ハマシギ、ソリハシセイタカシギ

ハズレの続く鳥見、ハズレることがないはずの干潟へ向かいます。

目的地は雲出川河口、名古屋行22600系で出発。

高安車庫に「ひのとり」は居らず、定位置には「かぎろひ」。大和八木で名古屋行5号車6Dから京都発賢島行5号車6Dへ乗り換え。

同じ22600系でも内装が全然違ってますが、どっちもコンセント付。ローレル賞、ブルーリボン賞のプレートは、もうちょっと価値観を感じさせるデザイン、素材にできないのか、といつも思います。

伊勢石橋駅を過ぎたすぐのところに見える沈下橋、今日の目的地、雲出川河口を遡った中流域です。ここを軽トラで渡る度胸は自分にはありません。

松阪駅観光情報センターで電チャリを借りて出発、なぜかホイールベースの短いフレームでサドルよりハンドルが高いので、犬のチンチンのような格好で漕ぎ続けます。

三複線の極楽町踏切、手前の非電化線は紀勢線と名松線共用の単線で、この200mほど先で紀勢線と名松線は分岐するものの、さらに1.5kmほどは複線もどきの単線2本が並走しています。

縦に長〜い三重県、津から先、桑名まで50kmくらいあるので、三重県縦断は約150kmになります。

旧伊勢街道の撮り鉄ポイントで一服。この付近の近鉄山田線はなぜか700mほどを築堤で上り下りしています。伊勢街道と交差するだけであれば踏切で十分なはず。不思議でしょうがなかったのですが、参宮急行山田線が開通する1ヶ月前に伊勢電鉄が開通、この辺りでオーバークロスしていたようです。伊勢電鉄が参宮急行に吸収合併されて後、接続駅として開設されたのが松ヶ崎駅とあるものの、松ヶ崎駅は地べたにあり、オーバークロスしていたのは、写真の伊勢志摩ライナーが走る下のガード辺りだったのではないかと推測。

旧伊勢街道が築堤をくぐる手前にある格子戸の町並み案内板には、木の板に一軒ずつ屋号が描かれています。この辺りの旧伊勢街道を尋ねる観光客は殆どいませんが、素敵な町並みが残るオススメスポットです。

田んぼから聞き覚えのある鳴き声はケリ。

国道23号沿いのローソンで一休みしていると、向いに懐かしい看板、ビルの角にも縦書きのフジカラー、色も鮮やかなままです。

雲出川河口

五主海岸に到着、イソヒヨドリ♀がお出迎え。

木の杭に留まっているのはてっきりトビだと思っていたらミサゴ。

杭の向うは海苔の養殖。水辺にいるのはたぶんハマシギ。

海苔の養殖を管理するボートが行きます。手前はオナガガモ、飛んでるカモはよくわかりません。

右下で頭を掻いてるハマシギがカワイイ。

堤防の石段から河口干潟へ下ります。砂浜にカモの足跡が続いています。

翼の白い帯、間違いなくハマシギです。

シロチドリもまとまった数がいます。干潟の砂の模様が美しい。

乾いた砂浜に腰を下ろしてぼーっとハマシギたちを眺める至福のひとときです。

実はこの時、ハマシギじゃなくてミユビシギと思い込んでいました。冬羽のハマシギはお腹が黒くないので分かりにくいものの、ミユビシギよりずっとくちばしが長いです。

よく見ると右端にミユビシギも写ってました。ハマシギも腹黒さが消えると十二分に可愛い。

干潟を駆けるハマシギとシロチドリ。青空が広がったものの、1年半前と違って愛知県は全然見えません。

正面からハマシギ。干潟に並ぶ自分の足跡とカモの足跡。

低空飛行のマガモがかっこよく撮れました。オナガガモが続きます。

よく見るとハマシギは個体差が大きく、頭から胸にかけての茶色い部分の広さが様々。シロチドリが入浴中。

干潟から湧水。沖まで鳥が見えるものの、期待していたミヤコドリは見つからず、引き上げます。

金剛川河口

来る前にネットで見つけた情報を頼りに、ふたつめの目的地、金剛川河口へ。道を間違え10kmほどに1時間もかかってしまいました。レンタサイクルの時もスマホホルダーを取り付けると良さそうです。

急に風が強くなってきました。体感では風速10mくらい。金剛川の堤防に地元の人とは思えない車が数台止められていて、その先に数人のバーダーさん、目的の鳥はまだいるようです。

先着のバーダーさんに、中洲の手前のカモの群れの真中くらい、と撮った写真を見せてもらって、見つけることができました。初見のソリハシセイタカシギ、珍鳥です。

遠いです。150mくらいあります。じっとしているもののデジタルズームで拡大してもここまで。反り上がったくちばしと長い脚は確認できました。

ハマシギもたくさんいます。肉眼では中洲に点々が見えるだけです。セイタカシギ科のページにセイタカシギ以外を追加できたので良しとしますが、ソリハシセイタカシギの居場所を教えてくれた方にお礼を言いそびれたのが心残り。

数羽がこちらに飛んできました。アオアシシギです。春秋の旅鳥のはずが、三河湾には越冬組もいるとはビックリ。

堤防の先端から強風に飛ばされないように慎重に歩いて戻り、ふと振り返ると数百羽の群れが中洲に下り立ちました。たぶんハマシギ。

強風の中歩いた両側にガードレールも縁石も無い堤防です。この辺りはこういう場所が多く怖いです。上述の沈下橋もそうですが、自分は高所恐怖症ではないものの、崖っぷち恐怖症と気づきました。

ハマシギが数羽こちら側に。電チャリの電池残量が少なくなってきました。松阪駅へ戻ります。

金剛川の西側、愛宕川のガードレールも縁石も無い堤防を進むかどうか迷っていたら足元にソリハシシギ。これも春秋の旅鳥なのに越冬組。

堤防上で軽トラにクラクションを鳴らされ自転車をどけると、ソリハシシギはイソシギに代わってました。こちらは留鳥。

松阪の楽しみは大口屋の鰻丼、座敷でマツコを見ながら、今日2回目の至福のひととき。2段重ねの鰻丼(松)+お銚子で2,000円、コスパ高杉。

1年半前、全面工事の養生に囲まれていた松阪駅は、立て替えられず国鉄の姿に戻ってました。駅前商店街に夕日が沈みます。

駅近くの八幡神社/善福寺のモミジ、木に残った葉っぱより落ちた葉っぱの方が綺麗です。

コンセント無し灰皿付の昭和な12200系特急で帰ります。22600系より揺れが激しく、やはりそろそろ寿命かと。名張で5200系VX05編成の急行、もっと事前に調べておけば特急券節約できたのに。上本町駅9番線に到着。