男里川河口の朝

果てしなく続く猛暑日、それでも自然観察に行きたいので朝早く出て30℃を越えるまでに引き上げるという作戦にしました。行先はシギチの秋の渡りが始まっているかもしれない男里川河口、海風が吹いて幾分涼しいはず、干潮のピークが午前中と潮見も悪くないです。

5:50の和歌山港行急行に乗るつもりだったのが、出掛けに何気なくテレビで落語をやっていたのを見てしまい出遅れました。

6:10の空港急行は1編成しかないレア物の3000系8連、ドア脇に泉北高速のロゴを外した跡が残ってます。

カブリツキ席から朝日を受けた1000系、運転士さんのバッグが目の前にあるものの隅っこに寄せてくれているので一応OK。

泉佐野で普通車接続はなく、泉大津で退避していた普通車はレア物のみさき公園行の7100系。運転士さんがバックを床に置いてくれたのが嬉しい。

男里川右岸河口

樽井に到着、水を買っておきます。いろはすのボトルが新しくなってました。独特のペコペコボトルはこれまでと同じです。

男里川河口への緑道のところどころにちょうちんの骨のようなものがたくさん立っています。まだ白い花も残っていて、枯れてしまったノラニンジンと分かりました。

男里川右岸河口です。

河口に下りると早速ミューミューと聞こえてきます。水辺にキアシシギ、シギチの秋の渡りが始まってました。

男里川右岸河口先端です。波も穏やか。

ヨットの帆と被ってしまったもののエアアジアXのA333が到着、クアラルンプールからの夜行便です。

何やら人懐っこい子はハクセキレイの幼鳥。

清掃工場下の泥干潟にはアシハラガニがいっぱい。同じ穴に2匹入ってました。

正面からアシハラガニ。何年も通っている男里川河口でこんなにたくさんのアシハラガニは初めてです。今年になって大繁殖したのか、アシハラガニは夜行性らしく、こんな朝早い時間に来たためという可能性の方が高そうです。

ヤマトオサガニもいっぱいいます。トビハゼとの再会を期待していたのですが、泥干潟に水たまりが少ないせいか、見つかりませんでした。

甲羅のリベットがとてもかっこいいアシハラガニです。

ハクセンシオマネキはどうしたか、と漸く見つけました。

ところが振り返ってみると自分の歩いてきた跡にいっぱい、白い点々は全部ハクセンシオマネキです。

左手の大きなハクセンシオマネキと右手の大きなハクセンシオマネキ、その後ろにミニミニハクセンシオマネキ。

河口の中洲へ歩いて渡れました。中洲の葦原のアシハラガニを狙ってみたもののなかなか現れず、とりあえず撮っておいた一枚を拡大してみると葦原の中はほとんどがヤマトオサガニ、アシハラガニは葦原からちょっと外れた泥の上です。

河口の川底にはアオサがびっしりゆらいでいます。海の向こうには明石海峡大橋がくっきり、左端には淡路SAの大観覧車も見えます。

あっという間に8時を回っていたので、左岸へ向かいます。

右岸の道のソメイヨシノでは耳が痛くなるようなクマゼミ大合唱。80〜90dBあるそうです。アブラゼミは70〜80dBだそうで昔アブラゼミが主流だった頃より煩くなっています。ウチの近所、千日前通の並木はもっと煩く、大阪城公園の森はじっとしていられないくらいです。

男里川左岸河口

魚群はたぶんボラの稚魚。河口の地形がまた変化し、左岸寄りの流れがせき止められていました。ボラの稚魚たちが海に出るには一旦川上へ遡り、右岸寄りの流れに入らなければなりません。

あっちを向いているので分かりにくいけどコチドリです。

何気なく撮った1枚に帰ってからビックリ、陽炎でピンボケですが周りの機体の10倍くらいのでかい奴、エアバスA300-600ST ベルーガです。関空の今日の発着便をチェックしても出て来ないのですが、ツイッターに離陸動画がアップされていていて機体番号F-GSTCと分かりました。世界中で5機しかないエアバス自身が運行する貨物機でヨーロッパ各地に分散しているエアバスの工場へ航空機部品やコンポーネントを運ぶ主な役割の他、大型航空貨物のチャーターも請け負っていて、FlightAwareを見ると今日は何用か関空と神戸空港を往復しています。

河口の中洲にキアシシギ、こちら側にもキアシシギ。

河原から海辺に出ると海風が吹いて一気に涼しくなります。左岸河口先端にもキアシシギ。

今朝の朝ごはんです。小さな流れに両手のハサミを掲げたイソガニ、白い部分は水に浸かっていない部分です。

左岸河口の地形も大きく変化して石積み堤防の脇にイソガニがいた川の流れのようなものができています。ハママツナの池も復活していました。

尾崎の浜

ANA上海行A320がテイクオフ。

テトラポッド下にいたのはキアシシギじゃなくてイソシギ。

水辺にシロチドリ、小さなカニをゲットしたようです。

テトラポッドに頭隠して尻隠さずのコサギ。CXのA333がテイクオフ。

砂浜にはミズクラゲが多数。お気に入りのシロチドリ正面が撮れました。

あちこちからキアシシギがミューミュー。

スナガニ

いつもの場所に砂団子、しばらくじっと待っているとでてきてくれました。そーっと順光側に移動します。

穴から姿を出しているもののじっとしたまんまです。

しばらく待っていると動き出しました。巣穴に引っ込む、巣穴から出て様子を伺う、心配ないと判断して活動、と3段階で危機管理をしていると分かりました。

色の薄いのは脱皮したばかりのスナガニかと。

面白いアクションを見せてくれました。よく見るブルブルっと身震いのアクションの後、一瞬体を前倒しにして地面に伏せ、何かを吐き出したように見えます。

いっぱいいるところです。

おっと、コメツキガニも交じってました。

ジェット機の離陸音にミューミューとキアシシギの鳴き声、男里川河口ならではの音の世界をBGMにスナガニ。

10時を回りました。遊び足りなさは残るもののそろそろ引き上げ時です。

さっきからしきりに舞っていたツバメがえらくくっきり撮れてました。

まだ堤防の日陰が残っているのはありがたい。

堤防の日陰からシロチドリ。

石段の浜に腰を下ろすと、日陰は無いものの海風が涼しく気持ちよく、いつものように立てなくなりました。汗びっしょりになったシャツを着替えさっぱりしたのですが、疲れがどっと出てきました。樽井駅前で買ったいろはすはお湯になってしまったので、ファミマ尾崎五丁目店でドリンクをゲット、ここから尾崎駅までの1kmの長いこと長いこと。

へろへろになって尾崎駅前のいつもの喫茶店にたどり着くと氷の旗、ちょうど11時を回ったところでランチタイムが始まったばかり、生姜焼きセットにするかかき氷にするか究極の選択、さんざん迷って宇治ミルク金時に決定。たっぷりのった苦手なはずのあんこもしっかり平らげ、汗がすーっと引いていきました。