素敵な一日
臨時休業ということにして、母の命日でお墓参り。
学園前の花屋さんで買ったお花、予算でお任せしたら紫の花、何の花か尋ねるとカスミソウ、色を付けているそうな。白髪にポイントカラーだった母の髪そのものみたいと気づきました。
富雄
いつもは往きと同じくお寺の裏側にあるバス停から学園前駅へ戻るのですが、お寺の表側、富雄川沿いに走る1時間に1本の富雄駅行のバスが5分前と分かりそちらから帰ることにしました。住宅街の中にある来た時のバス停とは全く趣きの異なる田んぼに囲まれた古びたバス停、田んぼには水が入っていてもうすぐ田植えです。
やってきたのは10席ほどしかない小さなバス、乗車時点ではガラガラだったものの富雄駅に近づくにつれ高齢者で満員に。車窓は里山風景も、この辺りの高齢者は皆おしゃれです。
富雄駅西口バス停に到着、全員下りたのでここが終点かと自分も下りたのですが、からっぽで駅前ロータリーへ向かって行った日野ポンチョです。以前は大阪市バスでも不採算路線でよく運用されていたのですが、大阪シティバスになってからとんと見かけなくなりました。
ずいぶん久しぶりの富雄、母が半生を過ごした町です。このお茶屋さん、よく母が買いに来ていた記憶があります。いい感じの豆腐屋さんも元気。
ダイエーの跡地は巨大マンションに変身していました。元々は福岡県のスーパー、ユニードとして開店、後ダイエーとなって、さらにイオンになっていたのですが、2019年10月で閉店したそうです。
富雄駅前です。なぜか警察官が多いのですが、その理由はのちほど判明します。右手のタクシー乗り場になっている辺りまで、母に赤いスバル360で送ってもらったことが懐かしい。いつも自分が見えなくなるまで手を振ってくれていた母です。ちなみに運転の下手な母、行き先はせいぜい富雄駅かユニードまでした。
閉店してしまったお店のテントの裏にツバメの雛たち、通りかかった女性としばしツバメ談義、5羽に見えるものの6羽いるそうです。6羽育てる親鳥も大変です。
その隣の優香里、母と何度か入ったことがあるはずです。学園前と違って美味しい店が多い富雄、実は記憶にある中華料理店を探していたのですが見つからず。母によくごちそうしてもらったうなぎの豊川へ行きたいところですがそんなフトコロの余裕はなく、その先、超有名ラーメン店のみつ葉も、この時間だとかなりの行列のはず。このまま帰るか、奈良公園へ向かうか、あるいはタマシギが来ているはずの池島緑地へ向かうか悩んで、奈良に決めました。
奈良しかトレイン
ホームの東生駒寄りにあった喫煙所は完全に撤去されそれらしき跡形だけに。カメラを取り出して坂道を下ってくるところを狙っていると「奈良しかトレイン」がやってきました。
シートモケットは鹿柄、つり革に鹿、中吊りも鹿、床は一面青柴ですが、何かが足りません。そう、フンフンフン黒豆の♪
南海のめでたい電車の近鉄版といった趣ですが、色んな注意書きまで鹿、鹿。なかなかのこだわりです。
乗ってきた区間準急は西大寺止まりで次の急行に乗り換え。
奈良県知事が代わって平城宮跡を行く近鉄電車はずっとこのままになりそうで良かったです。
ランチはいつもの「ごはんの間」、動物性タンパク質は小さなエビ天とその下に隠れているちくわ天だけのほぼ精進料理ですが、これだけ色んな種類の野菜を食べるととても満足感があります。
吉城園
吉城園の木戸を押して右手の石段を上がると、新緑に囲まれた真っ赤なノムラモミジ。
いつものように母屋の縁側でお庭を眺めます。いつものように独り占めじゃなくて、縁側には欧米系のインバウンドさんたちがずらり。
エナガです。なかな上手く撮れなかったものの20羽くらいいたようです。
木の幹に垂直にとまりイモムシを咥えて得意げなエナガっち。
階段にヤマちゃん。
少しずつ上っては待っててくれるヤマちゃん。
ヤマちゃんとたっぷり鬼ごっこ。ほぼ背中の写真ばかりなのはヤマちゃんが鬼だからです。
茶花の庭のノムラモミジと青モミジ。
ムラサキツユクサです。水色のツユクサよりかなり大きな花で、赤紫と青紫があるようです。
コゲラも登場。高い木の枝にシジュウカラが3羽、首が黒くないのは幼鳥です。
奈良公園
大仏池から二月堂裏参道へ、サワガニたちはまだ冬眠中のようでした。
殆ど人がいませんが、いない瞬間が上手く撮れただけで実際は何組もの修学旅行生たちで大賑わいの二月堂です。バンビちゃんと目が合いました。
若草山麓の茶山園地から木の間隠れの奈良市内です。ここから坂を下ると春日野園地。
殆ど誰もいない春日野園地と一変、隣接する南大門に近い浮雲園地は大賑わい。できるだけ人の少ないルートを選びながら南大門南側の交差点を渡ります。
交差点南西角の木立に隠れた小さな池にパッシャっと水しぶき、カワセミが2羽見えました。1羽は飛んで行ったものの幼鳥が枝にじっとしています。
修学旅行生やインバウンドさんがぞろぞろ通る脇の直径20mほどの小さな池、池面に油が浮いている汚い池にカワセミはビックリ。池に飛び込むでもなく、池面を睨んでいるでもなく、ずっとキョロキョロしています。親鳥から採餌方法を学んでいる最中のようです。
しばらくして飛んでいったものの遠く行かず池の向こう側の木陰でまだキョロキョロしていました。
国立博物館前のベンチに腰を下ろして一服していると、3つほど向こうのベンチでタバコを咥えた黒人のお兄さんがずっとポケットをまさぐっているの見て、Are you looking for this? とライターを差し出したらVery kindly、とえらく喜んでくれました。
いつもシカたちと一緒に渡る横断歩道付近に人だかり、それに警察官多数。上皇陛下ご夫妻が奈良をご訪問予定というニュースを思い出しました。近くにいた警察官によるとあと10分ほどで通過される予定とのこと。横断歩道を渡ってしまったのですが、東側の方が窓を開けて手を振られるはずと聞き、来た方へ戻ろうとしたら、信号がなかなか変わらず、ほどなく封鎖されてしまい渡れなくなりました。
横断歩道西側最前列でスタンバイ、10分も待つほどもなく白バイやパトカーに先導された品川ナンバーの御料車、センチュリーがゆっくりと目の前を通過。とてもお元気そうな上皇陛下の素敵な笑顔、沿道からは拍手が湧き上がります。左席には上皇后様のシルエットも。感動で涙が止まらなくなりました。車列が通過した後、近くにいたお姉さまたちも目を真っ赤にしていました。最前列隣にいたのはイタリア人夫婦(たぶん)。おそらくローマ法王をお迎えするのと同じことで、とても貴重な日本旅行の体験になったことでしょう。
京都で葵祭をご覧になられた後、「しまかぜ」をお召列車として近鉄奈良に到着、奈良ホテルへ向かわれる途中だったそうです。ちょうど「しまかぜ」は定期運休の火曜日で一般の運行にも影響はなかったようです。ちなみに上皇陛下が今上陛下だった平成22年10月に大和朝倉からアーバンライナーネクストのお召し列車で上本町駅に到着、御料車で新大阪駅へ向かわれるところの写真があったはず、とアーカイブを調べてみると人垣の後ろから上六交差点を行く御料車の写真が確認できただけ、今日はよほどラッキーだったようです。母が文楽劇場で陛下にお会いしたという話を聞いたことも思い出しました。調べてみると平成21年11月です。
まだ日が残っているので難波行急行の先頭車で帰ります。自分的にはレアな石切-額田間難波方のカブリツキ光景です。上本町に到着、いつもの角打ちに立ち寄って大将に陛下の写真を自慢。
Yufura裏の閉店したフライドチキン店の跡にほっかほっか亭が復活することを確認、フライドチキンの前はコインランドリー、その前はほっかほっか亭だったのが約5年ぶりの復活は嬉しい。以前のほっかほっか亭の時にはかなり通い詰め、お弁当ができるのを待つ間、お店のおばさんの息子君の宿題を手伝ったりしたことを思い出しました。
何かと素敵な出来事が重なった一日でした。