なんだこれは!
今朝の日曜美術館は大徳寺展、公開される機会の少ない大徳寺龍光院所蔵の国宝曜変天目も展示されていて、カメラワークやライティング、撮影機材が超一流のせいか、これまでネットで見た龍光院曜変天目よりずっと美しく見えました。静嘉堂文庫の国宝曜変天目も公開中なので、よほど東京へ行きたいところですが、どちらも写真撮影NGらしい。残るもうひとつの国宝曜変天目、藤田美術館の曜変天目は舐め尽くすように見て写真もいっぱい撮っているので、ガマンします。
ということで日曜美術館展開催中の中之島美術館へ。
62系統のバスで渡辺橋に到着、フェスティバルプラザのキッチンジローは閉店してしまったので向かいのインデアンカレー。阪神バル横丁の店や宗右衛門町の本店にはなく食べたことのないインデアンスパゲティーにするつもりが、やはりインデアンカレーたまごのせにしてしまいました。隣の席の人のインデアンスパゲティーが美味しそうでした。ちなみにインディアンカレーではなくインデアンカレーだそうです。たまごのせは基本的に黄身だけですが、全卵で、と注文することもできるとも分かりました。
美術館への道のりにドリンクの自販機は設置されておらず、美術館の人に尋ねると入口の手前にあるとのこと、引き返すと隠れるように設置されていました。中之島では自販機は町の美観を損ねる存在と扱われているようです。
語り継ぐ美
第1章「語り継ぐ美」展示室にはいると「水浴(大原美術館蔵)」など撮影NGのセザンヌが数点並び、続いてシュルレアリスムのベルギー人画家・ルネ・マグリット レディメイドの花束(1957年、大阪中之島美術館)。
マグリットの自画像の山高帽の男性の背中に、ボッティチェリプリマベーラの女神フローラ。どこにでもいる普通の凡人と女神の結婚を描いているらしい。見較べるとかなり細部まで細かく模写されているものの、白い肌と陰影、髪や花の繊細さなど、どう見てもボッティチェリの方が圧倒的に美しい。マグリット自身、この退屈な男の背中に大好きなプリマベーラのイメージが重なったら面白いと思っただけ、と語っているらしい。退屈な凡人の美に対する憧れを描いたものなのかも。だとするとボッティチェリへの強い憧れを持つ自分の背中と言えそうです。
合掌土偶(複製、八戸市風張1遺跡出土、原品は縄文時代後期期 - BC2000-BC1000年、茅野市尖石縄文考古館所蔵)、土偶 仮面の女神(複製、茅野市中ッ原遺跡出土、原品は縄文時代後期期 - BC2000-BC1000年、茅野市尖石縄文考古館所蔵)、
甲府盆地から諏訪にかけての中部高地では縄文土器や土偶が多数出土しており、石器の材料となる黒曜石の原産地で全国から人や情報が集まる縄文文化の中心地だったらしい。茅野市尖石縄文考古館の他に釈迦堂遺跡博物館(中央高速釈迦堂PA内)、山梨県立考古博物館(甲府市)、南アルプス市ふるさと文化伝承館、韮崎市民俗資料館、井戸尻考古館(長野県富士見町)、岡谷美術考古館などに行ってみたいマーカーを並べているのですが、まだ実現していません。
縄文土器 深鉢火焔型土器(長岡市岩野原遺跡出土縄文時代中期、國學院大学博物館)、これは実物です。
幅10m以上ある鴻池朋子 マップ・インフラ・メディシン(2024年、青森県立美術館)、メディシンとは自然治癒力、インフラは道筋を意味し、身体の感覚を総動員してそれぞれのペースで歩む生き物の小径を各地で探す画家によるインフラ・メディシンプロジェクトの下、全国に設置されたアート作品の位置を示す地図らしい。
向こうへ抜ける通路を挟んで作品は続いていて、端っこのトートバッグも忘れ物ではなく作品の一部で、大事なものを捕まえたときに見えないように持ち運ぶもの、と脇のパネルに紹介されていました。
インフラ・メディシンプロジェクトのウェブサイトにメディシンインフラとはという長文があり、鹿児島の猟師に出逢い、解体されたばかりの鹿の内蔵に手を差し込んで暖を取り、里で料理してもらい美味しくいただき特別なメディシンになった、と語られていました。その鹿肉のようにメディシンとなる作品の制作を目指すプロジェクト、と自分なりに理解できた気がします。ただどの説明文も自分には難解で、画家の作品に対する思いの半分も理解できていないと思います。
ウェブサイトトップページにはプロジェクトの下、実際に展示されている作品の地図があり、ここ中之島美術館のロビーにオオカミベンチという作品が展示されています。入館する前に気づいたものの、記念写真を撮っている人がいて帰りに確認しようと思っていたのが忘れてしまった次第。大阪城公園やグラングリーンなどにもオオカミベンチのバリエーションが設置されているようです。
鴻池朋子 皮緞帳(2015年、高橋龍太郎コレクション)は、24m x 6mの牛革を繋ぎ合わせたキャンバスに水彩とクレヨン。自分の第一印象は太陽の塔の中の生命の樹、なんだこれは!
右端は大洋の火山島とその下に広がる地底世界、その左には恐竜の口の中、動物の体内のような世界、氷結した世界、左端は大木を地中から見上げた世界、でしょうか。高橋龍太郎コレクションは草間彌生、奈良美智、村上隆、ヤノベケンジらの3500点を超える世界最大級の日本現代美術コレクション。
セイウチ、ホッキョクグマ、ゴリラ、ダルメシアン、トラ、カバ、アミメキリン、レッサーパンダ、トナカイ、イワトビペンギン、アオサギ、コブハクチョウ、ライオン…、ジュラ紀の始祖鳥までいます。火と水の荒波の上にはモモンガとコウモリ。
「Kegare」について作者が語るパネルに見つけた一文:
kegareを描いた頃は想像もしていなかったのですが、ここ数年を振り返ってみても、私たちの住む地球は本当に多くの災害が起こりました。コロナ禍、地震、戦争、気候変動による数々の出来事など、「災い」と呼ぶ、人間がコントロールできない生き物と、これからはさらに濃密に共に生きていかなくてはなりません。
鴻池朋子さんの作品が、なぜ「災いと美」テーマで展示されているのか、ようやく分かってきました。
山口晃 ショッピングモール(2015年、大川美術館寄託)は、画家が育った群馬県桐生市の町並みを描いた洛中洛外図屏風。JR両毛線桐生駅付近です。大川美術館は駅から徒歩13分くらいにあります。