夙川を歩いて渡る

大潮の日曜日、男里川河口じゃなくて香櫨園浜に行ってみます。自宅からは男里川河口よりずっと近い香櫨園浜ですが、府県境を跨ぐなという緊急事態宣言時は行きにくかったので2年ぶりです。

香櫨園駅から河口まで約1km、川辺りの道、石積み堤防の道、土手の道と3つの道が選べ、自分はいつも川辺りの道、でも今日は川面に魚影は見えません。ナミアゲハが蜜を吸っているのはトベラの木。

浜夙川橋をくぐり河口へ、ミューミュー、キアシシギらしき声が響いてきます。コサギの飾り羽がかっこいい。

夙川河口左岸

隙間からハマヒルガオが咲いてる堤防に腰を下ろし、香櫨園駅前のネスカフェで買ってきたカレーパンとアイスコーヒーの朝食。アイスコーヒーは紙コップにプラの蓋、紙管のストローと中途半端、紙管ストローがせっかくの美味しいコーヒーを不味くしています。ポリ袋じゃなくて上等な紙袋に入れてくれたものの、撥水性がなくゴミ袋としては不適当。自然大好きな自分、地球温暖化も一応理解しているつもりですが、SDGsは嫌いです。

河口の浅瀬を小さなワンちゃんがこちらへ渡って来ました。大きな三脚を抱えたニイちゃんは河口に並んだ岩を跳びながら渡ろうとするものの三脚でバランスが取れず、浅瀬を選んで何とか向こう岸へ。

鳥の大集団が上空をぐるぐる回ってました。拡大するとユリカモメ、ガングロユリカモメ(夏羽のユリカモメ)も交じってます。

ムクドリの大集団ほどのまとまりはないもののユリカモメがこんな行動をするとは知りませんでした。ユリカモメの渡りとしてはかなり遅く、どこか南の国から北の国へ渡りの途中のようです。

左岸をぐるっと回ってみたものの何も見つからず、ミューミューは右岸から聞こえてきます。

意を決して自分も右岸へ渡ることにします。岩跳びは滑って転ぶ可能性が高そうなので、三脚のニイちゃんルートではなく、ワンちゃんルートで渡ります。

夙川河口右岸

深いところで水深5cmくらい、靴はキレイになったものの靴下までズクズク。渡ってきた浅瀬です。

右岸の磯にキアシシギがいたものの、向こうへ飛んで行ってしまいました。

と思ったらぐんと数が増えて戻ってきました。16羽の中に2羽、お腹が黒いのが交じってます。ハマシギです。

さっき歩いたばかりの左岸の干潟に下りていました。

もう一度夙川を歩いて渡るか逡巡していたら右岸にもまだ残っていました。

キアシシギのランディングシーンです。

ハマシギです。

キアシシギの足にフラッグ。文字は読み取れないものの右足上は青、左足上は黄色、左足下に金属リング。山階鳥類研究所のページに該当する装着地域は見当たりませんが、オーストラリア辺りからやってきてシベリア辺りへ向かう途中でここ香櫨園浜に立ち寄っているキアシシギたちです。

磯の岩にキアシシギが1+2、後ろの2羽を正面からアップで。

1+2の1が飛び出しました。

1+2の1は低空飛行で右岸先端へ。1+2の2が追いかけます。

磯の石をひっくり返してみるといろんな生き物が蠢いていました。小さなカニが2匹、たぶんイソガニです。ウミニナには極小のフジツボ、中身が入ってます。

イソガニが向き合ってます。両の鋏が大きく、片方の鋏が小さくてプランクトンを食べるのに便利なスナガニやシオマネキとは生態が全然異なるようです。キアシシギたちの採餌のターゲットです。

さっきから見た気がしていたチュウシャクシギがちゃんと写ってました。

キアシシギたちは水辺でせっせと採餌、ハマシギ1羽を含め12羽写ってます。

低空飛行で飛び立ったもののすぐ下り立ち、なぜか砂浜を駆けて河口へ。

さっき自分が渡って来た辺りです。水深5cmも無いですね。

水辺に戻ってきたもののすぐさままた飛び立ちました。

キアシシギが飛び立ったあとにシロチドリが2羽残っていました。

飛翔シーンを撮れるようになったのはとても楽しい。

水辺に下り立った12羽、2羽のハマシギが一緒のままです。

右岸には一面のハマヒルガオ、視点を下げて超広角で撮ってみました。

夙川を遡る

午後から晴れるはずが一向にその気配がありません。晴れたら須磨へと思っていたのですが、諦めて夙川を遡ることにします。浜夙川橋の川上にベビーカステラ(カルガモの雛)。

上の水紋の下、水中にベビーカステラの影が見えます。親ガモは潜ってもせいぜいタケノコ(ひっくり返ってお尻を浮かせた状態)になるだけですが、ベビーカステラは水中に潜ることができると分かりました。

触ってみたくなるようなモフモフです。お母さんと5羽のベビーカステラ。もう1羽いたはずが、水中に潜っていたようです。

誰も歩いていなかった川辺にカブスカウトの子どもたちとデンリーダーさん。デンとはカブスカウトの最小単位の意味だそうです。

赤紫のヤグルマギク、他に白、青紫、ピンクと咲きそろっていました。

見事に曲がった松、よく自分を支えられるものです。こどもの日には夙川の川面を埋め尽くす鯉のぼりがまだ少し残っていました。

アジサイはまだまだです。対岸に色づいてるアジサイが見えたので、川を渡ります。

とてもみずみずしさを感じさせる美しさです。

苦楽園口駅前の大正庵でランチ、地酒のメニューから江井ヶ島酒造という名前に惹かれ神鷹を冷で、鶏だしカレー、なかなか美味でした。川の中から甲陽線の6000系を撮って帰ります。

折り返してきた6000系の最後部から対向列車を見送ります。背景の急斜面は甲山。

夙川駅で甲陽線から梅田行特急への接続時間は僅か1分、危うく乗りそびれるところを間に合いました。梅田に到着。