日本一気持ちのいい駅、安和
高知も梅雨入りが遅れ快晴、前から行ってみたかった土讃線の安和駅へ。
とさでん交通標準色200形家庭用クーラー室外機搭載車と旧土佐電鉄標準色200形非冷房車です。
1番線に停車中の窪川行普通1000形気動車単行、これで2時間弱の乗り鉄。改札内には何もない高知駅ですが、ホームに売店があるのには気付きませんでした。方向別じゃなくて、1番線からは岡山行の特急も発車します。ドアの向こうに坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の背中。
ボックス席とロングシートが点対称に配置されている車内、トイレ前の部分はお一人様席が縦に2つ並んでいて、その前側の席、絶好のカブリツキ席になっているのをゲット。上り列車の到着が少し遅れ、キハ32形2連が入線してきました。
こちらは2分ほど延発。留置線には2000系南風。
垂直方向に座っての前面展望サイコーです。車内は立ち客も少なくなく1両編成だとキャパオーバーなくらい混んでます。
朝倉駅に到着、若い人たちが一斉に下車、高知大学の最寄り駅と思い出しました。高知からJRだと14分、とさでんだと40分くらいかかります。
朝倉駅から枝川駅までの前面展望です。タブレット交換の中山信号所やサンシャイン・ラヴィーナ店のある、とさでん伊野線の走る県道とほぼ並行している区間ですが、とさでんとは全然異なる峠越えの景色にびっくり。
ふりむくと車内はガラガラになってました。
伊野に到着、何と17分も停車、高知を18分後に出た2000系あしずりを先に通した後、上り列車との交換も無いのに何故か10分も止まってましたが、こういうところでの長時間停車は嫌いじゃないです。
仁淀川を渡り、森の中へ突っ込んで行きます。窓にこびりついた汚れはPhotoshopのコンテンツに準じるで掃除しています。
簡易なホームひとつだけの波川駅は何故かホーム上に勾配標。日下駅は両開き分岐で上り普通列車と交換。
斗賀野駅付近は線路脇に黄色い花が満開、ハルシャギクです。斗賀野も両開き分岐、ここでも上り普通列車と交換。
トンネルをいくつかくぐって、須崎に到着。残っていた乗客のほとんどが下車、残るは自分を含めて3人ほど。
ようやく海が見えてきました。トンネルの先に安和駅。
到着しました。
海岸へ向かうと今日もイソヒヨ君がお出迎え。防潮扉から浜に出られるようになっていました。
真正面に浮かぶのは野見半島の先端に続く戸島、航空写真で見ると島の向こう側、野見湾沿いに民家があります。その右側は野見半島南沖の神島、こちらは無人島ですが磯釣りのメッカらしいです。浜のほとんどが砂利浜で少しだけ砂浜もあります。
上空の飛行機、フライトレーダーでチェックすると上海発成田行CA929便。浜辺の南端に小川が流れ込んでいます。
種類は不明ですが、川には小さな魚と稚魚の群れ。河口の川からの流れと海からの波が重なるところでは、透明な水が立体的な模様を描いていました。
海は透明度の高いブルー。砂利浜にカワラヒワ、他には釣り人が3人と自分だけ。
浜の北側先端の小さな岬です。南側の岩礁の沖には貨物船。
あしずり6号が通過、10分後、アンパンマン列車のあしずり3号が通過。
防波堤にイソヒヨちゃん。沖の貨物船が磯の向こうから全貌を現しました。第八栄隆丸、船籍は徳島阿南、498総トン。
海岸からほど近い、交通量の極めて少ない国道56号線沿いにローソン須崎安和店。3年前閉店の危機を地元住民の請願でローソンとの契約を継続できたとの由、国道を挟んでローソンの向い側にある、創業明治27年という竹材・竹製品メーカーの工場長さんのブログで知りました。
ホテル以上に清潔で広々としたトイレをお借りして昼食ゲット。遠くへ鳥鉄に出かけるとオアシスのようなコンビニの存在は本当にありがたいです。枯木灘に面したローソンすさみ町江住店、マガンがいっぱいの田園地帯ど真ん中のセブンイレブン南方畑岡下店、それにもちろん男里川鳥見には欠かせないファミリーマート泉南男里店、まだまだあるけど、ほんとオアシスです。
海辺に戻り缶チューハイをシュパー、車で来ているはずの釣り人さんたちは真似ができないでしょ。ちくわはローソンPBのニッスイ製品、地場もんを置いてほしかったけど、贅沢は言えません。
安和海岸北端の磯、潮位は高く潮溜まりはできていません。北端から浜辺を振り返ります。
駅へ戻るとトンネルをでたところから線路の分岐跡が確認できます。石積みのホームがそのまま残されているのですが、今立っているホームからの距離からすると両開き分岐からさらに貨物用の側線が分岐していたようです。
窪川行普通が短いトンネルをくぐってきました。
今日のベストショット!
沖の岩礁に灯台のようなものが見えます。一子碆灯標と分かりました。碆 - 波の下に石 - という漢字は岩礁の意味だそうです。約7km沖です。
ホームの待合所にらぶらぶベンチ、一応座っておきました。1日6往復のみの停車、かなり不便ですが、訪れる価値は十分すぎます。
海風がとても心地いいです。海に近い駅としては、予讃線の下灘駅が有名ですが、線路と海の間に道路ができてしまい、日本一海に近い駅じゃなくなったそうです。諸説ありそうですが、自分が行ったことのある駅では池の浦シーサイド駅が日本一海に近い駅で間違いないです。島原鉄道の大三東駅も忘れられませんが、海の美しさや空間の広がりで安和駅は日本一気持ちのいい駅といって良さそうです。
海だけじゃなくて山の緑も綺麗です。見事なツートンカラーの明るい緑はたぶん竹林。ローソン向いの竹製品メーカーが加工する竹なのかも。虎斑竹と呼ばれる虎のような模様の入った竹で、なんと全国で安和でしか生育しない竹だそうです(参考)。
1000系気動車単行で高知へ戻ります。行きと同じ車両が折り返してきたようです。