年の半ばのカワガラス
先々週に続いて楽して行けそうな渓流めぐり、貴船へ向かいます。
久々の鞍馬線、せっかくなのできららが来るのを待ちます。河原で学生さんたちが生物調査中のようです。
川面には5cmくらいの魚たち、カワムツとフナかと。出町柳で30分はあっという間。
貴船口に到着、駅舎がすっかり様変わりしていました。
貴船口→貴船
貴船まで歩こうかと思ってはいたものの結局バスに乗ってしまいました。
4年前、雪の貴船はひっそりしてました。混むのは紅葉の季節だけかと思いきや、青モミジでもかなりの賑わいでビックリ。狭い道路を行き交うクルマは容易にすれ違うことができず山の中で渋滞を引き起こしています。その渋滞の間隙を縫って厨房から川床へ仲居さんたちが料理を運んでいました。川床のメニューは概ね5千円から1万円といったところ、それでも予約で満席のお店が少なくないようです。
道路脇にはユキノシタがいっぱい。
川床に挟まれた川床のないところにキセキレイ。喉から胸まで黒いキセキレイは珍しい。
貴船神社奥宮、この辺りでも駐車場は満車状態。
奥宮の向こうへ道路が続いています。少し先へ歩いてみると、いきなり人っ子一人いなくなり、通行するクルマも皆無、杉林の道が続くばかりで引き返しました。川沿いの道路にはガードレールも無い場所も多く、林道かと思いきや、後で調べてみたところ府道361号上黒田貴船線で、国道477号と繋がり花背や周山に出られるようです。但し、途中にはほどんど人家もなく、かなりの悪路が続くようです。見晴らしがきかずハイキングコースにもなっておらず、奥宮でどん突きと理解しておいた方が良さそうです。
貴船→貴船口
奥宮の参道に沿ったところで川幅が広がります。
山肌にへばりつくように咲くユキノシタが道路の端で上に伸びてました。
失礼してお嬢さんの後ろ姿、実はお友達が一緒で巨木の樹洞の中に隠れています。知る人ぞ知る映えスポットのようです。
料亭の並ぶ通りの向こうに黒い小さめの蝶が。一瞬地面に下りて翅を広げると、一瞬青みがかった小さな宇宙のような模様が見えました。ずっと見たかったスミナガシで間違いないですが、クルマがやってきて写真は撮れず。ひょっとしたらまたスミナガシが現れるかも知れないので、バスに乗らずに貴船口駅まで歩いてみます。ウツギの花にアカタテハ。
ダビドサナエで間違いないかと。
川の向こう側に飛翔中の赤い翅のカワトンボ。葉っぱの上にもう1頭。
動画に切り替えズームしてみると、葉っぱの上でエッチを始めました。
手前のウツギにはアオスジアゲハ。川向うではまだカワトンボがお取り込み中です。
川面を覗くと魚道の無い砂防ダムで区切られた流れなのに赤い斑点のある魚影、アマゴです。
あっ、いた!カワガラス。全体がグレーで尾羽をピンと立てた幼鳥です。右端に茶色いけどグレーが残る子も。グレーの子のお兄ちゃん(お姉ちゃんかも)のようです。
カワガラス兄弟(姉妹かも)です。カルガモの雛は例外として、ふつう幼鳥ってあまり可愛くないのですが、カワガラスはとても可愛い。
ほどなく河原に人が下りてきて川下へ飛んで行ってしまったものの、この前大原で会った時の行動パターンからして遠くへは行っていないはずです。
やっぱり少し川下にいました。
さらにもう少し川下の砂防ダムの堰堤の上、グレーの幼鳥が川の中に頭を突っ込んで採餌のトレーニング中。
そこへ親鳥がやってきて、おかあちゃん(おとうちゃんかも)、自分では虫とられへん、おなかへったぁ、と叫んでます。
親鳥は黒じゃなくてチョコレートブラウンです。
おかあちゃんは、滝の流れに乗って堰堤を降り、川下を覗く子供の反対側から戻って来て餌を与えるも、子供は叫ぶだけじゃなくて、腰を上げ下げして、もっと欲しいと催促。
子供は堰堤の端で下りるかどうしようか悩んでいるようです。やっぱり怖いので戻ります。
再びチャレンジ、勇気を出して一歩踏み出したものの、滝の流れには乗らず枝に跳び移りました。
滝の下にいました。
元旦に年の初めのカワガラスとブログを書いたのを思い出し、年の半ばのカワガラス〜♪と鼻唄がでてきます。
網タイツのような翅に白い粉を吹いたお腹、これもカワトンボです。
どのお店も自分的には予算オーバーなので京都市内に戻ってから遅いランチにするつもりが、懐石じゃない食事ができるカフェがありました。鰻やらアボカドやら色々のった軍艦巻きのプレートでビールはガマン、マイナスイオンでいただきました。
ハンゲショウのように葉っぱが白くなった木は、ネコの大好物として知られるマタタビ。
振り返ってみた貴船の山並みです。
貴船口に到着、奥宮から3km弱の道のり、歩道はないものの大型車は通らず、飛ばすクルマも少なく、歩きやすくとても楽しい道でした。スミナガシだけが悔やまれるもののまた来ます。
次の電車まで駅前の河原に降りてみるとここでもカワトンボ多数、駅前渓流です。
出町柳に戻ってきました。貴船でビールをガマンしたのでお店を探します。
百万遍
高野川を越えて鴨川の右岸からの眺め、正面が大文字山、左は比叡山。さすがに貴船よりムワッとします。2-3度高そうです。
Google Mapでみつけた百万遍のおばんざい屋さん、築百年は越えてそうな京町家です。いわゆるうなぎの寝床で間口の何倍も奥行のある細長い店内、二階に座敷があって懐かしい急角度の段梯子で上り下りするようになってます。段梯子の裏が物置なのは自分の育った実家と同じ。
おばんざい3品が選べて1000円、かつおの生節、肉じゃが、あさりの佃煮をチョイス。
うなぎの寝床の奥に小さな前栽、見上げると隣の銭湯の煙突が伸びてました。
百万遍の交差点、向こうは京大、美味しい(価格面を含む)お店が並ぶはずです。市バスが走っているところを市電が走っていた頃が目に浮かびます。こんな感じでした。
百万遍から今出川通りの右斜めに入った商店街、この辺りは平安京の条坊制の外なので、いくらでも斜めの道があります。映画のセットのような町並みに、おばんざい屋さんだけでなく、ハンバーグ屋さんとかラーメン屋さんとか入ってみたいお店がひしめいていました。
斜めの道を10分ほどぶらぶら歩くと出町柳。市電の頃の京阪と叡電の乗り換えは意外と不便で、三条京阪から京津線に乗り換えて東山三条から叡電前(元田中)のルートがメインだったと思われます。
久々の京阪特急ダブルデッカー。コロナが落ち着いてきたのでプレミアムカーに乗るよりビールをお替りです。