすぎるのが原因のようです。
コハクチョウよろしく田んぼの二番穂を求めてやってきているようで、毛並みはよく十分な食生活を送れているみたいです。
雪で覆われた伊吹山は石灰採掘で削られた斜面が気にならない景色になってます。
もいちど延勝寺地区
延勝寺に戻ってきました。今日の相棒のヴィッツ、向こうの白い点々がコハクチョウです。山本山とコハクチョウたちも抑えておきます。
かなり賑やか、寝てるのは1羽もいなくて、北帰行に備えて体力増強に勤しんでいます。
よーく見ると矢印の幼鳥2羽はオオハクチョウっぽいです。嘴の先端部分だけが黒く、首が太め、楔形の頭が鋭角で周りのコハクチョウたちと違ってます。
ちょっと近づきすぎたかな、と思っていたら、さらにこっちへ向かってくるファミリー。ずいぶんべっぴんのお母さん(たぶん)、風に翻る羽が色っぽい。
頭上を飛ぶと、ブォン(擬音はちょっと違うかも)という機械的な羽ばたき音が聞こえるのに気づきビックリ。初めての経験です。
今日のコハクチョウたちまとめ動画です。
オオヒシクイをチェックするのを忘れていました。野鳥センター前にもどると竹生島をバックにオオヒシクイたち。コハクチョウたちより一足先に北帰するはずです。
柏原
少し寄り道してみます。行き先は柏原(かしわばら)駅周辺、今、私本太平記を読んでいて、佐々木道誉の本拠地として登場する伊吹山の南麓です。
JR東海柏原駅、跨線橋の向こうに伊吹山が広がっています。東海道本線186駅中、最も乗降客数が少ない駅です。米原行311系がやってきました。写真を撮りそびれたのですが、駅の南側に趣深い中山道の宿場町の風情が残っています。
予期せず雄大な伊吹を正面に東海道線の築堤が横切る広い空間に出てきました。柏原中学脇のここで撮り鉄します。クルマに置いてきたスマホを取りに戻っているウチに上り列車が通り過ぎました。築堤の向こうに見える白い細い線は新幹線です。
15分ほどスタンバイして下り313系が通過。貨物列車はいつ通過するか分からないので線路沿いの道を走り始めるとEF66(改)牽引の西濃運輸のコンテナ列車と並走、付近は急カーブが連続するため、EF66はかなり速度を落として走行しているもののハンドルを握ったままなので、2kmくらい並走して見送りました。
EF66を見送った先にまた伊吹山が広がり、ほどなくEF210牽引の貨物列車がやってきました。前後にクルマがいなかったので、慌てて窓を開けてパチリ。
柏原の方へ引き返すと、東海道本線が90°カーブするところの道路に「太平記ゆかりの里 近江国清滝」とありました。私本太平記ではなく、1991年の大河ドラマ太平記に因むキャンペーンの時のものと思われます。私本太平記はまだ7割ほど読み終えたところで、完読したら感想文を書いてみるつもりです。
90°カーブを313系が通過、日が傾いてきました。6時頃までに大阪へ帰り着かないと晩酌ができなくなるので家路を急ぎます。
柏原駅周辺をマイマップにまとめてみました。旧中山道や国道21号線、名神高速は清滝山の南の谷をまっすぐ進んでいるのに、東海道本線は清滝山を迂回するようにΩ字を描き近江長岡を経て醒ヶ井へ繋がっています。赤いマーカーは柏原中学脇の撮影ポイント、緑はEF210を撮った地点、青は太平記ゆかりの里の表記の場所です。
国道21号線ではなく東海道本線に沿うルートで米原へ向かうと、近江長岡を過ぎた辺りから川底が浅そうな、色んな生き物に会えそうなちょっと大きめの小川と並行、天野川という川でゲンジボタルで有名と分かりました。
春や夏にも訪ねてみたくなった伊吹の里、米原まで新快速で1時間半、高野山や吉野へ行くのと大差ないと気づきました。