花を愛でる、古きを尊ぶ
大和文華館の特別企画展「花を愛でる古きを尊ぶ」の出陳目録に俵屋宗達の名を見つけ学園前へ。まいど気の利いたお店は見つからず、マック、ミスド、ケンタ、コメダ、スタバ、モスと揃っているのに、松屋や吉野家は無い学園前、迷って迷ってミスドでおかずパイふたつのブランチ。居心地良くないものの、さすがにきれいなひと、おしゃれなひと、上品なひとが多い学園前です。
伝狩野安信筆 唐絵手鑑(江戸時代前期)は56図の唐絵模本を一冊にまとめたもの、このページは籐籠に活けられたスイセン、サザンカなど冬の花。オリジナルの李嵩花籃(宋時代)が台北の故宮博物館サイトに紹介されていました。狩野安信は狩野探幽の弟で江戸時代前期の奥絵師。
宗清立花伝書(著者不詳、享禄2年 - 1529年奥書)、室町時代に書院造りの座敷に花を飾るための作法として創成された華道、その三具足、平地、寿命、古今などの華道の型の立花図を記した初期の華道の姿を伝える花伝書。三具足(みつぐそく)は香炉と花瓶と燭台を並べた型。
俵屋宗達筆 桜図は、宗達が確立し琳派の絵師に受け継がれた「たらしこみ」技法で描かれた山桜。豪華絢爛な金屏風のような作品を期待していたのですが、この墨の濃淡だけもすごくいい。弧を描いた枝に囲まれた空間の表現はいかにも宗達。「宗達法橋」の落款と「対青軒(宗達の画号)」の朱文円印が絶妙なポジションに。たらしこみ技法の実演動画がとても参考になりました。
喜多川相説筆 草花図、たらしこみで描かれたリンドウ。喜多川相説は俵屋宗達、俵屋宗雪を継ぐ琳派の絵師。
呉俊卿筆 葫蘆図(中華民国9年 - 1920年)、葫蘆はひょうたんのこと。詩・書・画・篆刻のすべてに秀いでた巨匠が気負わずに奔放な筆遣いで描かれたひょうたん。
潘祖蔭筆 博古拓識語軸(光緒2年 - 1876年)、潘祖蔭は清朝の官僚で金石学者、中央右は卣(ゆう)、左は觚(こ)、下は匜(い)、泉屋博古館で掲示されていた殷周青銅器器種一覧で確認しました。
花博古図
第3章は「花を愛でる 古きを尊ぶ 、特集展示 『花博古図』の世界」。「花博古図」とは、花を愛でる思いと古きを尊ぶ思いが合わさり生まれた、古器物の拓本に花を書き込んだ画題。「はなはく・こず」ではなく「はな・はくこず」です。
呉重熹 筆吉金延壽図(四幅対、光緒22年 - 1896年)の左幅の青銅器は藤田美術館の饕餮禽獣文兕觥そっくりですが、脚がありません。趙雲壑筆 文房清供図(中華民国13年 - 1924年)西周時代中期(紀元前9世紀頃)の青銅器毛公方鼎の全形拓(立体を平面に立体的に写し取る拓本技術)に紅梅、水仙を活け、手前にはライチ。
泉屋博古館や奈良博、久保惣等でその迫力に圧倒された紀元前11世紀頃の青銅器の意外な姿にビックリ。花博古図で青銅器に息吹が感じられます。