新・平家物語を歩く 大原帖
新・平家物語は読了、テレビでは同じ時代を描く鎌倉殿の13人が始まったものの何やらコメディタッチで1年間見続けられるのかイマイチ自信がありません。自分は自分なりに、新・平家物語を歩き続けようと思います。
とりあえず出町柳へ。3000系の快速特急洛楽はプレミアムカーでなくても全然余裕でした。この時点では牛若丸ゆかりの鞍馬へ向かうか、建礼門院ゆかりの大原へ向かうかまだ決めていません。
出町柳に到着、白組源氏か紅組平家か悩んで坂道を上る距離が少ない紅組に決めて京都バスに乗車。進行方向左側の席に陣取ると高野川の流れを眺めながらバス旅が楽しめることに気づきました。カルガモ親子がのんびりと川を遡って行きます。
八瀬を過ぎると民家の屋根にも積雪が残り、大原は5cm弱。手に取ってみるとジャリジャリとした湿雪です。
大原バス停におしゃれな1台、去年が京都バス創業100周年だったようです。
出てくるのが遅かったのでもうお昼を回ってます。バス停近くのお店に入りました。固形燃料のコンロで出され食べ終わるまで熱いのが嬉しい鍋焼きうどんです。いかにも京都っぽい薄味のお出汁はちょっと頼りないけど、えび天じゃなくて香ばしいごぼうのかき揚げが入っているのが気に入りました。
壁にはなぜか水無瀬のコミミズクの写真、自分も水無瀬へ足繁く通ったのはもう5年も前です。いつものようにまずは三千院へと思っていたのですが、今日は外せないと寂光院へ先に向かうことにします。
カワガラス
だいぶ川が狭くなった高野川の土手から川を覗くとカワガラス、それもペア。1羽は行ってしまったものの1羽が残ってくれました。
せっせと採餌中。咥えているのはカゲロウか何かの幼虫ようです。
岩の上でカワセミのように水中を物色しているのではなく、単に休憩だと思われます。。
動画でカワガラス。時々川に流されています。わざと流されて移動しているようです。他に例をみない生態の鳥です。
こんもりと積雪は残るものの、畝やあぜ道に積もっているだけなので5cm無さそうです。
建礼門院が自らの姿を写したと伝わる朧の清水、俊成、西行、兼好、蕪村、多くの人がここで歌や句を詠んでいます。今も水が湧き出しているようで、千年枯れていないとしたらすごい泉です。
寂光院に隣接する建礼門院陵、寂光院ではなく宮内庁の管理です。
寂光院は建礼門院の衛視のようなオニヤンマに会った時以来です。右手の建物で「千本桜の世界展」が開催中、初音ミク歌う千本桜の世界のアート展だそうですが、靴を脱いで上がらないとならないでパス。
茶室の前の池には薄く氷が張ってます。
2000年に放火で焼失、2005年に再建された本堂です。こちらの池は凍っていません。
建礼門院御庵室跡です。壇ノ浦で入水も源氏方の渡辺昵(むつる)に救けられ、出家して寂光院の三代目住職に就任、命を全うしています。清盛の娘の建礼門院、義経や後白河院にも常に気遣われていたことから、多くの人に愛される人だったことは間違い無さそうです。
杉の木に降り積もった雪が解け、雨のように降ってきて長居できず、後白河院の大原御幸の場面を偲ぶつもりだったのですが早々に退散。宝物殿に立ち寄ると焼けた時の新聞記事が今も生々しい。
ふたたびカワガラス
寂光院から三千院までの径のところどころに石仏風の石像、23体あるそうです。何度も大原に来ているのに初めて気づきました。「花はいらんかえ〜」、「花」は「な」でなく「は」にアクセントを置いてください。
2024/4/2追記:「花いらんかけ〜」は大原女じゃなくて白川女と分かりました。大原女が売っていたのは薪や炭です。
正面奥に3本の電波塔と展望台が見える大比叡、手前に広がるのは比叡山5峰のひとつ水井山(みずのいやま)794m。
庭かけまわり炬燵で丸くなっていない猫。
大根を干してます。漬物の里の大原ですが、べったら漬に干す工程はなく、沢庵は丸のまま干すはず、何になるんでしょう。
来る時と同じ場所を覗いてみると1時間以上経っているのにカワガラスがまだいました。
頭になにやら白い部分が見えます。
連射にチャレンジしてみたら大成功。前のカメラでは連射すると撮影できる状態に復帰するまでの時間が長すぎたのでほとんど連射はしなかったのですが、こんどのZV-E10は連射がかなり使えそうです。これならいずれカワセミの飛び込みシーンとかも撮れるかも。
丸い何か、多分水生昆虫の幼虫をゲットです。
岩の上でしばし休憩。
再び連射。泳いでいるのではなく、背景が動いていないので潜っているだけです。
白い部分はどうやらまぶたです。この場面で100枚以上、連射すると写真の選択が楽しくも大変です。
バス停近くに戻ってきました。さっきこの納屋の前を通った時にジャリジャリの雪を手に取ってから1時間ほどしか経っていないのにほぼ全て解けてしまっていました。急激に気温が上がったようです。
大原女の小径の石像、2/23です。古くはないはずの石像ですが、なかなか趣があって可愛いです。木の案内板は無い方が絶対いいと思います。
女ひとりの歌碑の前の雪だるま、3年前のようにかまくらも作れるほどの雪は降らなかったようです。
三千院のわらべ地蔵は雪を被っているというより、かき氷を被っている感じです。新・平家物語にも三千院が登場するものの、大原の三千院ではなく、義経の鞍馬脱出以来の郎党、鎌田正近が潜伏していた紀州那智の三千院です。那智にも三千院があるのか検索しても不明。義経や弁慶にもゆかりの深い那智、熊野、新宮へ訪ねてみたいものの、いかんせん遠い、感覚的に東京より遠いです。
金色不動堂前でどんと焼きをやっていました。ここでは左義長というそうです。今日は小正月。
境内北側を流れる律川の橋を渡ったところの苔庭に立てられたというよりも苔庭から生えてきたようなわらべ地蔵、おさな地蔵かも知れません。
大原女の小径の石像、3/23と4/23です。レリーフじゃなくて丸彫り。
いつもの大原のビューポイント、雪が全然足りないものの大原の里が薄く霧に包まれやはり美しい。
さらにカワガラス
バス停に戻るとちょうどバスが出発するところで自分を見つけて待ってくれたようです。叡電に乗りたいので八瀬駅前で下車、とても駅前とは思えないバス停です。大原と違って青空が広がっていました。
バス停から駅への途でコゲラ、それに傾いた日差しを浴びたエナガ。
川幅の広がった高野川を覗くとまたまたカワガラス。去年の夏会った子と同じ個体かも。もうお腹いっぱいなのか、岩の上で羽繕いしながらじっとしていて、水に潜りません。
よほど今日はカワガラスと相性がいいのですが、しばらくするといなくなったので、いつもいる訳ではありません。
700系を見送ると次に「ひえい」がやってきました。
ロングシートでも楕円形の窓の間にヘッドレスト、ゴージャスなもののケバケバしさがなくて落ち着ける空間です。
窓は楕円形なだけでなく、それぞれが独立して開閉できるようになっています。
正面の楕円形に合わせて運転台も中央に移設されています。700系の改造ですが、新車製造と変わらない改造です。ローレル賞受賞もナットクですが、ローレル賞の貧素なプレートだけがこの空間にそぐわないです。
中間にはさらに縦長の窓。
出町柳の夕暮れ。高野川が鴨川に合流します。
柳の陰に月。建礼門院も義経も眺めていたはずの京の月、いとをかし。