孔舎衛坂駅
近鉄奈良線の石切駅と生駒駅の間、新生駒トンネルが開通する以前、石切駅は現在地より数百メートル南側に位置していて、生駒トンネルの大阪方の入口に孔舎衛坂という駅がありました。「くさえざか」と読みます。昭和39年東京オリンピックの直前に新生駒トンネルが開通と同時に廃止されています。
奈良からの帰り道の夕暮れ時、ちょっと石切駅で途中下車してみました。
石切駅を下りて北側の改札口をでたところでパノラマ撮影、大阪平野を一望できます。奈良線の枚岡-石切間の車窓からも同様の車窓が楽しめます。日本中の車窓からの眺めベスト10に入れておかしくないと思います。
駅の廃墟は住宅地を5分程歩いたところですく見つかります。対向式のホームがほぼそのまま残されています。奇妙な駅名の由来は日本書紀にちなむもののようですが、詳しくはWikipediaを参照してください。
その先の旧生駒トンネルの入口は閉鎖されていますが、トンネルは奈良県側に続いていて、奈良県側の入口付近は昭和61年に開通したけいはんな線として利用されているそうです。今もけいはんな線に乗ってよ~く観察すると、その分岐点がわかるそうです。
トンネルは厳重に管理されていますが、トンネルツアーが開催され公開されたこともあり、実際にツアーに参加した人の話では路面は舗装され、車で入って行くことができるそうです。
大阪行ホームの横に祠があります。過去の列車事故での犠牲者慰霊のためのお地蔵さんと思われます。
廃駅のすぐ隣に変電所があり、今も現役の施設です。廃駅の架線柱を通って、生駒山上に向かって送電柱が続いていて、今も奈良線に電力を供給している由。
廃駅の沿道に建てられた道標です。石からするとかなり古いもののように思われますが、手のレリーフが可愛い。
道標が指差す方角と逆の方に山道が山頂の方に繋がっているようです。振り返るとかなり日が沈んできました。
石切のオシャレな住宅街を行く小さなバス、坂道はかなり急です。付近はスグ近くまで鬱蒼とした森が近づいています。
新生駒トンネルから出てくる近鉄電車です。
夕陽があべのハルカスに突き刺さっています。
石切駅の山側にある石切神社上之宮、周りは人っ子ひとりおらず、かなり暗くなったので、石段を上がるのは諦めました。
ガードをくぐって西側の石切神社参道入口です。空には流れ星みたいな飛行機が。
この辺りどこもかしももそうですが、かなり急な坂道です。下り坂の参道ってかなり珍しいですが、坂道を下りた先にでんぼ(おでき)の神さん石切神社があります。お百度参りでも有名ですが、やっぱり殆ど人がいないので帰ることにします。
上本町の鉄道バー「駅」にある孔舎衛坂駅の駅名票です。殆ど文化財級です。これを見ていつか孔舎衛坂駅に行ってみようと思っていたワケです。
孔舎衛坂駅行ってきたよ、と話したら、駅長秘蔵の孔舎衛坂駅入場券を見せてくれました。昭和39年7月18日、廃駅になる5日前のものです。