コハクチョウ大空の舞
この元旦はパスしてしまった湖北のコハクチョウ、昨日の天気予報では日曜日の長浜は珍しく晴の予想、気温も暖かめ、これは外せません。久々にレンタカーじゃなくてレンタサイクルで湖北鳥見とします。前日までに買わなきゃならなくなった冬の関西1デイパスを買っておきました。
ところが昨晩いささか飲みすぎて大阪駅を出たのは9時、逸る心に答えるように新快速電車は130km/hでぶっ飛ばしてくれ、南彦根辺りから正面に伊吹山。
米原の構内に入るとしらさぎ増結用の681系とDD51が並んでいました。ここまでの途中、安土-能登川間の北びわこ号回送のお立ち台で三脚が並んでいたのですが、このDD51が牽くロンチキ(工事臨)がターゲットだったようです。
乗って来た新快速が長浜行だったので河毛まで行かずに長浜でレンタサイクルを借りて出発。途中ちょっと道を間違えて行き過ぎてしまったものの第1目的地と決めていたJAのカントリーエレベーターまでやってくると予想的中。
間に立っているおじさんのこちら側の田んぼと向こう側の田んぼで合計200羽くらいのコハクチョウ。
他の場所にいた仲間たちも集まってきました。
旋回して着陸。
雪山とコハクチョウ。
大げさな着陸シーンもコハクチョウの魅力のひとつ。
この田んぼ、二番穂がいっぱいあるようです。おいしいよ〜、と叫んでます。冬水田んぼではなさそうですが、水が残っています。
正面には伊吹山とコハクチョウ、左手には山本山とコハクチョウ。
子どもたちの自転車が通り過ぎるものの、見慣れているせいかコハクチョウたちも子どもたちもお互い見向きもしません。
さらに他の場所からコハクチョウたちが集まってきます。
飛んでるコハクチョウのどアップ。まだまだ集まってきます。
伊吹山と低空飛行のコハクチョウ。
大空を舞います。自分も仲間に入れてほしい。
これまでになく、青空とコハクチョウがいっぱい撮れて大満足、野鳥センターへ向かうことにします。
小さな川の狭い土手を走っていると丸いほっぺに目がテンのカモ、初見のホオジロガモです。こういう出会いはレンタサイクルでないと。
山本山はよく見えるもののなかなか近づいてきません。30分ほどペダルを漕いで水鳥公園に到着、塒から出ないままのコハクチョウも多数残っていました。
竹生島へ行ったのは一昨年の正月、1デイパスおまけのびわこチケットが手元にあるものの今日は行けそうにありません。
オオヒシクイも多数。
湖北野鳥センターのフィールドスコープで山本山の松の木に止まっているオオワシを確認。今日の野鳥リストにはしっかりホオジロガモも載ってました。
ずっと気になっていた、伊豆沼のサンクチュアリセンターのマガンの74,467羽はどうやって数えるのか、レンジャーさんに訊いてみました。どうやら千以上の単位は何らかのフレーム単位での大まかな数で、467羽とかの端数は飛んでいった後に残っている鳥を数取器で数えるそうです。ただ野鳥センター毎にそれぞれ独特のノウハウがあるらしく、詳しくはやはり伊豆沼で訊いてくるべきだったようですが、謎が解けた思いです。ここ湖北では7万羽とかが来るわけじゃないので、数取器だそうです。
山本山のオオワシをチェック、車が10台以上並び、総計100人くらいのギャラリーです。フィールドスコープの松の木を探して限界までズームしてみました。撮った時には気づかなかったものの、一応写ってはいました。松の木の左側に張り出した枝に止まっているのがわかるでしょうか?
ギャラリーはみんな飛び出してくれるのを待っているのですが、その気配はなく、コハクチョウポイントへ戻ります。
早崎内湖ビオトープ、周囲にがっしりした堤防が築かれ色気が無くなってしまいました。ビオトープなので、環境保全のためのしっかりした計画の下の工事だとは思いますが、コハクチョウもカモたちもいませえん。
水位が高めの小さな川を欄干が無い頼りない橋で渡ります。この辺りはどの川も農道と垂直にまっすぐ流れていて干拓地であることが分かります。
朝と同じ場所に戻ってきました。コハクチョウたちの半分くらいはお腹の羽に頭をつっこんで寝てます。
4羽が顔を寄せ合ってウーウーウーと何かお話しています。
ほどなく寝ていたコハクチョウたちもみんな起きて、バタバタバタっと数十羽が飛び立ちました。
サイロの上空を舞うコハクチョウ、まるで北海道。
バラバラだったのが編隊を組んでいきます。がっ、遠くへは行かず上空を旋回。
中にはまた降りてくるのも。
飛び立って行った仲間を見送っているコハクチョウたち。もう寝ていたり採餌しているのは1羽もいません。
突然ほぼ全員が飛び立ち、慌てて動画モードにしました。カメラの狭いファインダーじゃなくて、自分の眼で見るべきか悩みつつファインダーで追いかけました。人間が驚かしたとかじゃなくて、今日の日直当番とかの合図か何かがあったようです。
それが証拠に全員飛び立ったかと思ったら十数羽だけが何故かまだ残っています。
ガンやハクチョウがなぜV字編隊飛行をするのかを教えてくれているページによると、エネルギーの消耗が大きい先頭を行くのはリーダーではなく時々交代するそうです。コハクチョウの世界は強力なリーダーとかボスとかいなくて、人間や猿とはかなり異なる社会が形成されているようです。
飛んでいったコハクチョウ、まだ留まっているコハクチョウ、それぞれに理由を訊いてみたいものです。
夕暮れっぽい光線になってきました。
順光側に来るとシルエットが白鳥に戻ります。
430枚も撮った中、これが今日のベストショットかな。
自分の頭の真上をど迫力で低空飛行、中天を舞うと背景は完璧なスカイブルー。
少し出遅れたか、大声だして家族を追いかけます。まだ田んぼに残っているコハクチョウも少なくないのですが、大空の舞をたっぷり楽しませてもらったので、引き上げることにします。
コハクチョウに会うたびに新しい魅力に気づき、その生態に新しい疑問が出てきます。自分にとって特別な鳥です。
長浜の湖岸で夕日を眺めます。湖上じゃなくて比良山に沈みます。
長浜黒壁ストリート入口にある赤鬼さんで冷え切った体を温めます。去年の5月、C56を追いかけた時に見つけたお店です。オロナミンCとか懐かしのホーロー看板だけじゃなく、乳菓ビガーの紙製POPがぶら下がっています。相当古いものですが、保存状態は完璧でちょっとビックリ。
心も体も温まりました。湖北鳥鉄のベースポイントができたようです。