夙川を遡る

今年まだ会えていないコアジサシがいるとの情報で香櫨園浜へ。

快速急行に乗ってきたものの、尼崎で下車して阪神そばで腹ごしらえ。千円札を券売機に入れて肉ごぼうそば、券売機前の消毒用アルコールに気を取られお釣りを取るのを忘れました。肉ごぼうそばを殆ど食べ終わった頃、後から来たお客さんが忘れ物のお釣りに気づき、無事自分の元へ。このところ、お金を触りたくないので、PayPayやIcoocaでキャッシュレスが殆どになり、お釣りを受け取るという習慣自体が自分から忘れ去られつつあるようです。

西宮で普通に乗り換え、肉ごぼうそばを食べる前に撮った5001形ラストナンバーの5032が待っていてくれました。

昭和がたっぷりの5032の運転台、懐中時計の下にある行路表を拡大してみると何と5秒単位。

阪神電車運転室後ろのドア上部にある隙間にスマホを掲げ香櫨園に到着。

河口右岸先端にウミネコたち。大潮の干潮で干潟が広がっています。

しばらく待っていると中空にコアジサシ。全部で5羽くらいいるのですが、なかなか下りてきてくれません。

こちら側左岸先端に下りてくれました。もう1羽が砂浜の陰に。

かなりの数のコアジサシが夢洲で営巣しているそうです。この子たちも夢洲生まれかも知れません。万博の工事と上手く共生してくれるといいのですが。

翼を上に広げ足を伸ばしてランディング。2羽が微妙な間隔を空けて動かなくなりました。

2羽はずっと動かないので、場所を変えて低い位置からヨットを背景に撮ってみました。

干潟の浅瀬を歩いて渡っていると、海の中をジャブジャブと歩いてきたファミリーが左岸先端へ。コアジサシはもう見つけられませんでした。

まだ帰るのも飲み始めるにも早すぎます。甲山にむかって阪急夙川辺りまで歩いてみることにします。

小魚がウヨウヨいます。あまり自信がないのですが、トウゴロウイワシかな。

堰のそばで流れは早いものの、1尾も流されてしまうことなく、岩の藻を食べてます。

「夙川の汽水魚」で検索すると2年前に書いた夙川のアユが最上位表示されてしまいます。ホンマにアユやったんか、と再度チェックしてみたものの、胸鰭の後ろに白い斑、やはりアユだったようです。

岩に隠れていたカニの種類も不明です。ちょっと大きめのイソガニという感じですが、川の砂にイソガニが埋もれることはないはず。

川底の砂に擬態している魚、不鮮明ですが、目とヒレが分かります。たぶんヨシノボリ、ハゼの仲間ですが、相撲取りのような名前です。

堰の川上を土左衛門になったスズメが流れてきました。河口へ向かう時、川の岩の上を跳ね回っていたスズメたちを、どうも危なっかしいなと見ていたのですが、やはり落ちてしまったのが1羽いたようです。合掌。

香櫨園駅のネスカフェスタンドのアイスコーヒーで一休み。ここのコーヒーは間違いなく美味いです。3羽のスズメの右端のは雛、ビービー鳴いて食べ物をねだってます。親スズメが地面に落ちている何かを拾って口移しに与えていました。地面から拾って食べることすら自分でできない雛です。

いつもと違ってさらに川上へ向かいます。

アジサイがまだ綺麗です。国道2号線の夙川橋までやってきました。もし今も阪神国道線が走っていたら、緩やかにカーブして坂道を上ってくるシーンは、単調な沿線風景の中で絶好の撮影ポイントになっていたはず。

阪神国道線の金魚鉢電車には2回くらい乗った記憶があります。ひとりで乗っていた覚えがあり、中学生の頃、岡本駅近くにあった従姉弟宅を訪ねる時に阪急や国鉄じゃなくてたっぷり時間をかけて行ったようです。

今も国道2号線は「2号線」、湾岸の国道43号線は「2国」って呼ばれてるのかな?

アジサイは土壌のpHで色が変わるそうです。アジサイと223系。

ほどなく阪急夙川駅に到着、阪急バスのカラーリングは昔と変わっていません。

もう少し先へ行ってみます。夙川の川面の様子がだいぶ変わってきました。

カミキリムシかと調べてみても見つからずキマダラカメムシと判明。よく見る緑色のカメムシより一回り大きく、南方系の外来種だそうです。ポリネシアのお面のような背中です。

川遊びの子どもたちもお母さんたちも皆、ほぼ標準語の西宮です。かなり昔のmixiのスレッドで盛り上がっているのを見つけました。

4年間通学していた時は殆ど意識しなかったけど、甲東園の親戚のおばあさんがほぼ標準語のとても上品な話し方だったことを思い出しました。転勤族が多いということよりも、甲子園、昭和園、甲風園、甲東園、甲陽園、苦楽園、香櫨園の西宮七園が、大正時代からお屋敷町として開発されてきたことに由来するものと思われます。

ハグロトンボみっけ。僅か数キロ歩くだけで海と山が楽しめる夙川です。苦楽園口駅からさらに川上へ、もう少し歩いてみます。

我ながらいい感じの1枚が撮れました。1週間早ければアジサイがもっと綺麗だったはず、でも電車が主役になれたのでこれでOK。青空じゃなくて梅雨空が似合ってるとも感じます。覆いかぶさる葉っぱはサクラ、季節を変えて通うことになりそうです。

単線の阪急電車に萌えます。鉄橋をくぐって北側から側面順光で。

苦楽園口駅に戻ります。甲陽線乗車はたぶん40年ぶり、後ろの甲山が河口から見た時よりだいぶ大きく見えます。阪急電車自体かなり久しぶり、たぶん去年10月以来です。

夙川駅では間髪入れずに特急と接続、リニューアル出場して間がないと思われるピッカピカの7000系。梅田に着いて車体側面に取り付けられたステンレス切り抜きのコーポレートマークを撮ってみたら、くっきり自分が写り込んでいました。阪急電車の塗装技術はパないです。