のっぺり水面の河口

大潮で干潮のピーク午後2時の潮位は1cm、そして快晴、男里川河口一択の土曜日です。1年前同様の潮見の日、トビハゼとスナガニを観察しており、期待が膨らみます。

7100系サザン自由席車のよく揺れる車内、泉佐野でかなり空いたと思ったら、発車直前に中国人のおじさんふたりとおばさんひとりが駆け込んできたものの、リーダーらしきおじさんは何やら落ち着かない様子で路線図をチェックしています。どうやら関空行と乗り間違えたようです。もうひとりのおじさんとおばさんは完全にリーダーさん任せであっけらかんとしています。

尾崎に到着、やはりおじさんたち3人も下りて上りホームへ向かって行きました。調べてみると関空到着は乗り間違えたことで30分遅れです。7100系の写真におじさんたちがバッチリ映り込んでいたのはカットしたのですが、リーダーさんは比較的落ち着いた表情、どうやら余裕を持って関空に向かっていて、たぶん免税店でお買物できないくらいで済みそうです。自分なら顔を引き攣らせていたところです。

UR尾崎団地前のファミマでおにぎりを買って行こうと思っていたのですが、尾崎駅を出るといつもの喫茶店のコーヒーの幟が目に入り、せやしよ〜、もういのら〜、と飛び交う大声の泉州弁を聞きながらモーニング。(左記を翻訳すると、だからね、もう帰ろうよ、です。)

ファミマに寄る必要がないのでいつもと違う道を歩いてみます。通りの右手は1716年創業の浪花酒造、手前のベージュの塀のところは酒蔵社長の成子家住宅、文化庁登録有形文化財だそうです。グループで予約して見学できるそうですがウェブで公開されたVRでも見学できるようになってました。文化財としての管理だけじゃなく生活空間じゃないところの掃除だけでも大変かと。

尾崎漁港越しに関空です。

ホワイティ尾崎

尾崎漁港をぐるっと廻り、北側の浜に到着。

エアアジアXのA333、昨日同社同型機のバンコク行が車輪を格納できず2回も関空へ引き換えしたそうですが、この便はクアラルンプール行。

エバーグリーンのコンテナ船をバックに大韓航空B777が到着。

ここから石段の浜へ水辺を歩いて行けると気づきました。

赤灯台の左上にコアジサシ(拡大しないと分からないかも)。

キャセイ A359がテイクオフ。

神戸長田辺りのビル群を遠景に到着のB787はエティハド航空、アラブ首長国連邦のアブダビ首長国を本拠地とするエアラインで去年10月から関空に就航していると分かりました。最近エミレーツ航空のTVCMがよく流れていますが、エミレーツは同じアラブ首長国連邦もドバイ首長国が本拠地。エミレーツは就航中のB777が6月から総2階建て巨大4発機のA380に置き換えられるそうです。

離陸したスターアライアンスのA333、よーく見ると矢じりのようなロゴが見えアシアナ機のようです。その右上でコアジサシがホバリング態勢(こちらも要拡大)。

沖に浮かぶ定置網のブイが白いフンで汚れ、いくつかのブイにコアジサシが止まっています。コロナ禍真っ只中だった3年前以来です。

いかんせん100m以上先の24cmの鳥、当時の愛機、フジフィルムFinePix S1より不鮮明です。

コアジサシではない鳥も見えるものの不鮮明すぎて判別できません。

中国国際航空A320が浙江省杭州から到着。20年くらい前、何かの展示会で訪ねた記憶があります。発音は「ハンチョウ」ですが、日本語では広東省広州と区別するため「くいしゅう」と読むことが多いです。

すっかり干上がった尾崎の浜を完全に独り占め。

テトラポッドの向こうからコアジサシらしき鳴き声が響いてきます。Google Mapの航空写真を拡大するとテトラポッドの向こう側に定置網の陰が見えます。この定置網のブイにコアジサシが集まっているようです。

順豊航空のB757は深圳からの貨物便。経済特区として発展してきた深圳、おもちゃの仕事をしていたころ東莞の工場への行き帰りに何度も立ち寄っています。今もそうなのかはわかりませんが、香港と深圳の間だけじゃなく、深圳と深圳の外側の広東省の間にもパスポートコントロールがありました。その後、おもちゃや生活用品などの軽工業が自動車やIT産業に変身、世界の工場と呼ばれていたエリアですが、YouTubeを見ると不動産バブルの崩壊や外資の撤退などですっかり様変わりしているようです。

スナガニエリアにはスナガニどころか一粒の砂団子も見当たらずガッカリ。そこへシロチドリ登場。

もう1羽、首の周りやおでこに黒い部分が無くたぶん♀です。

いつもシロッチと呼んでいるシロチドリ、♀はホワイティもいいかもと思いつきました。

尾崎の浜南側の眺めです。三角錐の山は飯盛山、その手前に並ぶ赤い屋根の住宅群は箱作の高台、その手前、防波堤の向こうが尾崎漁港。赤い屋根の住宅群まで6kmくらい、こんな遠近感の無い景色がお気に入り。

♂がこちらに近づいてきてくれました、もう5mくらい。

雌雄の判断は難しいのでもう雌雄関係なくホワイティ、ホワイティ尾崎と呼ぶことにしました。

スナガニはいないもののテトラポッド下の甲羅の黒いハクセンシオマネキたちはいました。

腰をかがめたホワイティ尾崎。

浜辺に高く背を伸ばしたカリフラワーみたいなのはハマウド。

ひょろりと立ってる建物はUR尾崎団地の給水塔、飛行機からもよく見える建物です。

男里川左岸河口へ歩きにくい岩積堤防を歩いて来ると、ゴム長を履いて海の中をザブザブと歩いて来るグループが。何やら漁網らしきを広げています。

さっきまでホワイティ尾崎たちと遊んでいたあたりに旗。大阪府の府章と◯に許の字、どうやら大阪府の許可を得て、生態系の調査をしている学生さんたちのようです。よほど戻って何が採れるのか見てみたい、尋ねてみたいという衝動に駆られたのですが、岩積堤防を戻るのは面倒なので止しておきました。

河口のヌシたち

男里川左岸河口では今日もミサゴ。もうすっかり男里川河口のヌシです。

ミサゴの漁は失敗。コアジサシも舞っているのですが撮るのが難しすぎ。

自分の他にバードウォッチャーが3人ほど、長い袋を担いで自分の前を歩いていたニイちゃん、釣り竿かと思いきやアウトドア用のチェア、それを広げ読書。海辺の楽しみ方は色々です。

須磨などと違って人が少ないのが男里川河口の居心地の良さの源泉。近くに設備の整った泉南ロングパークや里海公園もあり、今日はBBQの人たちもゼロ組。周辺に駐車場が無いおかげです。

こちらもすっかり居着いてしまったハッカチョウ。

キアシシギがまだいました。対岸にはキョウジョシギ。

何を撮っているかというと上空を旋回している2羽のコアジサシです。ミサゴじゃなくてウミネコが通過。

明石海峡大橋をバックにキャセイのB777が到着。香港経由で深圳、東莞へ足繁く通っていた頃もキャセイに乗ったことはほとんどなくてJALばかりでした。まだ羽田発の国際線もLCCもなかった頃ですが御徒町のJTBで格安航空券を手配、概ね5万円程度で往復できた記憶があります。

調べてみるとイマドキのLCCでも往復3万円程度はする訳で、狭いLCCで4時間はつらいかと。JALなら美味しい機内食が出てきて、無料のワインを飲んで、ロードショームービーを見ているウチに香港に到着です。ちなみに機材はいつもB747ジャンボ、2階もエコノミーで螺旋階段を上った通路1本に両側3列シートの狭い空間がお気に入りでした。水辺にキアシシギ。

川面を覗くと魚がウヨウヨ、横向きで銀色のお腹を見せているのもいます。スズキの幼魚、セイゴと思われます。

川辺にノイバラがいっぱい咲いてました。菟砥橋のファミマでビールとコロッケを買ってサザンコースト公園で休憩。

のっぺり水面のキアシシギ

右岸の堤防から中洲を覗くといつものコチドリ。

堤防をスタスタ歩いてるニイちゃん、自分には絶対できない芸当です。高所恐怖症ではないですが、崖っぷちが怖い症候群の自分、柵に囲まれていない山道ではいつもビビってます。

干潮のピークを過ぎたばかりの右岸河口です。こちらにもキアシシギ。

右岸河口先端に特大のタイドプールができてました。逃げ遅れた魚が残っていそうです。

水が濁っているので不鮮明ですがアカエイがいました。

10cmくらいのでかいカニ、ハサミが毛で覆われています。モクズガニです。

タイドプールの海側には丘が盛り上がってます。

丘に上ると河口の水深がごく浅い部分は水面がのっぺり、不思議な光景が広がっていました。

分かりにくいですがキアシシギが4羽とキョウジョシギが3羽います。

水面が変化する位置にキアシシギ。

仲良しのキアシシギとキョウジョシギたち。海上保安庁かつらぎがやってきました。

水浴びというより水遊びしているキアシシギ、のっぺり水面の手前で消える波が美しい。

右岸河口の流れ、泥干潟へは水路が届かなくなってしまいやはりトビハゼは見つかりませんでした。

川辺にはアシハラガニがいーっぱい。川辺も泥は泥なのですが泥干潟の泥のような粘度がなさそうでトビハゼは棲まないようです。

水が流れなくなっているものの泥干潟にはハクセンシオマネキ、繁殖期でウェービングアクションが派手になってます。

間近のアシハラガニ。

水の中のアシハラガニ。

巨大タイドプールに戻ってきてもう一度アカエイを探してみたものの見つからず。赤いカニはイソガニかな。

通常は海の底を歩き回ったので靴はドロドロ。

防波堤を越えるとニャンコと目が合いました。まだ時間は早いので泉南ロングパークまで歩いてみようかとちらっと思ったけどこのまままっすぐ樽井駅へ。

緑道の小さな薄紫の花、このブログ初登場のヒナギキョウです。

この時期緑道の主役はキンシバイ。

難波に到着、サザンプレミアム12000系が泉北ライナー代走になってました。