ぐるっと大阪湾一周

大阪湾をぐるっと一周することを思い付きました。平成11年に廃止された深日港からの淡路航路が一昨年社会実験として復活、今年も春から秋まで半年間の土日祝日に運行され、この深日洲本ライナーにより大阪湾一周が可能になります。

難波→深日

大阪湾一周の一番手は空港急行、泉佐野で普通に乗り換え、男里川を渡ります。晴れているもののかなり靄っていて関空がぜんぜん見えません。

鳥取ノ荘の海は水平線がぼやけています。存続がやばくなったみさき公園の観覧車が見えてきました。

みさき公園で2200系2連に乗り換え、淡路連絡急行淡路号多奈川行6連が難波から直通していたのも今は昔。

深日港駅に到着、駅前のコインランドリーせんたさんのキャラがせんたちゃんに変わってました!本家(?)せんとくん人気もすっかり低迷なので理解できるキャラ交代です。

港周辺にのぼり旗が並んでいて、高速艇が既に岸壁の艀に停泊しています。昨日ネットで予約しておいたチケットを深日港観光案内所(さんぽるた)で購入、1500円は安いです。

社会実験は3年目、国の補助を得た岬町と洲本市による共同事業ですが、この記事によると、どうも雲行きは怪しいです。

深日→洲本

双胴高速艇のINFINITY、49総トン。岸和田にある恭平船舶という会社の船で、業務委託で運行しているようです。

空港のようにスタッフの人たちが大きく手を振ってくれて出港。数えてみたところ乗客は16人、その大半はアワイチと呼ばれるロードバイクで淡路島一周をめざす人たちです。なぜか前輪だけ外してキャビンに持ち込むように決められているようです。

多奈川線の車内で輪行バッグの人は見かけなかったのですが、早朝から深日港まで自走してきたのかどうかは不明です。ちなみにママチャリは持ち込めません。

海の上にいます。海上は靄っていて間近に見えるはずの関空も全く見えません。ひょっとしてスナメリが見つかるかもとじっと海面を見つめていたものの何も現れず。巡航速度は18ノット、約33km/hも、海面に近いせいか50k/hくらいの感じです。

淡路島一周はアワイチ、琵琶湖一周はビワイチですが、この深日洲本ライナーを利用すればロードバイクで大阪湾一周も可能なはず、大阪湾の別名は茅渟の海なので、チヌイチでいかがでしょう。

洲本港に到着。四国への往復で何度も通過しているものの、初めて降り立つ淡路島です。学生時代淡路島北端の岩屋へ僅かな時間だけ行ったような記憶が無きにしもあらずなので、正確には2回めの淡路かも。

洲本港から関空への航路、淡路関空ラインが深日洲本ライナーとほぼ同時期に復活していたのですが、わずか1年で休航してしまっています。深日港と違って洲本港には立派なターミナルビルがあるものの、深日洲本ライナー以外に航路はなく、ボートピア(場外舟券売場)になってます。

せっかくなので少し洲本の町を歩いてみます。大正時代の工場だった赤レンガビルが何棟か残されていてレストランになっているのですがまだ営業時間前、商店街らしきところはご多分に漏れずシャッター通り。町の真ん中にイオンがあって、駐車場にはたくさん車が停まっているものの、店内はがらんとしてます。

店内マップにあるフードコートに行ってみたら、フードコートの看板のまま文具売場になっていたり、売りつくしセールのテナント店も目立つのですが、どうやらモール自体が改装らしく、寂れきっている訳ではなさそうです。

洲本→岩屋

淡路交通縦貫線岩屋行バスに乗車、洲本市街地を抜けるといい感じの海岸線を走ります。

事前に調べてきた砂浜と磯が広がる厚浜に下り立ったものの、人っ子ひとりいません。

クラゲが多いです。浜に打ち上げられたミズクラゲと海の中のアカクラゲ、大阪側より海の透明度が高いかと。

タイドプールもできているものの、魚やカニは見つからず岩にカメノテが密生しているだけ。

ようやく人がやってきました。東南アジアのどこかの国からの技能実習生といった感じのニイちゃん、すごく気持ちのいいあいさつをしてくれました。

肉眼だと和泉山脈の南端から友ヶ島辺りがうーっすら見えます。クルーザーの向うには本来なら関空や金剛山が見えるはず、残念。

国道沿いに和食さと、迷わず入りました。あまり何も考えずに注文した生ビールとミニ漁師海鮮丼と初夏のてんぷら膳、ファミレスとは思えない美味、特に生しらすが絶品でした。

安乎あいがバス停前の建物にツバメの巣、雛は既にかなり大きくなってます。3つ目の巣を見つけたタイミングでバスがやってきました。

ここから一気に岩屋まで1時間のバス旅。

ワールドパークONOKOROというテーマパーク、存在すら知りませんでした。古事記や日本書紀によると日本で最初にできた島がオノコロ(あるいはオノゴロ)で、淡路島南方の沼島がオノコロ島とも淡路島自体がオノコロ島、あるいは播磨灘の家島という説もあるそうです。

現在地は関空のほぼ対面です。

海岸線が途切れ、突然イオンモールが現れたりしてビックリ。土器屋からきやは、とても読めないです。

海から付かず離れずのバス、5人ほど乗っていた高齢者や高校生はバス停毎に下車、ついに自分貸し切りになり、最後尾席に移動。1時間も路線バスに乗ることなどめったにないので、蛭子さんになった気分です。

前方にどうにもありがたくない感じの巨大観音像が見えてきます。既に廃墟になって久しく崩壊すら始まっているものの、撤去もままならない状況のままだそうです。周囲におしゃれなペンションとかも少なくなく対策が求められるところです。

岩屋が近づき新たな乗客が乗り込んできました。淡路島にウェスティンがあるとはビックリ、調べてみると意外とリーズナブルです。

視界が広がり須磨の海岸と山並みが眼前に、10kmも無いのに靄ってます。1時間ちょうどで岩屋到着。とても楽しい路線バスの旅でした。

岩屋港の脇にある絵島、中には入れなくなってました。この絵島がオノコロ島だという説もあるそうです。須磨の鉢伏山をバックにウミネコ。

お世話になった淡路交通のISUZU ERGA、堤防に上がると明石海峡大橋。

ここでもミズクラゲとアカクラゲ。

岩屋→明石→難波

ジェノバラインのまりん・あわじ、118総トンの双胴高速船、これで明石へ渡ります。やはりロードバイクでツーリングの人が多いです。ちなみに琵琶湖周遊道路に歩道兼自転車道があって走りやすいビワイチと比べると、アワイチではトラックがビュンビュン走る国道の脇の白線だけの場合が多く、自転車の島として売り出すのならもう少しインフラ整備が必要かと。

快適そうなシートが並ぶキャビンは素通りして2階の屋外デッキへ。

海面から水蒸気が上がっているのが靄の原因かも知れません。巡航速度は24ノット、約44km/hの屋外デッキはかなり気持ちいい。

海上付近は靄っているものの上空は青空が広がってきました。

明石海峡大橋の下をくぐります。

播磨灘も靄っていて小豆島も家島諸島も全然見えませんが、水平線が丸く見えるような気がするのはレンズのせいかな。

快適な船旅も13分であっけなく明石港に到着。甲板のイラストになぜかコチドリが2羽描かれています。そういえば急行淡路号のサボもチドリのイラストでした。今日淡路でチドリには会えなかったものの深日港でコチドリに会ったことはあります。

魚の棚の卵焼き屋さんはどこも長蛇の行列で諦め、阪神9300系の直通特急のカブリツキをゲット。これが大阪湾一周の最終ランナーとなるのですが、鳥をほとんど見ていないので御影で乗り換え香櫨園で途中下車しました。

ここからは主題から外れてくるし、アップしたい写真がまだいっぱいあるので、別に書くことにします。

この稿続く