伊丹

先週、和歌山県立自然博物館で案内されていた伊丹市昆虫館の「企画展 奇蟲」を訪ねることに決めました。周辺に他に見どころが無いか探していると超大物を発見。伊丹といえば、そう空港です。滑走路の南側、千里川土手へは2回訪ねたことがあるものの、滑走路の北側だと迫力ある離陸シーンが堪能できそうです。午前中は晴れ、午後から曇りの予報なので、先に空港北側へ向かいます。

今日の出発点は難波でも梅田でも天満橋でも天王寺でもなく野田阪神。野田阪神からJR東西線に乗り換えると目的地の北伊丹まで大阪駅乗り換えより90円も安いと分かったためです。

殺風景な千日前線野田阪神からJR海老江駅への連絡通路、点字パネルの途切れた先が海老江駅の改札です。パンでも買っておこうと思っていたのですが野田阪神改札を出たところに小さなファミマがあるだけ、それも行列ができていたのでJR改札へ進みます。

JR東西線を利用するのはたぶんまだ3度目くらい、海老江干潟へは何度も来ているのに海老江駅は全く初めて、野田藤がアピールされていたのはちょっと嬉しい。

やってきた西明石行に乗り込みます。同じ7分30秒ヘッドも千日前線の4両と違い7両編成、ロングシートでも座り心地がいい207系/321系です。

尼崎駅4番線に到着、待つことなく3番線の新三田行に乗り換え。

北伊丹駅に到着、もちろん初めて下りる駅です。駅東側にはユニ・チャームの工場、西側は県立西猪名公園で、小さなテントを張ったファミーリーがびっしり。調べてみるとウォーターランドという園内のプールが今日から営業開始らしい。

改札を出てもコンビニ1軒見当たらず、マップをチェックすると猪名川を渡ってさらに400mほど先にローソンがあると分かりました。予定していた撮影ポイントのまだ向こうです。追い越し禁止の標識とANAのDash8。

猪名川の橋の上

国道171号で猪名川を渡ります。北側には箕面の山なみ。南側左岸が滑走路北端です。

川面を覗くとでっかいコイ。

黄色い機体が到着、ANA C-3POジェット、羽田からです。

コイの回りに小魚がいっぱい、コイの稚魚かと思いきや、カワムツのようです。

B777-200、C-3PO ANA JET  JA743A、2017年3月からこのラッピングで飛び続けていたものの2021年2月にエンジンの安全性問題で運行停止、2022年7月から運行再開したそうです。気温が高いせいか、さほど遠くないのに二上山をバックに陽炎で揺れてます。ちなみに相棒のR2-D2 ANA JET JA873Aは国際線で運行中も、男里川河口で見かけたことがありません。

ANA B767-300 JA617A仙台行が頭上で旋回、かなりしびれました。

続いてANA B787-8 Dreamliner  JA804A羽田行。

たまや食堂

ローソンへ向かっていたのですが、猪名川を渡ってすぐのところにいかにも昭和な感じの食堂、まだ10時を回ったばかりですが営業しているようです。入ってみようかどうしようか迷っていたら、自転車の女性がやってきて公園はあっちですよ、と首からカメラをぶら下げた自分を見て声をかけてくれました。この辺でうろちょろしているカメラマンが少なくないようです。

思い切って食堂のドアを開けてみました。年配女性がひとりで切り盛りしていて、ちょっとメニューが限られるけどラーメンもできると聞いてラーメンを注文。壁に張られたメニューをよく見るとめちゃくちゃ安いので、缶ビールを追加。ジロー系を食べやすくしたような感じです。

話し好きのおばちゃん、先月82歳になったばかりと教えてくれたものの、お世辞抜きで、とてもそのお年には見えません。1歳の頃から伊丹に住んでいて、もう60年近くこのお店を切り盛りしているそうな。50年ほど前、このお店の前を象が行進したのを見たそうです。1970年大阪万博の時の有名なエピソードで、タイからやってきた象たちが神戸港から千里の万博会場まで行進しています。それを生で見たなんてスゴすぎです。

ラーメンとビールでなんと600円。他にも昔の伊丹の話やご自身の身の上ばなしを聞かせてもらいました。ラーメンも美味しかったけど他のものも食べてみたいし、何よりお話がとても楽しく常連になりたくなりました。

表の道路、国道171号は自分も西宮の学校に通っていた頃何度も通った道、ここを象が行進していたシーンを思い浮かべてみます。MBSから当時の動画がアップされていました。

伊丹市のマンホールの蓋はハクチョウ、昆陽池のコブハクチョウと思われます。

ミャクミャクラッピングのJ-AIR E170 JA252J仙台行。今のところ全然興味が沸かない来年の万博ですが、象がやって来るならぜひ行ってみたいと思う。

エア・ポート・オアシス下河原

土手から飛行機を撮るつもりだったのですが、エア・フロント・オアシス下河原とあり、公園が広がっていました。

見覚えのある花、牧野博士が発見、命名した要注意外来生物のワルナスビです。

もうターミナルビルが間近も歩くと2kmほどあるようです。

JAL B763 JA623J羽田行がタキシングしてきました。

滑走路へ向かうJA623J、前を通るのは新千歳から到着のB737-800 JA339J。

IBEX CRJ-700福岡行がテイクオフ、向こうに見える庭園は伊丹スカイパーク、結構賑わっているようです。

JA623Jが羽田へ向けテイクオフ。

JAL ERJ-190 JA243Jが青森から到着。おっと、機長さんが自分に向かって手を振ってくれてました。嬉しい。

ANA JA461A Dash8-400熊本行、軽い機体でふわっと離陸、高翼機なので機窓の眺めがたっぷり楽しめます。

公園の奥に行ってみると「展望デッキ」があり、少し飛行機が近くなります。ちなみにほとんど人はいません。千里川土手よりのんびり飛行機を眺めることができます。

到着便は羽田からのANA B787-9 JA935A。バックにうっすら金剛山。

ANA B737-800 JA68AN羽田行がテイクオフ。

エア・フロント・オアシスを出て箕面川へ出ると飛行機をバックに愛車のカルマンギアを撮ってる人、年式を訪ねると70年式とのこと。とても大切にされていて状態は良さそうですが、クーラーは無いはずでこの時期はちょっとキツイかも。当初から目的地としていた滑走路の北端へ向かうと、C-3PO ANA JETが滑走路へタキシング中。

B滑走路北端にやってきました。C-3PO, Cleared for takeoff.

近づくにつれ陽炎がなくなり機体がくっきりシャープに。

頭の真上でランディングギアを格納。振り返ると左旋回。

那覇へ向け少し右旋回。

誘導灯の脇を河川敷に下りてみます。

ずんぐりした上翼機は日本エアコミューター ATR42-600、屋久島行です。大阪から屋久島直行便があるとは知らなかった。

特定外来生物のオオキンケイギクとよく見かけるアレチハナガサ。

ツバメシジミちゃんとベニシジミちゃん。

思ったよりずっと広い猪名川河川敷、ゴルフ禁止と掲げられているまるでゴルフ場みたいな空地に出てきました。

さらに奥に砂利の河川敷があってその奥に水面が見えるものの藪漕ぎはしたくないので引き返します。

ハルシャギクです。シロツメクサにツバメシジミ♀。

JAL B737-800 JA339J 新千歳行とJAL B787-800 JA846J羽田行。

関空ではボーイングよりエアバスの方が多いのに、今日はこれだけ飛行機撮ってエアバスは一機も見ませんでした。

橋に戻ってきました。橋の名は軍行橋、明治44年にここで陸軍大演習が行われたことに因むそうです。帝国陸軍じゃなくて、象たちの行進をもう一度イメージしてみます。

橋の北側に黒い鳥が10羽くらい。道路を渡ってチェックしてみると簡単に見つかりました。コワオモテのハッカチョウたちです。

全部で15羽くらい。自転車が通っても一旦バタバタっと逃げるもののすぐ戻ってきます。

木の上のハッカチョウ。

滑走路北端から軍行橋まで並んでいる滑走路誘導灯、伊丹空港発着の99%は南から着陸、北へ離陸ですが、年に数回程度発生する北から着陸のための誘導灯です。

171号線沿いに西へ向かうバスがあるのですが、1時間に1本程度なので、電車で伊丹駅へ。駅に駅リンくんのポスターがありました。こんどはレンタサイクルを借りてエア・フロント・オアシス→空港ターミナルでランチ→千里川土手、というコースもいいかも。伊丹駅を出ると1時間に1本しかない伊丹市バス17系統のバスの発車直前。

昆陽池

伊丹市立伊丹小学校です。なんでこの写真を撮ったのか、思い出しました。ここでは荒木村重は教養のあるいい人、織田信長は残忍な悪い人として教えているかも。伊丹市民ならではの歴史観があっていいと思います。

Google Mapでは玉田団地で下車と案内されていたけど1つ前の昆陽池公園前で下りてみました。バス停前は昆陽池じゃなくて南側の貯水池。

昆陽池の水辺を覗くとオオシオカラトンボとチョウトンボ。ただ水辺までが遠い。

アジサイを見て伊丹昆虫館に到着。「企画展 奇蟲」は2階のあまり広くない一室。

ごあいさつのパネル。なぜかゾイドを展示。

気色の悪い虫がいっぱい描かれたパネルを背景にイモムシ(スミナガシの幼虫)ベンチの記念撮影コーナー。意外とファミリーに人気です。

右側の壁面には水槽に入った生体の展示、寝ているのかじっとしているだけの虫たちの中でひとり元気だったのがシレノスカワリハカリサソリ。期待していた斑猫(ハンミョウ)の展示は見当たらず。

ハンミョウは一般展示コーナーにいました。絶滅危惧ⅠA類のオガサワラハンミョウ、自分の好きなハンミョウと違って極めて地味。

ゲンゴロウの交尾、生殖器がつながっていないので重なっているだけかも。

夏場のチョウ温室はいささか蒸し暑い。ツマムラサキマダラです。

お母さんたちがしきりに止めようとするものの小さな子どもたちが蝶を追いかけ捕まえようとしています。こればかりはしようがないでしょうね。子どもたちが蝶に気を取られすぎて転ばないように注意するしかないかと。

温室の出口は鏡になってました。

昆陽池の小径を散歩、慈円の歌碑が建てられていました。

ゑにかきて今唐土の人に見せむ 霞渡れる昆陽の松原

青蓮院門主で天台座主、中世で最も重要な歴史書とされる愚管抄の著者、親鸞を庇護し続けていた慈円、京都以外でその足跡を見たのは初めて、中国の人に自慢したくなるくらい美しい昆陽池だったようです。

もうひとつの石碑は「殺生禁◯」とまで読み取れるものの最後の一文字が不明も意味は伝わります。この掟が厳しいためか水辺にはほとんど近づくことができない昆陽池です。

昆虫館の温室の蝶より、自分はホバリングしているクロイトトンボに惹かれます。

下にいるのはペアじゃなくてホバリングしているクロイトトンボの影。

伊丹市のマンホールの蓋にも描かれているコブハクチョウ。羽を上げたコブハクチョウならではのポーズですが、どう見ても羽が短い。

飛べないように風切羽が切られているようです。それに9年前に来た時には22羽もいたのに今日は2羽だけ。2017年の鳥インフルエンザで大半が死んでしまったそうです(ソース)。感染しなかったコブハクチョウの風切羽を切って保護しているものと思われます。9年前の翼を大きく広げ飛んで行く姿は貴重なシーンになってしまったようです。

コブハクチョウの寿命は野生の場合6〜7年、飼育下では30〜40年だそうです。短い命で自由に大空を飛び回るか、長生きして狭い池でじっとしているか、何かやるせなくなってきました。

午前中は飛行機の迫力に圧倒され、楽しい食堂のおばちゃんにも会えたのでテンションが高かったのですが、午後の昆陽池は期待外れで歩き疲れました。伊丹空港周辺だけで久しぶりに300枚も撮っていたので今日のブログは前後編に分けることになるかもと思っていたのですが、昆陽池では100枚も撮っていませんでした。

昆陽池南側、住友電工伊丹工場前の住友北バス停、舗装の割れ目から黄色い花が元気いっぱい、ユリオブスデージーだと思います。阪急伊丹線で帰ります。駅で伊丹名物こぼれ梅を探してみようと思っていたのですが、すっかり忘れてしまいました。冬季限定だそうで、今探しても見つからなかったかも。

梅田に到着。曽根崎のキリンケラーヤマトでプファー、焼ケラー美味し。