京橋のコウモリ

そろそろため池の水が抜かれている頃かも、と京田辺の草内に行ってみることを思いつきました。快速急行の西大寺到着直前、本日はロートフィールド奈良でJFL奈良クラブと鈴鹿ポイントゲッターズの試合が開催され…云々、の聞き慣れないアナウンス。JFLも終盤になってかなり盛り上がってきているようです。

西大寺駅ナカで腹ごしらえ、新しくできた立ち食いそばでラーメンを頼んだものの、たっぷりわかめがのせられていた以前の九条庵の方がずっと美味しくそれに安かったです。新しくできたとはいうものの、オープンは去年の3月で、奈良公園には毎月くらい通っているのに、すっかり平城宮跡や西大寺駅からは足が遠のいています。この7月に駅前であんな大事件があって、さらに行き辛くなりました。

草内

京都行普通は後2両が1220系(正確には1253系)前2両が9020系。9020系のロングシートに腰を下ろすと、黄金色の田園風景が大きな窓の額縁で切り取られていました。まだ刈り入れの終わっていない田んぼが多く、目的地のため池はまだ水が抜かれていない可能性が高そうです。

興戸駅に到着、なんと3年10ヶ月ぶり。目的地の池の手前に小さなコスモス畑が作られていました。

目的地の五ノ坪池と一町田池、残念、どちらもまだ水が満々と湛えられたままです。

水が抜かれると池の底の泥地が現れ、鳥たちの絶好の採餌スポットになります。当然水が抜かれたばかりだと池に残る魚や水生生物も多いはず、と狙ってやってきたのですが、まだ早すぎたようです。

刈り入れはとっくに終わって水が引かれた田んぼも少なくありません。あぜ道に沿った用水路には結構激しく水が流れていて、田んぼに注ぎ込まれています。この水は五ノ坪池や一町田池から来ているはず。丹念に水が入った田んぼをチェックしながら歩いたものの何も見つからず。もう1、2週間ほど待って来るべきだったかも。

田んぼのところどろに咲いた黄色い花、ヒレタゴボウという外来種と分かりました。目の前に止まってくれたのはアキアカネ。

イナゴがいっぱい飛び交っています。

何も見つかららいもののとても気持ちいい場所であることに変わりはありません。正面は若宮八幡宮の鎮守の森、小さくですがその右側に比叡山、左側に愛宕山が見えます。

一町田池東側の新池も水が満々もカイツブリが甲高い鳴き声を響かせていました。

今日はここまでにするつもりだったのですが、あまりにも何も見つからないので、新池のさらに東側もちょっとだけ歩いてみます。

道の真ん中で交尾中のイナゴです。周りには踏み潰されたイナゴの死体も多く、すばしっこいようで外敵への反応は鈍いようです。

モンキチョウやキチョウがいーっぱい舞ってました。

草むらでうごめく毛虫、もぞもぞじゃなくて、びよーん、びよーんと体を伸縮させるダイナミックなアクション、フクラスズメです。スズメガではなくヤガ科の一種だそうです。

普賢寺川沿いに広がる茶畑、宇治茶です。

ふたたびアキアカネ。作業小屋では脱穀の真っ最中、農家さんに土日はありません。

新池を東側から覗いてみると池の縁に30羽くらいのカモたち、覗いたとたんバタバタっと。コガモに見えたのですが違ったカモ。

おや、ハシビロガモも混じってました。

三山木駅へ向かっていくのは乗ってきた1220系2連+9020系2連、南海でいえば昭和の鋼製車7100系と最新のステンレス車8300系が連結されているようなもので、ありえないです。

木幡池

今日のもうひとつの目的地へ向かいます。

新田辺で国際会館行急行に乗り換え、大久保で下車。初めて下りた駅ですが、宇治市にあり、JR宇治駅や京阪宇治駅より乗降人数はずっと多くて、京都府で2番目に人口の多い宇治市の実施的な中心駅はここ大久保になるようです。大久保という名前の駅は中央線各停で新宿の次、京成線で津田沼の次、JR神戸線の西明石の次の他にもまだいくつかあるようですが、終日急行や快速の停まる大久保はたぶんここだけ。

Google Mapで見つけた洋食屋はお休み、ランチタイムが終わらない内にと入った中華屋さん、カニ玉定食にカニは入っていなかったような気が…。

大久保駅から5分ほどでJR奈良線の新田(しんでん)駅、新田という名前の駅も全国各地にあります。東北本線の新田(にった)駅近くにオオハクチョウがいっぱいいたのが思い出されます。駅前の巨木は樹齢150年のイチョウです。Wikipediaによるとイチョウとならんで樹齢250年のコブシがあったそうですが、なぜか伐採されてしまっています。近鉄京都線と較べて本数はずっと少ないと思っていたけどほぼ15分ヘッド、細々とキハが走っていたかつての奈良線とは異なりずいぶん便利になっていました。

ただ奈良線221系の窓は相変わらず汚くてせっかくの転換クロスシートも台無し。大きな額縁から美しい田園風景を堪能させてくれる近鉄と大違いです。宇治川の鉄橋は工事中、架替えではなく複線化するものと思われます。

木幡駅で下車。駅前の写真手前の影は京都アニメーションの本社と分かったのは帰ってからです。

300mほどで京阪宇治線の木幡駅、踏切を渡って右手にパナソニック宇治工場、左手のセブンイレブンの隣のビル3階が京都アニメーションの第2スタジオです。なんとも痛ましい事件があった六地蔵駅近くの第1スタジオは既に解体されたようです。

ほどなく両側に池、目的地の木幡池です。左側が南池。かつての巨椋池の残骸の池と聞いてやってきた次第です。7年前のブログに組み込んだ地図の右端に木幡池が見えますが、秀吉により堤が張り巡らされて以降のもので、秀吉以前の巨椋池はさらにずっと広く木幡池はその東端だったようです。

右側が中池。京アニ制作の境界の彼方に登場するらしくアマゾンプライムで第1話を見てみたもののよくわかりませんでした。

南池、中池と異なり、湿地のような様相の北池です。かつての巨椋池の周囲はこんな湿地に囲まれていたのかも知れません。

釣り竿を持った中学生くらいの少年が北池の奥の方へ入っていきました。その後を追ってみると淀川のワンドのような小道が続いています。鳥の鳴き声は聞こえるものの姿は見えません。

釣りをしている数人の少年達の脇を抜けさらに奥の方へ細い道が続いているものの、深泥池池畔のような爽やかさが感じられずこの辺で止めておきます。

鳥見はボウズの帰り道

北池から六地蔵駅への道をマップで確認してみると途中で途切れているように見えたので桃山南口駅へ向かいます。(あとで拡大してみると細い道が伸びて京阪宇治線の下をガードでくぐっていました。)

西へ西へと全く起伏のない平坦な直線の道が続き、巨椋池を埋め立てたところを歩いているとは感じられます。個性があるようでどれも規格化されたような四角い白い住宅が並んでます。日が傾いて来たものの西へ向かうお日さまを追って小さな雲が日差しを隠し続けていました。

真っ直ぐで平坦な道の突き当りは駅とは逆に南の方へ伸びるばかりで、かなり逆戻りして駅方向へ抜ける路地を見つけました。分譲地単位で道が途切れていることはよくあることです。15分も歩いてようやく山科川に出ました。六地蔵駅より川上と違ってあまり風情のない山科川です。ちょっと調べてみると伏見区の人口は2位の右京区を遥かに凌ぐ28万人、京都市全体の20%近くで宇治市をも上回っています。この辺りの景色が洛中の景色以上に現代の京都なのかも知れません。

桃山南口駅から宇治線の13000系に乗車。宇治線の駅は京アニの作品にもよく登場するそうです。アニメには全く疎いのですが、京アニ作品が洛中ではなく本社やスタジオのある伏見区を舞台としているからこそ全国的な普遍性が表現されているんでしょうね。

中書島で乗り換えた特急は満員だったものの、運良くロングシートの空きを見つけました。このまま天満橋まで乗ってしまうと選択肢は限定されるので、京橋で下りてプファーをすることにしました。トイレを済ませてエスカレーターに乗ると3台をひとり占め。

たぶん3年以上ぶりの満ぞく屋さんでプファー。ただお昼のカニ玉がまだお腹に残っていて食欲が出てきません。思い出してロートフィールドの試合結果をチェックしてみると1-1のドロー。しかしながら入場者数は何と14202人、これで一気にJ3参入規定のホーム入場者数を一気にクリア、鈴鹿の三浦カズも後半31分から登場、大いに盛り上がったようです。まだ4試合残しているものの現在3位、2位のFC大阪ともども昇格できそうな感じでJ3で生駒山ダービーが実現しそうです。

鳥見は完全にボウズの日、一番お金のかからない帰宅ルートの長堀鶴見緑地線で帰ることにして、コムズガーデンの吹き抜けの地下2階で空を見上げると何か舞ってます。まだツバメ?じゃなくてコウモリのようです。

バッグに仕舞ったカメラを取り出してみると、コウモリじゃなくて飛行機。でもまだ舞ってました、やはりコウモリです。

もう1匹、ちょっと大きめのも飛んできました。高速で飛び回るばかりでピントはまず合いません。人通りの少なくない中、ずっと空を見上げてカメラを回しているので誰か声を掛けてくるかと思いきや通り過ぎるばかり。何撮ってるんですか、コウモリです、と言いたかったんやけど。

ふと気づくとすぐ後ろにはコウモリにばっちりのハロウィンのディスプレイ。一緒に撮れないかと思ったらコウモリは行ってしまいました。どうやらお城に棲んでいるようです。ボウズの気分を少しハイにしてくれた空を飛べる唯一の哺乳類、頭の中ではアダムスファミリーのテーマが鳴り出しました。