ベンケイガニたち

もうええかげんにして〜の連続猛暑日、大阪市の予想最高気温は何と37.0℃、コロナの時のように不要不急の外出は控えましょうとテレビで言ってますが、それでも朝早く出て午前中に帰って来ればなんとかなるかも。

去年は7月29日に同じ作戦で男里川河口で鳥見、蟹見をしてます。去年7月29日の関空島の最高気温は31.4℃、今日の予想最高気温は34.5℃。やはり去年より3℃も高いものの、それでも大阪市内より2.5℃低くまだましなので出かけることにしました。

朝5時半にはウチを出るつもりだったのが今日も出遅れてしまい、南海難波駅に着いたのは6時、またまた5時50分の和歌山市行急行に乗りそびれました。難波駅でSIMカードの自販機を発見、31日間容量無制限で6300円は、通常の5Gプラン契約と大差なく、とてもリーズナブルかと。キャッシュレスオンリーなのになぜかおつりが出てくる口があり、商品取り出し口には「のんだあとは」とあるのでドリンクの自販機を改造したものらしくいささか怪しげですが、難波駅の目立つ場所に設置しているくらいだから信頼できそうです。

QRコードは自販機で購入するのとは別物のeSIMというサービスで、物理的にカードを差し替えるのではなく、スマホに装填されたSIMカードにネットから契約情報を書き込むものらしい。どうやらSIMフリーというのも遠からず過去のものになりつつあるようです。

もうパスポートが切れて15年くらいなるのですが、かつて頻繁に海外出張していた頃、自分のガラケーやスマホはSIMカードの交換ができず、ローミング通信費はバカ高なので、香港やアメリカで現地の格安ガラケーを買っていたことを思い出すと隔世の感がします。

隣のピカチュウの自販機は何なのか、まだまだ南海難波駅ならではのものが見つかりそうですが、6:10の9000系空港急行で出発。

泉佐野でみさき公園行普通車に乗り換え樽井で下車。いつもなら樽井駅からだと男里川右岸河口ですが、今日は右岸河口をパスして菟砥橋から左岸河口へ向かうことにしました。

ワタキューセイモアの工場手前で左へ曲がったところの水路の上をトンボがいっぱい舞ってます。スマホで撮っただけですがたぶんウスバキトンボ。水路の中を覗くと10cmくらいの魚がいっぱい、たぶんボラの幼魚。出世魚のボラ、関西では3cm以下がハク、3〜10cmサイズをオボコ、10〜15cmサイズをスバシリ、15〜30cmをイナ、30〜50cmがボラ、50cm以上をトドと呼ぶそうで、スバシリくらいかな。

サザンコースト2号公園のベンチにシオヤアブ。鮮やかなピンクはマツバボタン。

1号公園にはヒマワリ。ヒマワリの蕾はなかなかユニークな形をしています。

男里川左岸河口

ファミリーマート泉南男里店でいろはすとハムカツサンドを買って菟砥橋を渡ります。海上はもやっていて関空の向こうに六甲は見えません。できる限り重い物は持ちたくないので、ミネラルウォーターは基本的にペコペコボトルのいろはすです。

左岸の河川敷に下りると中洲にキアシシギ、逆光ですがシルエットで分かります。周囲にミューミューと鳴き声を響かせ、10羽くらいいそうです。

カニをゲット。別の子もカニをゲット。シベリア辺りからオーストラリア辺りへの旅の途中、いわゆる秋の渡りの始まりですが、夏の渡りと言った方が良さげです。

左岸の護岸壁にカニたち。さんざん調べたのですが、黒く四角いのはベンケイガニ科カクベンケイガニ、赤く大きなハサミはベンケイガニ科ベンケイガニで間違いないかと。赤いベンケイガニ科ベンケイガニは初見のはず。

護岸壁の継ぎ目のところがお気に入りらしく、継ぎ目のある区画毎にいて、継ぎ目の無い区画には1匹もいません。

カクベンケイガニは後ろにいるベンケイガニ科ベンケイガニと較べて明らかにハサミが小さい。ひょっとしてベンケイガニの雌かもと考えてみたのですが、どう見ても同種とは思えないです。

もう1枚の黒いカニもカクベンケイガニ、足の斑点模様が同じです。甲羅がツルンとしてるのは脱皮して間がないためではないかと。

オレンジ色のツブツブはカニの卵のようです。ベンケイガニは夏の大潮の日に海岸で卵を放すことで知られているらしく(参考)、まさに今日は大潮です。

すごく綺麗なぬるぬるのベンケイガニ。 横から撮っているのではなく、ほぼ垂直の護岸壁にいるところを上から撮ってます。

カクベンケイガニ2匹とさっきとの別のぬるぬるベンケイガニ。

前回からは想像できないほど広がった男里川河口、大潮で干潮のピークは12時で24cm、まだ8時でこの時点の潮位は106cm(関空島データ)。

前回の1/10もないサイズに小さくなった河口の島にウミネコたち。

羽田からJALB737-8が到着。続いてバンコクからの夜行便JAL B787が到着。

石積堤防の向こう、尾崎の浜の隅っこにキアシシギ。さっきと違って順光です。

左岸河口の水たまりを囲む青々としたハママツナ。水たまり上空を舞うのはナツアカネのようです。

尾崎の浜改め福島海岸

空色が鮮やか過ぎるiPhone12の超広角です。これまで名前が分からず自分は「尾崎の浜」と呼んでいた浜、どうやら福島海岸という名前があることが分かりました。潮位が高くテトラポッドまで歩けるはずがずっぽり海に沈んでます。

男里川左岸河口付近は古文書に尾崎村ノ内福島という表記が残るそうで、現在も孝子越街道沿いに阪南福島郵便局があります。

石積堤防を越えて福島海岸の隅っこに下りるとホワイティことシロチドリ。

フィッ、フィッというシロチドリの鳴き声は初めて聞いた気がします。

砂団子が散らばった巣穴、コメツキガニのものっぽいのですが出てきません。

シロチドリは水路の向こうへ移動。

メダイチドリも登場。シロチドリは2羽に。

姿勢のいいメダイチドリです。テトラポッドの方へ移動。

福島海岸北から2番目の区画の浜に流れ込む水路の蓋(浜に伸びた白く長い部分)に腰を下ろしてひと休み。砂浜にスナガニのものらしき巣穴と砂団子が散らばっていて、ハムカツサンドを頬張りながらじっと観察していたのですが、現れず。

アマゾンで2700円で買ったばかりのマリンシューズに履き替えました。自分はマヌケの小足で24.5cmですが、サイズは1cm刻み、靴下を履かない分小さ目の24cmにしたのは正解でした。砂浜を歩く分にはいいものの砂利浜ではソールが厚くないので歩きにくいです。

みるみる潮が引いてテトラポッドの下まで歩いていけるようになりました。ハクセンシオマネキエリアですが見当たらず、見つけたのはヤドカリだけ。

キアシシギとシロチドリ、メダイチドリはどっかへ行ってしまいました。

ハマゴウです。

一番期待していた砂浜にも巣穴と砂団子、でも砂団子が乾燥してしまっていて、今朝作られたものではなさそうです。スナガニは現れず。

潮だまりの中の黒い砂山のてっぺんから水が吹き出していました。何かの貝ですが、引っ込んでしまいそれっきり。

ヤドカリがえっちらおっちら足跡を描いていました。

午前9時半、まだ堤防の影で暑さをしのぐことができます。ミューミュー、キアシシギ。

間近でキアシシギ。

シベリアから猛暑の日本にやってきてどう思っているんでしょう。大阪湾の水も綺麗になりました。

福島海岸(尾崎の浜)の全景です。マリンシューズでコンクリートの舗装を歩いていてもやはりゴツゴツして歩きにくいです。

マリンシューズのまま帰えるつもりだったのですがとても駅まで歩ける感じじゃないので、石段の浜に腰を下ろしていつもの安全靴もどきに履き替えました。今日は淡路島が全く見えません。

9時50分、海風が心地良いものの、かなり気温が上がってきたと実感でき、いろはすもお湯になってしまっているので、今日はここまでにします。UR団地を抜けてファミリーマート阪南尾崎町五丁目店で水分補給。

ビ、ビ、ビール

ファミマ前の水路を覗くとやはりいました。ベンケイガニ科ベンケイガニでもカクベンケイガニでもなくクロベンケイガニのようです。ゴミの多い水路ですが、水は澄んでます。

結局今日はスナガニ、コメツキガニ、ハクセンシオマネキには会えなかったものの色んなベンケイガニたちにいっぱい会えたので満足です。

手をついて、見合って見合って、待ったなし、のクロベンケイガニ。

ここから駅までの海風も吹かなくなった1kmの道のりがキツかった。モミジアオイ、これも真夏の花。

いつもの喫茶店、まだモーニングの時間ですが、ビ、ビ、ビール。もう声がまともに出ませんでした。

蔵のあるお宅の解体工事。炎天下で水をかけながら二本指の重機で引っ剥がして行きます。蔵が記録しといてやと言ってるような気がしました。

確実に座りたかったのでサザンの指定席で帰ります。9000系の後ろは12000系サザンプレミアム、7割くらいの乗車率に感心。

難波到着、3番線には6000系。8月21日から7100系の濃淡グリーン復刻塗装が運行開始予定、4両だけなので、サザン運用がメインではないかと推測。

上本町にたどり着き外へ出ると、この年になって初めて経験するような暑さにビックリ。