万博公園

池泉回遊式庭園フェチになったのに大御所を忘れてました。万博公園の日本庭園です。日本庭園だけで26ha、かなり広く感じる平安神宮神苑の8倍、行ったことがある中では岡山後楽園の2倍、ちなみに日本最大は高松の栗林公園だそうで75haもあります。

堺筋線/阪急千里線山田経由の方が早くて安いようですが、万博公園入場券付モノレールの1日乗車をネットで買っておいたので、メトロが直接接続する谷町線終点の大日へ向かいます。10年ほど前、喜連瓜破でしこたま飲んで気がついたら大日だった時以来です。戻る電車はなく、京阪も終わっていて、手元も不如意だったので、大日から深夜の1号線沿いを歩き、パナソニック本社前を過ぎバス停で休憩していたら、近くにネットカフェはありませんか、と声をかけられ、知っていたら自分が行ってると答え、関目辺りのマックで大休止して、蒲生辺りで空が明るくなってきて、京橋まで来たら、もうここまで来たんだから、と結局ウチまで12km歩いて帰ったことを思い出しました。もうあんな無茶はできなくなりました。

駅員さんにQRコードを見せてチケットに引き換え、ずいぶん久しぶりのモノレールです。

セレッソの長居に対して万博記念公園駅はガンバ大阪の本拠地、西野監督や長谷川健太監督の頃の元気はなく、すっかり立場が逆転してセレッソの方がずっと強くなってしまいました。昨日の大阪ダービーもセレッソが逆転勝ち、大阪ダービー3連勝だそうな。今年からガンバは元レイソルの片野坂監督なだけにJ2落ちは避けてもらわないと。ちなみにレイソルは好調をキープ、リーグ戦の2/3を終えた現時点でも4位につけてます。

モノレールのチケットでそのまま万博公園に入れるのかと思いきや、もう一度QRコードを見せて万博公園のチケットを受け取るに必要がありました。分かりにくくかつめんどくさいチケットです。この大阪モノレールのチケットに限らず最近のトクトクきっぷは値引率も低くなり、前日まで購入とか制限も増える一方、磁気カードのまま。目的地でたっぷり遊んで途中下車する機会が減ったこともあって、ふつうにICカードの方が便利と思うことが多くなりました。

ほぼ8年ぶりの太陽の塔、未来を象徴する「黄金の顔」が8年前より金色が剥げてしまっているように見えます。お腹の現在を象徴する「太陽の顔」はあいかわらず気難しい顔をしています。

この2014年11月のブログ、ずいぶんあっさりしていて写真が少ないので、当日のアーカイブをチェックすると、この時はウチから万博公園まで何と自転車で行って、さらに母が一時期住んでいた北千里のマンションを見に行って真っ暗になるまで自転車を漕いでいたと分かりました。今や真似をするのは無理です。

パークカフェで腹ごしらえ、ベーコンときのこのカルボナーラ、サラダ付で1100円。不味くはないものの昔のスキー場の食堂を彷彿とさせます。入園する前にコンビニでサンドイッチを買ってくるべきでした。このお店に限らず、ミライザやらジョーテラスやらで一新された大阪城公園と比べると万博公園の飲食サービスはかなり見劣りがして、パークローソンもありません。長居公園も進化の真っ最中なのに、万博公園は国営だからか、と思いきや運営は大阪府です。府市一体化は維新のお手のもののはずなのに、公園の運営にはまだ手が回っていないようです。

パークカフェすぐ近くにひまわり畑、まだ見頃には早いようですが、見頃になってもヒマワリでは明らかに奈良県営馬見丘陵公園に軍配が上がります。ヒマワリの回りをクマバチじゃなくてタイワンタケクマバチがいっぱい舞ってます。

ひまわり畑の上空にはチョウトンボ、iPhoneでここまで撮れました。

自然文化園

太陽の塔の横顔を眺めながら食後の一服。

ツバメシジミがいました。歩く道は写真左から右へ下り坂になっているのに、道沿いの水の流れは写真右から左へ、つまり下から上へ流れているように見えます。

やはり水の流れは弱いのに下から上に流れています。ホーホケキョ。

水の流れの元は小さな池、もみの池という名前ですが、メタセコイアの方が目立ちます。

と、コバルトブルーの光線が目の前を横切り20mほど先の枝に止まりました。

飛び込みシーンです。これ以上シャッタースピードを上げる方法はよく分かりません。

同じ枝に戻って、再度ダイブ。もう1羽いたのですが、行ってしまいました。

もみの池の隣にある自然観察学習館の水槽です。平べったい魚はバラタナゴ、細長い横線の魚はカワムツかと思いきやモツゴのようです。

太陽の塔を予約してあるので引き返します。あまり整備されていない道がいい感じです。シオヤアブがいました。

ちょっと広い道にでると太陽の塔。アガパンサスにオオスカシバ。

太陽の塔の中

プロジェクションマッピングで色々表情を変える太陽の塔の第4の顔「地底の太陽」です。

単細胞生物から人類まで40億年の生命の進化を表現する生命の樹、その回りの階段を70m上って、下りは雑居ビルのような階段で興ざめ。さほどコストをかけずとも、下り階段を消防法の許す限り暗くして、足元だけを照らす他は真っ赤な照明にして、岡本太郎が芸術はバクハツだっ、とホログラムで叫びだす、とか色々思いつきます。今のままだと2025年万博の成功も覚束ないかと。

太陽の塔の背中、過去を象徴する「黒い太陽」。中への入口は背中の右足元にあります。富士山同様、太陽の塔は外から、遠くから眺めるのがウリのようです。

お祭り広場からの太陽の塔、だだっ広いままなのはイベント会場としての貸し出すためです。左手の観覧車はオオサカホイール、日本一の高さでゴンドラは冷暖房完備だそうです。

日本庭園

江戸時代初期の庭園を再現する近世地区の心字池です。池の向こうの芝生の築山、手前の松や生垣、手入れが行き届いていて圧倒されます。

手が届きにくいはずの池の小島まで徹底しています。ただ人の手が入りすぎているような気がしないでもなく、西洋庭園を見ているような気もします。

右回りで一周してみます。竹林の小径ですが、嵐山のそれと比べると何か大味な印象です。小径と呼ぶには道幅が広すぎます。

考えてみたら1970年大阪万博の目標入場者数は3,000万人(結果は6,400万人)。内1/10が日本庭園に入園するとして1日約15,000人、小径でも十分な道幅を設計せざるを得なかったんでしょうね。コロナ前の嵐山の竹林の小径のような人出がこの広い小径をびっしり埋め尽くしていた光景を想像してみます。エナガの幼鳥が数羽登場。

日本庭園西端の平安時代を再現する上代庭園エリアの深山の泉、室町時代以降の枯山水と違って、水の流れを模した白砂ではなく池泉そのままに枯山水のように岩が配されています。行ったことはないものの平泉毛越寺の浄土庭園の趣きです。

そこへコバルトブルーの光線。1日2回のカワセミは7年前の毛馬と大阪城人工川以来かと。

枯山水のような岩の上のカワセミ。ジャンプして。

ダイブ。ちっちゃな魚を加えて戻ってきました。

奥の岩から手前の岩へ、20mほどの距離です。

上に魚がいるはずはないのですがよく見かけるポーズ。右手の岩に移動。

平らな岩にジャンプして、ダイブ。まだまだピントが合ってませんが、ヘリコプターのローターを撮った時のように、あまりくっきりなのも不自然かと。

ちょっと奥にある岩から、水面へ直接じゃなくて、間にある岩の陰の水面にダイブ。かなり器用です。

だんだん飛翔シーンのピントが合うようになってきた気がします。自分の腕がアップしたのではなく、カメラが覚えてくれたようです。正面から飛翔シーン。

4つの滝が流れ込む木洩れ日の滝、この池と深山の泉が心字池の源流になっているようです。左から2つ目が主滝で2段になっています。この水の流れがどこから来るのかは不明。

道がふたつに分かれます。右手の道に沿う水の流れには苔むした石も並ぶもののやはり道幅が広すぎて風情にかけます。

左手の道を進むとツマグロヒョウモン。周囲に沿って歩いたので内側にある茶室や枯山水のお庭は見逃してしまいました。

さっき正面から眺めた築山に出てきました。太陽の塔の背後を翔んでる虫はチョウトンボとショウジョウトンボです。

芝生に覆われた築山、ゴルフ場みたいであまり色気はありません。

蓮池

日本庭園東端に大きな蓮池、まだ見頃です。ショウジョウトンボが止まっていました。

ひまわり畑でも築山でも飛び回るだけだったチョウトンボがハスの葉にじっとしています。

ハスの葉っぱの陰にカイツブリの雛、お母さんもいっしょ。とても涼しげな環境です。

水中はハスの茎で自由には泳ぎ回れないかと、どうやって魚や虫を捕まえるのでしょう。

ベンチの前のハスの蕾にチョウトンボ。時々向きやポーズを変えて、じっくり楽しませてくれました。

京都の庭園と比べると大味で繊細さには欠けるものの、とてもよく整備、管理されていて、歩きやすく心地いい庭園です。今日日本庭園内でも行けなかった場所もあり、万博公園全体では半分も回っていません。気楽にちょくちょく出かけることになりそうです。京都の庭園のように中世を偲ぶのではなく庭園で高度成長期の日本を偲ぶのもまた一興、ALWAYS三丁目の夕日の希望を胸にのメロディを口ずさみながら。