日本一短い隣接駅間距離
久々の高知出張も雨。仕事の後は土讃線と海を撮り鉄するつもりだったのですが、諦めてとさでん乗り鉄。これまで伊野方面ばかりだったので、後免方面へ行ってみることにします。
3両が続行運転でやってきました。先頭の文珠通行の200形に乗ります。後続2両はラッシュの仕事を終えて入庫する桟橋車庫前行。
この堀詰電停の時刻表を見てびっくり、8時台に25本もあります。山手線新宿駅より本数が多いです。
200形213号、都電6000形をモデルにした昭和27年日立製です。とさでんのシンボルともいえる菱型のサボは掲げられている時と車内にしまわれている時があります。何故なのか、今度聞いてみたいと思います。マスコンハンドルの向こうは600形。
葛島橋東詰(かづらしまばしひがしづめ)で下車、空のずいぶん低いところに雲が棚引いています。
橋の上からアンパンマンがピースサイン。
橋に止まるハクセキレイ、川岸のマガモ一家。
S字勾配を行く600形新塗装と旧塗装です。
南海も、京阪も、阪神も、殆どの場合、標準色の塗装変更って好きになれないのですが、とさでん交通のこの塗装変更はかなりグッド、新旧どちらの塗装も好きです。
ローソン広告電車の700形とサボを掲げた200形。とさでんの広告電車、関西の某路面電車なんかと比べると遥かにセンスがいいです。しっかりした広告基準があり、センスのあるデザイナーを抱えていると思われます。
新塗装の600形616号文珠通行で東へ向かいます。とさでんの車両には車内にそれぞれの「私の履歴書」が掲げれれています。一両一両がとても大切にされている証拠です。
文珠通で折り返し桟橋車庫前になって朝のお仕事は完了のようです。伊野線は鏡川橋を過ぎると単線ですが、後免線は全線複線、ずっと国道195号線と沿っているものの、葛島橋から先はほぼ全て専用軌道です。上り線にしかホームがない電停が多く、下り電車で降りる時は、クルマがこないか十分注意が必要で、運転手さんもかなり気を使っていました。
文珠通で次にやってきたのは1編成しかないLRTの100形ハートラム領石通行、病院の広告電車になってます。
JALの広告電車の800形。700形と800形は元山陽電気軌道の車両、下関にあった路面電車で、明石や姫路を走っている山陽電車とは関係ありません。
後免行がサボを付けてやってきました。これでやっと後免へ行くことができます。車内は貸切状態ですが、かなり例外的な状態で、今日何回も乗車して、ダイヤに合わせて乗客があるという印象です。
伊野-鏡川橋-はりまや橋-文珠通-領石通-後免で22.1km、66もの駅があります。デイタイムは、伊野-文珠通、鏡川橋-後免、鏡川橋-領石通、鏡川橋-文珠通がそれぞれ21分ヘッドで運行されいます。つまり、両端の伊野-鏡川橋間と領石通ー後免間は21分毎、文珠通ー領石通間は10分30秒毎、高知市中心部の鏡川橋ー文珠通間は5分15秒毎ということになります。21分毎なので、各電停の発車時間は毎時毎に微妙にずれてしまいます。21分ヘッドを20分ヘッドにすれば、毎時の発車時刻は揃えられ、ずっと利用しやすくなるはず、1分差で車両や人員のシフトに大きな影響があるとも思えず、かなり不思議なダイヤです。
終点後免町到着、これでとさでん完乗です。上下線が合流して一線折り返しになっています。その合流地点の向こう側が3複線になっていますが、左端は留置線です。
とさでん後免町の真ん前に高架の土佐くろしお鉄道阿佐線の後免町駅がドーンとあります。タイガーストレインの9640形の高知行、この路線の車両はいろんなタイプがあるのに全部9640(クロシオ)形です。
これに乗るか、高架線を行くところを撮るかさんざん悩んで撮り鉄を選びました。
600形に乗って高知市内へ戻ります。後方かぶりつき動画、走行中のツリカケモーター音と停車中のゴトゴトというコンプレッサー音がたまりません!
駅と駅(正確には電停と電停かな?)がやたらと近いところを発見、気になって、3つ先の舟戸まで行ったところで下りて引き返してみました。
清和学園前電停、その先に見えるのが一条橋電停です。やはり日本一短い隣接駅間距離だそうです。駅間距離は84mとありますが、小さな川を挟んだホームの端と端は50mもありません。
昭和62年に請願駅として設置されたとありますが、一条橋から歩くのと較べて30秒も違わないはずで、清和学園の広告だとしても、一条橋の駅名を変えた方が、建築コストだけでなく運営コストもはるかに安いはずです。とても不思議な存在です。
清和学園前電停から小さな川に沿って田園風景が広がり、清和学園があります。ミッションスクールの女子校です。
川の土手に沿って歩いて行くと、川の先にとさでんが顔をだすところ見つけました。
いろいろいそうな場所ですが、マガモファミリーとトノサマガエル(たぶん)発見。トノサマガエルには背中に線があったはずで、違うかも。
両側が勾配になった自分の大好きな鉄道風景です。女子高生いっぱいの通学時間帯はどんな光景か見てみたいものですが、変なオジサンと間違えられかねないので、止したほうがよさそうです。
一条橋も清和学園前も誰もいないので通過していく600形です。領石通へゆるいS字勾配を下っていきます。
運行本数が倍になるので、領石通へ歩きます。たぶん同じことをしている女子高生も多いはずです。通学の便を図るとすれば、清和学園前電停を設置するよりも、領石通止まりを延長するほうが余程理にかなっていたはず、やはり清和学園前電停の存在がますます不思議になってきました。
領石通折り返しは600形の「おきゃく電車」、高知弁の「おきゃく」は「パーティー」と訳せる言葉です。車内は他の600形と違ってシートも張り替えられ、カラオケの電源がありました。
雨でもたっぷり楽しめる、とさでんです。