日々是好日の奈良
藤原京へコスモスを見に行くつもりだったのですがどん曇りでキャンセル、この前見つけた猿沢池近くの美人女将の定食屋さんに行ってみることにしました。
西大寺駅を出るとダヴィーナ・ロビンソンさんの平城京紹介の車内放送。8連急行最後尾の5820系LCカーから撮ってます。
近鉄奈良駅に到着するとすごい人でなかなかホームから出られず、東改札口を避けて西改札口を出てTimes Placeを抜け、いくらか人が少なくなったタイミングを見計らってエスカレーターでやっと地上に出ました。
当然、東向商店街のアーケードは避けてアーケードの無い東向北商店街へ。
ごはんの間も10人くらい並んでいてビックリ、人の殆ど歩いていない県立美術館と県庁裏の間を抜け、バスターミナルで外国人団体や修学旅行生を横目にトイレを借りて登大路町の信号を渡り、真正面に東大寺南大門と若草山を眺めつつ、塀から張り出した柿の実が縦長なので渋柿かなと観察して吉城園に到着。
吉城園
吉城園茶室西側で鳥を探していたら箏の音、苔の庭の方に回ってみると箏5面の演奏会、茶室前にベンチが並べられていてゆっくりお箏を堪能させてもらいました。
演奏終了後、脇にチラシが置かれていることに気づき奈良女子大学箏曲部のお嬢さん方と分かりました。チラシを2枚取ってしまったことに気づき、英文が併記されていたので、近くにいた可愛い白人のお嬢さんにどうぞ、アリガト。周りのは茎が緑なのに茎が赤いツワブキ。
スギゴケをバックにまだ熟していないさくらんぼみたいな実をぶら下げたマンリョウ。赤い実と黄色い実を上に伸ばすセンリョウ。
何とも艶やかな密度の濃いツワブキ。ナンテンも赤い実を空に伸ばしてました。
ホトトギスです。この花を見ると特許許可局と鳥のホトトギスの声が頭の中を巡ります。止まっているのはハナアブかと。
キチョウが黄色い葉っぱに止まってずっと動かなくなりました。保護色になったつもりのようです。見慣れたキチョウですがこれだけアップで撮ったのは初めて、翅の縁をリベットのように大小の斑点が人工的なくらい整然と並び、触覚は編み込まれた紐のよう。とてもカッコいいです。
ひと月前は蕾だったフジバカマがいい感じになってました。アサギマダラはいません。
オオアオイトトンボです。
朝のニュースで吉城園隣の依水園のモミジが見頃と言ってたのが今日吉城園へやってきた理由なのですが、紅葉は始まったばかりです。
できたばかりの森の中の道を抜けると南大門周辺は大賑わい。9割方インバウンドさんで日本人は少数派、円安パワーをひしと感じさせられます。円の史上最高値は2011年の75.30円なので円の価値は12年で半減しています。朝のニュースの後の旅番組で30年ほど前に訪ねたことのあるサンモリッツの旅を紹介していたのですが、そのホテルやレストラン、現地交通費の高額さにはまさに目が飛び出ました。元々スイスは世界一クラスの物価の高い国ですが、円安だけじゃなく日本の経済成長の停滞もあって自分の許容範囲の3倍を超えてます。30年前に行っておいて良かったです。
タガログ語を聞きながら鏡池越しに大仏殿を眺め引き返します。
吉城園に戻りもいちどモミジ。1枚の葉っぱで緑と赤のグラデーション、毛虫に食われた葉っぱもいとおかし。毎年見ている吉城園の紅葉もなにがしか新しい発見があり、樹木希林さんの遺作となった日々是好日の「毎年同じことができるってことが幸せなんだなぁ」というセリフが思い出されます。
お隣の依水園も似たような感じで見頃情報は誤報かと。でも自分的には、真っ赤になるより今の方が見頃とも言えるかも知れません。
茶室を覗いてみると、お箏の下に敷かれていた緋毛氈がロールになってました。
今日もヤマガラには会えず吉城園を出るとご近所の庭の木にモズ♀。
奈良町のお好み焼き
興福寺五重塔で工事が始まっています。これから1年以上かけて素屋根が構築され、再来年には全体が覆われることになり、今の姿は見えなくなってしまいます。工事の完成は何と令和13年だそうで、8年くらい奈良の景色が変わってしまいます。
猿沢池南側のお店が今日の目的地、ランチのピークを外して来たのですが、ありゃりゃ、暖簾が外されてました。
セカンドチョイスも満席かも知れない「お好み焼き・団」。暖簾を潜ると3つしかないテーブルのひとつが空いていました。暑いんか寒いんかよお分かれへんね、とお母さんにあいさつ。
ミックス焼きを注文。お母さんが焼いてくれます。先客は帰ってしまい珍しく自分だけ。
遅れてでっかい牛肉と豚肉が一面に敷き詰められます。
裏返します。
再度裏返し焼き上がり。
お母さんが切り分けてくれます。切り方は10年前のブログのAパターンです。せっかくのお好み焼きの形が崩れグチョグチョになりますが、ソースを塗ると分からなくなります。
鰹節と青のりをかけてReady to eat。右半分が牛肉、左半分は豚肉、いずれも国産だそうです。手前にゴロンとはみ出しているのはイカ。
2/3ほど食べ終わったところで、なぜか卵の味噌汁を出してくれました。さらにお母さんのお昼の巻きずし、肉巻きとシーフド巻きの二切れをおすそ分けしてくれました。もう思いっきりお腹パンパン、ビールを注文していたらとても完食できなかったところです。
テレビではリチャード・ギアの約束の犬をやってました。忠犬ハチ公のアメリカ版です。お母さんが昨日のベルギーだかデンマークだかの男性三人のお客さんがみな同じ犬を飼っている写真を見せられてビックリしたという話を聞かせてくれました。相変わらずインバウンドさんに大人気の「団」です。
水上池
いつものようにドトールで一服、このまま帰ると豚になりそうなので、水上池から平城宮跡へ歩くことにして西大寺駅行のバスで自衛隊前に到着。
ウワナベ古墳から南の方、とんがった山はやまと尼寺精進日記の音羽山852m、手前のなだらかな山は三輪山467mだと思います。
いつも水が白く濁っているコナベ古墳のお堀、仲のいい2羽はたぶんマガモ♀。
水上池北側に立つ万葉歌碑。
女郎花 佐紀澤に生ふる 花かつみ かつても知らぬ 戀もするかも - 中臣女郎(万葉集第四巻)
かつても知らぬ恋のお相手は大伴家持です。万葉の世界にもっとふれたくなって万葉集をつくった男 小説・大伴家持を買ってみました。
ヒシアゲ古墳のお堀に小さな黄色い花、たぶんタヌキモの一種です。
夕暮れが近づき天気予報通りに青空が広がってきて、佐紀の田んぼに足の長い自分の影。
歌姫町の方へ少し坂道を上ると一面のホトケノザ、これで一部です。春の花のはずですが、秋に咲くホトケノザ。日が暮れそうなので引き返しかけるとすれ違った近所の奥さんらしきから、ハクチョウは見ましたか? ここで羽休めしていたそうです、と。
まさかコハクチョウじゃなくてたぶんこの辺に棲み着いているコブハクチョウのことと思われるのですが、聞かないでおきました。記録ではコハクチョウ飛来地の最南端は兵庫県加西市なので、奈良市よりも北ずっとですが、気候変動でひょっとしてという可能性も考え空を見上げます。池畔のモミジの紅葉が美しい。
帰ってから調べてみると水上池のコブハクチョウはこの5月に亡くなっていました。18年も水上池に棲み続けていたそうです。亡くなったコブハクチョウの在りし日です。
水上池北池のカモ、マガモの他にハシビロガモも交じっていました。
南池の奥に白い鳥たち。ひょっとしてとズームしてみたけどやはりサギたちばかりです。
水上池の角の小さなお花畑、背の高いヨメナのような花はシオン。長い紫の花はアメジストセージ。
マーガレットとノコンギク。
平城宮跡
日が沈みそうなので急ぎます。前回キジがいた竹林です。
平城宮跡の東端に広大なすすき野が広がっているとは知りませんでした。
すすき野の中に入って夕日を透かしてみました。
夕日に輝く大極殿の鴟尾。鳥の編隊が通過、たぶんマガモかと。
5羽ずつくらいの編隊が通過して行きます。黄金の空にマガモ(たぶん)、がぜんコハクチョウたちに会いたくなってきました。
大極門の横にいつまで素屋根が立ったままなのが不思議でしょうがなかったのですが、素屋根を移動して新たに東楼を建築中とやっと理解できました。さらに西楼も立てるそうです。
振り返ると朱雀門と近鉄電車。近鉄をここから迂回させるという計画が無くなってよかっです。
西大寺駅近くの立ち飲みに入りました。お腹に残るお好み焼きを消化すべくじゃこおろしを注文も、ちょっと手を付けるのが精一杯でした。