英国王のスピーチ

しばらく映画を見たり、ブログを書いたりという気持ちも起こらないような時間を過ごしていたのですが、漸く少し心の余裕もでてきたところで、iTunesで英国王のスピーチがリリースされていたので、ダウンロードしてみました。(英国王のスピーチ - amazon)

エリザベス女王の父君、ジョージ6世が、幼い時のストレスが原因の吃音症を、オーストラリア人のセラピストの指導で、それを克服し、第二次大戦に向おうとする国民を勇気づける、という実話を題材にしたシンプルなストーリーですが、素直に感動できました。去年のアカデミー賞3部門受賞も納得できます。

特別な裏ワザやショック療法ではなく、根気強いカウンセリングと、国王自身の地道な努力で障害を克服するところは共感を覚えます。それに俳優さんたちの威厳ある演技が際立っていました。国王と対等の関係で治療を試みるライオネルが、最後についに「your majesty」と自然に出てしまうシーンでは言葉のもつ重みを感じさせてくれます。

王室を描いているにも関わらずイギリス映画っぽい素朴さとウィットに富んだ会話があり、大好きなイギリス映画、ブラスリトルダンサーを思い起こさせてくれます。ライオネルの家庭の食事シーンはイギリスっぽい貧弱なディナー、一方でシェークスピアの一節とかもさりげなくでてきて、英国風価値観も散りばめられていると思います。

ずいぶん前に書いたのですが、自分はイギリスへのこだわりが結構強くあります。学生の頃に行ったきりで、いずれまたとの思いが募ります。それまではなんばWalkのパブのギネスとフィッシュ&チップスでがまんです。