有明海へ

仕事に絡めない日帰りじゃない旅なんてたぶん独立してから初めてで20年ぶりくらい、行き先は干満差と面積で日本一の干潟、有明海です。

潮位表とにらめっこしながら秋のシギチの渡りが始まっているはずのこの日を選びました。大牟田の満潮は10時55分516cm、干潮は17時06分41cm、潮位差は4m75、オリンピック女子棒高跳びくらいあります。

ふだん干潟の鳥見は干潮狙いですが、有明海では満潮狙いです。干潮だと鳥たちはずっと沖へ行って見えないからです。

始発の空港急行、ピーチ、福岡市営地下鉄と乗り継いで西鉄福岡から3000形特急、110km運転も快適なローレル賞受賞車で車内外のデザインも秀逸。

大牟田からJRに乗り継いで2つめの南荒尾駅に到着。もう熊本県です。ラムサール条約に登録された有明海の3箇所の干潟のうち、駅から歩いていける荒尾干潟が最初の目的地です。

まっすぐ海へ向かう踏切をまだ見慣れない817系が通過。

有明海です。鳥はいません。日曜日なのに人もいません。沖に有明フェリーが行き交ってるだけ。

ほぼ満潮です。浜辺を10分ほど歩いてようやくシギチ発見。ソリハシシギとキアシシギ、それにメダイチドリのようです。

シロチドリがひょこひょこ、空を見上げるとミサゴ。

メダイチドリとキアシシギ。浜辺には流木がいっぱい、それと貝殻がすごいです。波の色は濁っていてあまりきれいじゃないのですが、干満の大きさ、流入河川が多いことに由来し、これが有明海独自の生物多様性の源泉のようです。

やっとまとまった数のシギチがいました。殆どダイゼンです。

ダイゼンたちの中にキアシシギがまじっていて、忙しく走り回っています。後ろ向きの足があって間違いなくダイゼンです。

潮がどんどん引いて行く荒尾干潟です。岬の向こう側にあるフェリー乗り場を目指します。港にはキョウジョシギ。

長洲(ながす)港に着くとフェリーが出港する直前、ターミナルビルを通らずにクルマ用の桟橋から乗せてくれました。

対岸の雲仙普賢岳が近づいてきます。1991年6月、43人の命を奪った火砕流が襲ってくるシーンはまだ記憶に新しいです。

長洲港行のフェリーと行き交います。火山性扇状地に広がる島原の町の後ろ、眉山の頂上が雲仙の稜線の谷と1点で重なって山が透けているような不思議な光景になってます。

1時間弱で多比良港到着、長崎県です。国見高校が最寄り。

港から10分ほどにある島原鉄道の多比良町駅、「たびら」ではなく「たいら」と読むことがやっとわかりました。この数年県代表からも遠ざかっているようですが、国見高校サッカー部は変わらず町のシンボルです。

下りホーム上屋の左手にサッカーボールの石碑も建っています。有人駅です。窓口で切符を買うと、何と硬券!

上り諫早行のキハ2500形が到着。ヘッドマークは広告ですが、車体には「おどみゃ島鉄」、島鉄の取締役で古代史研究家の宮崎康平が作った子守歌がおどみゃ島原です。

宮崎をモデルにした城山三郎/盲人重役のKindle版がでていたので読み直してみることにします。さだまさしの関白宣言も宮崎がモデルだそうです。

下り島原外港行キハ2500形、この1形式に統一されているようです。アイスクリームを舐めてる部活帰りの国見高生と一緒に乗り込みます。車内は座り心地のいいボックスシートです。

多比良町から2つ目の大三東(おおみさき)駅、ホームの反対側はすぐ海。島鉄沿線には撮り鉄ポイントがいっぱいありそうです。

島原ではお城をちらっと見て、少しだけ天草四郎に思いをはせて、近くのラーメン屋さんで本場の長崎ちゃんぽん、ガーリックパウダーを入れると俄然食欲がでてきました。多比良港行のバスで戻ります。

一番上の甲板は屋根もなく直射日光が降り注ぐのですが、海風が心地よくて暑さは気になりません。クーラーの効いた船室に閉じ込められる船よりずっと快適、片道440円は安い。

小型のイルカ、スナメリがいるらしく、ずっと目を凝らしていたのですが、1mくらいのクラゲがぷかぷか浮いているだけです。透明度は低く海としては大阪湾の方がずっときれいです。

長洲港の入口にならんだ標識灯にウミネコ、船が浅瀬に近寄らないようにするための標識灯と思われます。

港内で奥行きの長い波が打ち寄せています。毎日頻繁に運行されている有明フェリーですが、ちょっと気を緩めると座礁しかねない高度な操船が必要なはずです。

港からタクシーで長洲駅。長いホームの先に錆びた駅名票と喫煙所。九州新幹線ができてローカル列車だけになったかと思いきや、朝夕の通勤ライナーになった特急有明が当駅起点になっています。

赤い813系か黒い817系と思いきや、やってきたのは青い415系1500番台。九州でも既にレアモノです。


大牟田駅西口のビジネスホテルにチェックイン。シャワーを浴びて大汗と海風で塩を吹いた服を着替え、繁華街と見当つけた辺りへ繰り出したはいいものの、町中は寂しい限り、日曜日のせいか空いているお店は少ないです。

立飲みと看板を掲げた店のビールケースをひっくり返した椅子で少し飲んでから、ラーメン屋を探すも見つかりません。メインとおぼしき駅東口へ回っても、まだ9時前というのに歩いている人を殆ど見かけません。しょうがないので、駅のファミマでコンビニ弁当です。

続く