KOF2013
あれからもう1年経ったのか、という思いでKOF2013、関西オープンフォーラムに行ってきました。
KOFはオープンソースの開発者、ユーザーが集まる年1回のイベント、去年は初めての講師役でかなり緊張して行ったのですが、今回はそういうプレッシャーもなく、気軽に楽しませていただきました。
Drupal g.d.o/Japanとしては今回は去年のようなセミナーは無いのですが、会場入口近くのベストローケーションにブースを確保、太田垣恭子さんのDrupal Campをしよう!というライトニングトークがありました。
先日書いたように、DrupalのコミュニテイではDrupalconという世界中の開発者、ユーザー約3000人が集まるグローバルイベントが年2回開催されています。
普段はバーチャルなネット上での繋がりがリアルなコミュニティとなる、Drupalの活性化にとって欠かせないイベントですが、もう少し気軽な地域規模のイベントとしてDrupal Campというイベントが世界中で開催されています。
Campといってもテントを貼って野営するのではなく、開発者やユーザーが集まって、セミナーやディスカッションを通してお互いの知識と交流を深め、Drupalの普及を図るものです。
これまでDrupalはグローバルな普及度とくらべて日本国内ではイマイチだったのですが、この1年くらいの間にバーチャル、リアル双方で本格的なコミュニティが広がりを見せてきました。そろそろDrupal Campを開催していいタイミングではないか、みんな一緒にやりましょう!は大賛成で、自分も積極的に協力していくつもりです。
オリジナルモバイルアプリケーション等で様々な受賞を重ねてきた太田垣さんのプレゼンテーション、さすがに迫力と説得力があります。彼女は我々国内Drupalコミュニティとしてマジ欠かせないな存在です。
ではDrupal以外の出展ブースやセミナーをいくつかレポート。
さくらインターネット
さんざんお世話になっているさくらインターネット、今回はDrupal g.d.o/Japanのお隣にブース、日頃疑問に思っていることを質問、丁寧に回答いただきました。
同社、田中邦裕社長の基調講演を聴講、実際に自分のサーバーの殆どが収容されている同社の石狩データセンターについてのセミナーです。
1996年に舞鶴市でホスティングビジネスを創業、専用サーバー提供や企業向けハウジングサービス等に事業を広げる一方、上場を経て、データセンターを強化しつつVPSやクラウドサービスを中心としたホスティングサービスメインに回帰していること、石狩データセンターが北海道というロケーション故の電気代や地代の安さが競争力のあるサービスにつながっていること、よく理解できました。
専用サーバーが伸び悩む一方VPSがかなり安定して成長していること等、実際の売上構成比も公開し話され説得力がバツグンで、自分としても同社のVPSの選択は正解だったと安心させてもらいました。
セミナー終了の際、かなり丁寧に深々とお辞儀されていた姿がとても印象的でした。若いIT経営者というと、何か浮ついた、バブリーな印象がありますが、全然そんな感じがない社長さんです。以前お会いしたことのあるマウスコンピュータの創業者、高島会長とも似た好感度の高い経営者です。
日本のITの底辺を支えているのは、孫さんや三木谷さんだけではなく、こんな至極生真面目なまだ30代の経営者ということはすごく安心感があります。同様にグローバルなITを支えているのも、エリック・シュミットやマーク・ザッカーバーグ、ジェフ・ベゾスだけじゃないんだろうな、と思います。
Libre Office
Open Officeの後を継ぐオープンソースのオフィスアプリケーションで自分もずいぶんお世話になってます。MS Word、Excel、Power Pointと互換で、その互換性がかなり改善されています。Open Officeの時、文書作成アプリで拡張子を変えるだけで文字化けしてしまい文書を作成し直すという泣きたいようなこともしばしば経験したのですが、そんな心配はまずなくなったようです。表計算アプリではピボットテーブルも使えるようになってます。プレゼンテーションアプリでもPPT形式のファイルを開いて、かなり正確にレイアウトが再現されるようになったのはありがたいです。
MS Officeが依然強気のショーバイをしているので、最近地方自治体等でもLibre Officeを導入する事例が増えているようです。Libre Office日本語チームの榎真治さんのセミナーがあり、過日イタリアで開催されたカンファレンスのこと等を聞きたかったのですが、時間がなくて失礼してしまったのが残念です。
CMSではDrupalの他、WordPress、Geeklog、NetCommons、OpenPNE、EC-Cube、Zencart、ホスティングサービスではさくらの他、KDDIコミュニケーションズ、GMOクラウド、他にはLinux等OS関連、モバイル開発、セキュリティ関連、ロボット開発、とかなり広範に錚々たる面々がそろっていた訳で、日本のオープンソースカルチャーの広がりを実感できるイベントです。
そんななかちょっと毛色の変わったブースをご紹介。
Lego Mindstormsであそぼう!!
Lego Mindstormsで遊ぼう!!ブースで紹介されていたLegoでできたロボット、カメラで色を認識してお菓子を色別に分けるのですが、100%の精度です。色で判別して、ギアの回転角度を与えているんですね。プログラミングはC言語だそうです。
実は、このMindstormには自分もかなりハマっていたことがあります。動画のはMindstorms NXTという2009年にリリースされたキットですが、自分はその前のMindstorms RCXでした。ロボットアームを作ったり、二足歩行ロボットを作ったり、Lego Technicシリーズのエアポンプと組み合わせたり、さんざん遊んでいたのですが、何年かダンボールにしまったまんまです。
RCXには制御用のプログラムも同梱されているのですが、それがWindows MEまでしか使えなかったハズで、その後発売されたNXTが手の出ない価格帯だったこともあり、オクラ入りしてしまったと記憶します。
ちなみに先頃あたらしくEV3というシリーズがリリースされたそうです。調べてみると基本セットが5万円以上、う~ん(^ ^;
RCXは確か10年くらい前ですが、2.5万円くらいでした。なかなか量産が難しいのは分かるけど、もう少し普及価格にしてもらえないかなぁ。
ホビーロボット最前線2013 ワールドツアーというステージ企画も行われていました。5年程まえ、二足歩行ロボットがかなりブームになって、二足歩行ロボット同士のレスリングや美技を競うROBO-ONE等のイベントがかなり賑わっていました。ちょこっと自分もそこにビジネスとして関わっていたことがあります。10万円以上するロボットのキットの販売でした。
見た目が派手でおっきいお兄ちゃんやオタクオヤジたちの鉄腕アトム以来のロボットへの憧れをかなえてくれるホビーですが、いかんせんかなり高額なのと、それなりにかなりプログラミングの勉強をしないと、歩行以上のことをさせることは難しかったこともあり、早晩市場自体が冷めてしまったようです。当時二足歩行ロボットの業界をリードしていた九十九電機が倒産してしまったのも大きかったと思われます。
アイボなんてロボットもありましたよね。ソニーですら上手く行かなかったワケです。そういえばホンダのアシモ君もすっかり見かけなくなりましたね。
それでもステージ企画でのお話では、依然ロボットの大会は熱いホビイスト君たちが集まり引き続き開催されているそうです。ROBO-ONEも今年で23回を数えるそうで、ロボットが男の子の夢であることに変わりはないです。
京都女子大MECH
キーボードやコンデンサ、基盤等を使ったアクセサリの販売をしていました。理系女子がんばってます。ぜひ、通電してアクションのあるアクセサリにもチャレンジして欲しいです。
今や「IT」というとなんか陳腐な言葉に聞こえてしまいますが、オープンソースにせよ、CMSにせよ、ロボットにせよ、アクセサリにせよ、情報テクノロジーを中心とした社会がこれからもまだまだ進歩していくことは間違いないです。
自分は文学部卒のバリバリの文系人間ですが、高3までは理系を目指していて、高3の夏に数学に挫折して、文系に180度方向転換してしましました。それはそれで良かったのかも知れないのですが、今、文系か理系か、とアドバイスを求められたら、男女に関わらず、迷わず理系がおすすめ、と断言していいです。
せっかくなので会場のATCの写真をアップしておきます。
この近未来的なホール大好きです。ここが大阪とは思えない空間が広がっています。
奥がKOFの会場です。
同じフロアにジェイ・モデリングというジオラマ制作屋さんのショールームがあります。この時間営業していなかったので、写真がちょっとボケているのをご容赦。
ATCのエントランスホールを走り回っていた、お食事中(充電中)のRobovieです。ヴイストンさんの作品のはずです。
ここから別府へ向かう「さんふらわあ・こばると」です。弾丸フェリー10,000円というチラシを見つけました。大阪、別府往復0泊3日1万円だそうです。これで温泉だけ入って往復してくるのはアリですね。
もうクリスマスイルミネーションです。この時期にこんなの見ると、何か焦りを感じます。