箕面のサル

どこか暖かい場所をと考えて、昆虫館の温室を思いつきました。伊丹の昆虫館(ドメイン名はなんとitakon.com)はだいぶ前ですがいったことがあるので、箕面の昆虫館に行ってみます。

リニューアルされていない6000系急行宝塚行に乗車、壁面とドアの色が違ってます。ドア左上のシールが剥がされた跡が壁面化粧板の色です。

訓練運転の女性運転士さんの肩越しに淀川橋梁を渡ってくる7000系の急行とすれ違います。右側に年配の指導運転士さんが立っています。

急遽十三で下車、梅田発車時になにげなく振り返ると5号線にいた8000系の普通雲雀丘花屋敷行に乗り換えます。

8000系8005編成、宝塚寄り2両がクロスシートです。窓側にも肘掛けがあって京都線9300系よりリッチなクロスシート、シート自体の形状やモケットが違っているものの、肘掛けや枕カバーはかつての京都線6300系と共通のようです。ただ車体はロングシート車と同じなので、窓とシートの位置が合っていません。1990年製で昭和の雰囲気が残る車内、壁面とドアも同じ色のまま、リニューアルしないでこのまま走り続けてほしいものです。

8000系の内8002〜8007の6編成のそれぞれ神戸/宝塚寄り2両だけがクロスシートで製造され、既に8006、8007編成はリニューアルでロングシート化、8004と8005の2編成の4両だけが宝塚線のクロスシートのようです。南海本線沿線で生まれ育ってヒゲ新こと旧1000系(元11001系)が大好きだっただけに追加料金不要のクロスシートにはかなりのこだわりがある自分です。

石橋じゃなくていつの間にか石橋阪大前になってました。地下道をくぐって箕面線に乗り換え。

12月のダイヤ改正で箕面線から宝塚線への直通列車は全廃されたそうです。行き止まりの5号線だけの運用になり、送り込み回送にしか使われなくなったデルタ線の名残を残すカーブした3/4号線(なぜか5号線寄りが3号線)のレールは早速サビが回ってきているようです。

箕面線の6000系、こちらはさっきの急行以上に壁面デコラ版の変色が激しく、シールを剥がした跡がかなりくっきり。

何とも色気のなくなった箕面駅の時刻表です。遅れに遅れた北大阪急行の箕面延伸もいよいよ来年開通だそうな。沿線住民の多くが北大阪急行へ流れると予測されており、それを踏まえての箕面線の梅田直通廃止らしく、箕面線は4連でももてあますことになりそうです。箕面有馬電気軌道に遡る阪急創業路線の箕面線が寂れたとしても北大阪急行も阪急の子会社なワケで、小林一三翁が存命なら、ノスタルジーだけでは食べていかれまへん、どんどん新しいことやりなはれ、というところだったことかと。

箕面駅前の観光案内図で駅前の道路が半円を描いています。かつて箕面駅がループ線だった跡と思われます。箕面有馬電気軌道の頃、梅田→石橋デルタ線東側→箕面ループ線→石橋デルタ線北側→宝塚、という電車が運行されていたそうな、経路から少し外れた観光地や総合病院を経由する路線バスが分岐地点から往復する感覚です。

滝道

駅から5分ほど歩くと箕面温泉スパーガーデンの展望エレベーター。みの〜おんせんスパーガーデン♪のメロディが耳に残っているのですが、もうこの歌は使われていないようです。

その先土産物屋さんの並ぶ通りを抜けるとすぐ、箕面川沿いの「滝道」になります。

滝道を進むと渓流の対岸で枯葉が斜面をザザザっと滑っていました。よーく見るとニホンサル、枯葉に隠れたドングリを探しているようです。もともと大阪府民なので子供の頃から箕面のサルの存在は知っていたものの初めてお目にかかりました。こちらを振り返ると優しげな表情をしています。

湖北で会った時のように、通常ニホンザルは集団で行動しているはずですが、なぜか単独行動。なかなか毛並みがよく、ちゃんとした生活をしているようです。

自分と同年配くらいの女性が近づいてきて、滝の近くでは鹿も見ましたよ、と教えてくれ、さらに人が集まってきてサル観察の人垣ができていました。

箕面公園昆虫館

目的地の昆虫館に到着。世界一美しいクワガタとされるピッカピカのニジイロクワガタ、ニューカレドニア/オーストラリア北部に生息。ツノの形状が見慣れたクワガタとは全く違ってます。

大好きなハンミョウも展示されていました。

放蝶園の温室、暖かーい。シロオビアゲハ、南西諸島の蝶です。自分に近づいてきて胸元に止まってくれ、カメラでは撮りようがなくスマホを取り出そうとしたら行ってしまいました。

真っ赤な花の上にクロアゲハ。大型の蝶だけでなく小さい蝶も、モンシロじゃなくてクロテンシロチョウです。

えらく地味なのはカバタテハ。シロオビアゲハが翅を広げています。

一番数が多いのは一番大きいオオゴマダラ。掲げられていた蝶の紹介パネルには含まれていないタイワンキマダラもいました。

オオゴマダラメインでツギハギ動画。オオゴマダラが自分のすぐ近くを飛ぶと翅から送られる風を感じました。

鮮やかな紫はツマムラサキマダラ、オオゴマダラの前にいるのはリュウキュウアサギマダラ。

おっと、大好きなアサギマダラもいました。♀です。もう少し見ていたい蝶たちですがさすがに温室の中に長くいるとノボせてきたので出ます。放蝶園の入口は蝶たちも出入り自由ですが、居心地の良さげな温室から出てくる蝶はいないようです。

箕面大滝

滝道をさらに30分ほど歩くと箕面大滝が見えてきました。以前来た時より水量はかなり少ないです。

指名手配書のような「サル危険」の看板、さっきあったおさるさんはこんな凶暴な表情とは全然違ってました。

葉っぱを落とした高い木にコゲラ。

角度を変えて赤い橋の上から箕面大滝です。

赤い橋のたもとに瀧前句碑、この影に石に彫った句碑があるのかと探したもののこれだけのようです。

滝の上に水現れて 落ちにけり

昭和4年にここで詠まれたホトトギス同人の後藤夜半の代表句で高浜虚子に客観写生句として高く評価されたそうですが、自分には、それ当たり前やんか、と滝の上をもう一度チェックしてみたものの、何も感じられませんでした。

対岸の岩壁にシジュウカラ。滝道の往復、何度も何度も渓流を覗いてみたものの渓流の鳥たちには会えませんでした。親子連れ、カップル、インバウンドさん、ジョギングの人、と行き交う人は少なくないです。中でも犬の散歩の人が多いのにはびっくりしました。モミジの季節は渋滞するほどと聞いたことがあるのですが、なるほどです。

大滝から10分ほど戻ってきたところの唐人戻岩の名付けられた巨岩、唐の人がここで諦めて引き返したことにちなむそうです。近くに戻岩橋というかけられていて、さっき大滝付近の橋の近くで鹿を見たと聞いたことを思い出し、引き返して周囲をじっくりチェックしたものの見つからず。

帰りの石橋阪大前行は8000系2連x2の4連。阪急でブツ4を見たのは始めて。宝塚線で10連運転がなくなって箕面線で運用されているようです。

梅田に戻り阪神スナックパークでちょっとお寿司をつまみました。脂ののった炙りさばは粗塩で。

仕上げは長谷川義史画伯のイラストを眺めながらうまかラーメン、隣で長い行列が伸びているいか焼きと同じ経営だそうです。大阪の会社ですが、とんこつはしっかり博多味、うまか。

藤井寺から梅田にやってきた、よしおとおかあちゃんの物語が壁一面に、いまだ全文を読みきれておらず、長谷川画伯ならではのオチはまだ確認していません。

久しぶりにひと駅乗り過ごしてしまいました。