北近畿タンゴ鉄道

豊岡出張の帰り道、北近畿タンゴ鉄道(KTR)経由で帰ることにしました。十年以上前、丹後半島の舟屋で有名な伊根に行った時以来です。

ミーティングが終わって豊岡から西舞鶴行に乗車、ロングシートがほぼ満席なのをいいことに、運転席横のかぶりつきスペースで前面展望を楽しみます。

豊岡から久美浜へ峠越え

久美浜で特急はしだて号の到着待ち

木津温泉で再び列車交換、丹後神野、木津温泉といった小さな駅でドカドカっと下車していきます。ワンマン運転の運転手さんに聞いてみると、カニを食べに来た人たちらしいです。そうか、まだカニのシーズンですね。

丹後大宮で3回めの列車交換

野田川には「青松」が泊まっていました。KTRでは去年の4月から「青松」「赤松」という水戸岡デザインの観光列車が運行されています。特設サイトもあります。

岩滝口の手前の小さなトンネル、メチャいい感じです。

岩滝口を過ぎると天橋立が見えてきます。天橋立、宮津は素通りして丹後由良へ向います。

粟田で列車交換、「青松」でも「赤松」でもなく特設サイトにも載っていない「白松」(←勝手に呼んでいるだけです)がやってきました。

丹後由良到着、豊岡から乗ってきたKTR709、こうのとりとカニのラッピングになっています。ロングシート車はKTRでは逆にレアモノのようです。

丹後由良駅から由良川へ向かいます。運転本数が多くない中、次の列車がもうすぐやってくるはずなので、線路沿いの畔道を走ります。

本日のハイライト、由良川鉄橋、河口からすぐのところに架かる鉄橋です。

河口から鉄橋までのパノラマです。

既におひさまは山の陰にかくれてしまっていましたが、なんとか間に合いました。もう1本待とうかとも思ったのですが、寒いのでそれに乗ることにします。

やってきたのはさっき野田川駅に泊まっていた「青松」、水戸岡デザインの車両に乗るのは初めてです。

JR九州を中心に全国で増え続けている水戸岡デザイン、個人的な好みですが、あまり高く評価していません。写真でよくみるウッディデザイン、この車両も同じです。なんか幼稚園か保育所のような安っぽさを感じます。それとボディにレタリングが多すぎるの好きじゃないです。レタリングするなら、なぜ高級感を出せるプレート式のエンブレムにしないのか、と思います。

それでも、この深いのブルー、一般車両の安っぽい水色よりは、KTR700形にはるかに似合ってます。

二駅だけのって東雲という小さな駅で下車、由良川のすぐそば、海抜5mの鄙びた無人駅です。国鉄時代に客車用からディーゼルカー用に嵩上げした長いプラットフォームもそのままです。が、今は最大2両編成のようです。

こんどはさっきみた「白松」です。このベージュもいい感じです。

「青松」とは全然違う転換クロスシートの車内、すごく不思議なシートです。通路側肘掛けには0系新幹線みたいな引っ張りだして廻して固定するテーブルがついています。でも明らかに0系の廃車流用のシートじゃないです。色んな廃車車両のシート部品を組み合わせたようです。

丹後由良→丹後神崎、「青松」の前面展望、揺れる車内で手持ち撮影なのでかなりブレてます。

丹後神埼→丹後由良、「白松」の後面展望、こっちは運転席横のテーブルにカメラを置いて撮影。

この日豊岡駅でKTR1日フリーきっぷを買いました。KTR全線に乗車でき、特急の場合は追加料金を払うだけで、特に期間とか制限もなく年中売っているようです。これが1200円、豊岡から丹後由良までで普通乗車券が1390円、つまりこの切符の存在を知っていれば1200円以上の切符は実質的に意味をなしていないことになります。

実にありがたいフリーきっぷですが、阪堺電車でも、嵐電でも、大阪市交通局の土日エコきっぷでも、乗り放題のきっぷは最長距離区間より高いのが当たり前かと思いますが、太っ腹なのか長距離客が少ないのか、不思議な価格設定です。でもこのKTR、日本一の赤字鉄道です。マーケティングが下手なだけかもしれません

もうひとつ、KTRでは硬券を販売しています。とりあえずおみやげに入場券を買ったのですが、駅によっては大阪市内、はたまた東京都区内までの硬券も販売しているそうです。硬券で東京駅の改札でたら楽しいだろうな。

JRよりずっと、いろんなところに「国鉄」が残っている北近畿タンゴ鉄道、何度も訪ねてみたいです。

カニや天橋立だけでなく、風光明媚な観光地や歴史的な魅力がいっぱいの沿線を抱え、京阪神からもさほど遠くなく、鉄ちゃん的にも見どころいっぱいのKTR、今日乗った列車はいずれも高校生だけということはありませんでした。

20期連続の赤字だそうですが、20期連続で赤字が出せるところがすごい。まだまだ打てる手はありそうです。