ハズレの雲出川河口

ゴールデンウィーク、ちょっとは遠出してみようと、伊勢湾へ向かうことにしました。このところ白塚海岸や千里湿地ばかりなので、松阪の五主海岸へ。かなりの遠浅海岸で前回干潮時に訪ねたところ、鳥たちはが遠かったので、満潮を狙います。

山の辺の道の時と同じ、上本町8:30の中川行急行で出発。5200系じゃなけければ次の特急にするつもりだったのですが、今日も5200系。上本町出発時点ではガラガラも、鶴橋でドカドカっと乗ってきて満員。隣に体格のいい男性が座っていささか窮屈です。

高安を通過、前の席には鉄ちゃん少年が窓にスマホを立てかけて動画撮影。今どきの動画はスマホ縦向きです。

桜が終わって新緑の山が美しい、手前から二上山、岩橋山、大和葛城山。この角度では二上山は雄岳しか見えず、金剛山も見えません。

桜井です。きもの角谷とあるビルの隣、ピンクのビルがこの前茶がゆを美味しくいただいた絵都蘭世です。桜井を過ぎても車内はまだ混んでいて立ってる人も少なくありません。

桜井から榊原温泉口までは各駅停車。榛原駅に残るパタパタ、前の席の鉄ちゃん少年も撮ってました。

1日平均乗降人員が9人、周囲に集落も民家も無い西青山駅に停車。これがJR北海道だともう駅廃止になるところかと。ちなみに同じく1日平均乗車人員が9人の高野線紀伊神谷は単線上の交換駅なので廃止にはならないです。

榊原温泉口を過ぎると急行運転を再開、下り坂を駆け下ります。車窓には茶畑。

雲出川です。今日の目的地はこの河口。

伊勢中川駅3番線に到着、結局終点まで満員状態のまま、鶴橋からずっと立ちっぱなしだった人も少なくなさそう。隣の席の体格の良い男性もずっと一緒でした。殆どは名古屋行急行に乗り換えのようです。やはりゴールデンウィークおそるべし。

2番線に賢島行普通が停車中、乗ってきた5200系が折り返し線へ引き上げると臨時の上本町発賢島行伊勢海老ライナー(赤い伊勢志摩ライナー)が到着、続いて難波発賢島行伊勢志摩ライナーが3番線を通過、その後やっと3番線入線の5200系名古屋発五十鈴川行急行に乗車。折り返し線から上本町行急行が4番線に入線、乗ってきたのは5200系5104編成と分かりました。

伊勢街道をまたぐ築堤を上る1201系2連の中川行、後ほどこの場所を下から見上げる予定です。

松阪に到着。駅前の松阪市観光協会でレンタサイクルを借ります。ウェブサイトには普通車6台、電動アシスト2台とあってかなり不安だったのですが、運良く電動アシストをゲット。

伊勢街道

伊勢街道を北へ。松ケ崎駅の少し西側に「格子戸の町並み案内」が立つの小さな休憩所のようなスペースがあります。

その休憩スペースから録り鉄、さっき1201系が上っていた築堤を名古屋行アーバンライナーが上っていきます。手前の架線柱と2番目の背の高い架線柱の間を狙ったのですが失敗。

格子戸のお宅が並びます。屋号の表札が掲げられ玄関にはもう5月なのにしめ縄、松阪市嬉野(伊勢中川駅近く)より南では8割以上の家庭で一年中しめ縄を飾る風習があるそうです(参考)。

三渡(みわたり)川の橋の袂に大きな道標、伊勢街道から南へ「やまとめぐりかうや道」こと旧初瀬街道が分岐しています。JRの鉄橋へ向かう川辺の細い道が旧初瀬街道です。案内板には六軒から長谷まで約56キロと記されているものの、マップ上を図ってみると76kmくらいありますが、旧初瀬街道は近鉄大阪線の原点と分かります。

国道23号に出てきました。向かいのDIYのお店には以前富士フィルムの特大看板が掲げられていたのですが、ビル自体建て替えられたようです。

国道23号の東側に広がる田園地帯を海岸へ向かってペダルを漕いでます。

ユウゲショウとハマダイコンです。

田植えの準備のととのった田んぼと鰻の養殖池の他、殆どは小麦畑です。

背の高い赤い花はイタドリ、別名スカンポまたはスイバ。

五主海岸

堤防に上がりました。なーんにもいません。堤防の先端でカワウ1羽が天日干ししているだけ。バードウォッチャーもひとりもいません。

とりあえず南側、碧川の方へ行ってみました。大っ嫌いなソーラーパネルがびっしり敷き詰められた五主池にはキンクロハジロのカップル。碧川南側の曽原池はかつてセイタカシギの繁殖地として知られていたそうですが、そっちもソーラーパネルが敷き詰められてセイタカシギはいなくなりました。

狙ってやって来た満潮は予想どおりなのですが、浜辺を丹念に浜辺をチェックしていも何もいません。カンムリカイツブリが1羽プカプカ浮かんでました。

堤防を越えて雲出川河口に下ります。見たことのない紫の花がいっぱい、ハマエンドウです。

ハマヒルガオとハマエンドウで浜辺はビッシリ。

砂は男里川河口より明らかに白く、打ち上げられたゴミや漂流物も少なくきれいです。

砂浜に腰を下ろしておにぎり(明太マヨ)、とその途端シギチが3羽自分の近くを通過。たぶんシロチドリ、カメラを構えるまでもなく川上へ。鳥はいないもののとても気持ちいいです。

チュウシャクシギが1羽対岸の先端に下りるのが見えました。砂山の上に立っているのがかろうじて写ってました。

遠くからはパラセーリングをやっているのかと思っていたのですが、セールはサーフボードにつながっていました。カイトサーフィンという新しいマリンスポーツだそうです。数十mくらいの沖でサーフボードから下りた人が膝くらいで立っていてかなり遠浅の海と改めて分かります。

上空でトンビとカラスのバトル、カラスが圧倒的に優勢。ハマエンドウです。

さっきから上空でピーチクパーチクやっていたヒバリが地面に下りてきました。海の上をシギチの何かが1羽通過。

水辺に鳥の足跡が続いています。堤防の上へ戻りかけてカメラのレンズキャップを落としたことに気づきました。以前似たような環境でサングラスを落として探し戻ると見つけたことを思い出し、歩いてきた浜辺を丹念にチェックしてみたのですが、見つからず。

海の上を大きな集団、拡大してみると何とスズガモたち。5月にスズガモとは。今日テンションが上った唯一のシーンです。

河口に立つ石碑、側面に「建設海岸◯標」と読めるのですが◯の字がどうしても読み取れません。行政上の責任範囲を明示のためのもののと思われます。

あきらめがついて帰ることにします。広大な麦畑が気持ちいい。干潮はイマイチ、満潮は大ハズレ、ならこんどは中潮でチャレンジするしかなさそうです。

伊勢街道の録り鉄ポイントまで戻ってきました。また架線柱が被ってしまい、後ろ姿も撮っておきます。

JRの船江踏切、鳥羽行普通のキハ25がやってきました。複線に見えますが、紀勢線の単線と名松線の単線が並行しているだけです。

うな丼

松阪の消防車は赤じゃなくて朱色っぽい。

レンタサイクルを返却、もう3時を回っているのにこの時間からレンタサイクルを借りに来ているひとが何人かいてちょっとビックリ。どこへ行くのでしょうか。喫煙コーナーでちょっといっぷく。「松阪菖蒲」にちょっと惹かれたもののもう自転車を返してしまってます。

旅先でちょくちょく見かける数字の銀行、ナンバー銀行とも呼ばれる国立銀行と分かりました。国立銀行とは言え国が設立した銀行という意味ではなく明治5年に成立した国立銀行条例に基づき設立された金融機関のことで、番号はその設立順で153まであったものの、多くは合併や解散、破産などで消滅し、現在残る番号だけの純粋なナンバー銀行は十六銀行(岐阜)、七十七銀行(仙台)、百五銀行(津)、百十四銀行(高松)の4行だけ。ちなみに長野の八十二銀行は十九銀行と六十三銀行が合併して八十二だそうです。第一銀行は現在のみずほ銀行、第一勧業銀行が宝くじを売っていたことは記憶に新しい。

近鉄のイベント列車でもお馴染み、今も松阪駅構内で駅弁を販売されている新竹商店さんです。

Google Map上にお気に入りマーカーを付けている大口屋さんです。持ち帰りがメインですが小上がりに上がらせてもらい、うな重松2,500円かうな丼松1,800円かさんざん迷って悩んでうな丼松に決断。テレビは中京テレビのキャッチというワイドショー、関西だと.tenの時間です、15分待ってうな丼登場。

丼のフタをとると思ったよりうなぎが小さめな気がしてうなぎをアップしすぎてしまいました。いちごショートケーキよろしくご飯の中にもう一切れうなぎが埋もれています。味や舌触りからこの値段でも明らかに国産と分かります。Google Mapの口コミへのオーナーの回答で三河一色産と確認できました。昔から松阪っ子にはソウルフードのような大口屋さんだそうです。

5年前は改装工事中だった松阪駅は国鉄時代まんまの姿が残されていました。中間改札もなく桑名駅と違ってここではJR東海と近鉄が仲良しです。

大阪上本町行30000系ビスタカーの平屋で帰ります。

前から気になっていたのですが、このシートの象形文字のような模様は何か意味があるのかな。

コンセントは無いのですがモバイルバッテリーがあるので構いません。車窓に麦畑の中を行く快速みえ。

伊勢中川、榊原温泉口、名張、大和八木と止まって大和高田は通過も布施に停車しました。1日3本だけのレアモノ特急です。松阪から布施まで特急が止まらない場合、鶴橋で下りて戻ってきた場合の運賃計算がどうなるのかちょっと気になります。

鶴橋で殆どが下車してガラガラになってラストスパート。

地下ホームじゃなくて地上9番線入線でちょっとだけテンション上がりました。このまま日本橋へ、ビックカメラへレンズキャップを買いに行きます。