四国の鉄道、がんばってます
承前、安和から1000形気動車単行で高知へ戻ります。後ろ向きかぶりつきですが、来た時と違って貫通ドアまで近寄れるので足元までよく見えます。
名残の透明なブルー、安和海岸北隣の浜です。来た時と同じ車両1000系1025号の同じ席に座ります。
須崎駅の鍋焼きラーメンの看板、左の看板はご当地ゆるキャラのしんじょう君、絶滅したとされるニホンカワウソが当地の新荘川で発見されたことに因むキャラで、黄色い髪は鍋焼きラーメンです。
みどりの窓口もある昭和が漂う駅、昨日鍋焼きラーメンを食べてなかったら間違いなく途中下車してました。
吾桑駅で須崎行と交換、1000系2連です。須崎までは6往復だったのが高知側は21往復も運行されています。
西佐川であしずり5号と交換、日下で交換した普通列車は何と1000形3連、特急より長編成です。
仁淀川を渡り、伊野に到着。やっぱりとさでんに乗り換えることにしました。鉄道ジャーナル8月号の記事によると、この3月に朝倉電停でタブレット受け取りを忘れ閉塞区間に侵入してしまったというインシデントが発生、以降、運転手同士ではなくタブレット受け渡し係が常駐しているとのこと。それを見てみたいと思った次第。
JR伊野から最寄りのとさでん停留所は伊野駅前停留所で、その僅か100mほど西に伊野線終点の伊野停留所があります。清和学園前-一条橋間に次ぐ短い駅間距離じゃないかと。しかし昭和60年に設置された清和学園前とちがって伊野駅前停留所は大正13年の国鉄伊野駅と同時開業で、需要に応じた停留所の設置には年季が入っています。
やってきた600形は四万十うなぎ号、なんでうなぎの背景色がピンクやねんとつっこみたくなりますが、これに乗車します。ちなみにうなぎの背景色はやはり黒か紺かと。
アンケート用紙の写真は、昨日とさでんに乗った時、このアンケート用紙が床に落っこちて散らばっていたのを、サラリーマン風の乗客が拾って元に戻していたのを思い出した次第。大阪ではちょっと考えられない優しさです。
伊奈商業前から咥内まで、つまり行きの土讃線かぶりつきと並行した区間を逆向きに前面展望かぶりつきです。2:20くらいで中山信号所、係の人がタブレット受け渡しをしていました。周りに何もなくてタブレット受け渡し以外の時間はどこで待機しているのか、年配の社員さんみたいで、ちょっと心配です。
その先、4:50くらい、宇治団地前からの峠越え、喘ぐようなツリカケ音を響かせながら29‰の急勾配を上り、峠を過ぎると一気にノッチオフ、朝倉-鴨部間の狭隘併用軌道と並ぶとさでんハイライトシーンです。
朝倉停留所にもタブレット受け渡し係の人。こちらは中山信号所と違って待機できる場所がありそうです。
鴨部停留所です。ここも行き違いできるのものの何故かタブレット交換は無しです。調べてみると朝倉-鏡川橋の単線区間はトロリーコンタクターという架線に取り付けられたスイッチで信号を切替える特殊自動閉塞式になっていると分かりました。
朝倉高知大学前行の青い菱形のサボ、毛筆手書きかと。タブレット交換だけじゃなく、普段使いのサボも全国的にとさでんだけでは。
タコの足の内側のような鴨部歩道橋をくぐり鏡川橋を渡ります。
鏡川橋を渡ると複線、ここから文殊通まで運行本数は日中でも約5分ヘッドに急増します。700形ローソン号、いの行の赤いサボが似合ってます。
枡形では、小学生たちを見守る昭和29年製非冷房の214号、かなりお気に入りのワンショットになりました。
冷房が無いことを、そこまで謝らなくてもいいかと。逆に窓を開けてツリカケ音を堪能したいです。
高知城前で、伊野行800形、堀詰で非冷房200形、見た限り非冷房車は伊野への運用には入っておらず、暑いのが嫌な場合次の電車を待ってもらえるように運用されているようです。
はりまや橋でANAとジェットスターのツーショット。はりまや橋のダイヤモンドクロスの高知駅から鏡川橋方面は複線短絡になってます。
四万十うなぎ号が去って行きます。桟橋線には800形と600形、600形の行先は何と文殊通になってます。
「文殊通行」は交差点を鏡川橋方向へやり回し、この後、文殊通へ折返したのか、表示のミスだったのかは不明です。交差点にダイヤモンドクロスの紹介が掲示されてました。今度は平日8:12頃にぜひ来てみたいものです。
土佐電鉄とバス会社2社を経営統合してとさでん交通株式会社になった訳ですが、株主は高知県、高知市、南国市、いの町、他で100%自治体、つまり実質的には公営企業です。国鉄からJR、大阪市営地下鉄から大阪メトロ、といった鉄道民営化の逆です。
鉄道ジャーナル8月号巻頭でJR四国の経営危機について詳しく述べられています。とさでん交通よろしく、JR四国も、四国4県や沿線主要都市による公営化が現実的では、と考え調べてみたら名目県内総生産で四国4県合計で北海道の2/3、そう簡単ではなさそうです。
でも、JR四国はよほどの閑散区間でない限りほぼ1時間ヘッドの普通列車運行で一部は3両編成、とさでん交通も古い車両に家庭用クーラーを搭載してでも5分ヘッドの運行、旅行者としてもめいっぱい応援したくなる四国の鉄道です。
と言った舌の根も乾かないうち、南風で岡山経由で帰るのつもりだったのに、1000系気動車のかぶりつきで乗り鉄に満足したことと、スマホを充電したかったこと、それになんばへ直帰できるので高速バスに乗ってしまいました。JR四国さん、ごめん。
川之江ジャンクションからちらりと瀬戸内海が見えます(強めに色補正してます)。
バスはカーテン付きのグランドリーム号仕様、OCATに飾られているレリーフと同じデザインのツバメマーク付きでした。