めでたいみずいろ
多奈川へ
先日、大阪湾にやってきたイルカと鯨というセミナーを聴講しました。イルカとクジラの違いは大きさだけで、概ね体長4m以上の種類がクジラであることや、生物学的にはヒゲクジラとハクジラに大別され、イルカ全般やマッコウクジラはハクジラ、ナガスクジラとか大型のクジラはヒゲクジラで、口の中のヒゲで餌を濾して食べるクジラです。ずいぶんいい勉強をさせてもらいました。
大阪湾にもイルカやクジラがやってくることは少くなくなくて、その事例が色々紹介されました。この9月に大川の造幣局前(つまりひょうたん池前)でイルカが発見された、というニュースがあったものの、どうやらこのイルカは残念ながら死亡が確認されたようです。関空南側の海域にスナメリが数頭生息しているのも間違いないものの、スナメリは臆病で会うことは専門家でも容易ではないそうです。男里川河口から海をじっと眺める程度じゃまず無理と分かりました。
一方、深日港に天草からやってきたらしいミナミハンドウイルカが長期に渡って棲んでいるらしいと知りました。ミナミハンドウイルカは人に親しく、船と一緒に泳いだりしてくれます。深日港には去年の3月頃からいるそうで、この8月に撮影された動画もあり、あの周辺をしょっちゅうウロチョロしているのに全然知りませんでした。
行ってもまず会えないだろうとは理解しつつも、まだ棲んでいる可能性があり、男里川橋梁が復旧、南海線が通常ダイヤで運行再開されたこともあり、どうしても行ってみたくなりました。
1ヶ月ぶりに運行再開の特急サザンの車窓、男里川橋梁は心持ち徐行して渡りました。
みさき公園到着、多奈川線に乗り換え。何故か高師浜線用の「走る!工場夜景」号です。
せんたさんのいる深日港を見て、多奈川に到着、降りたのは自分を含め3人、自分以外の2人は駅員さんの顔見知りらしく「おはようさん」とこの土地らしいタメ口の挨拶が聞こえてきます。
今日は関空の離陸は南向きです。多奈川駅から10分弱歩いて目的地に到着も、高い堤防に囲まれています。釣り人が架けたものと思われるハシゴを上らせてもらいます。
多奈川第二発電所前のミナミハンドウイルカがまだ棲んでいるかも知れない辺りです。これだけ見て満足して、すぐさま引き返しました。来年中には天草へ行ってみたいと思います。
めでたいでんしゃ2色
多奈川駅から深日港駅に入線する2230系、坂の向こうに2駅先の深日町駅ホームも見えます。
みさき公園で1000系和歌山市行普通車のボックスシートに乗り換え、紀の川を渡ります。
10月から運行を開始した、めでたいみずいろ、が入線してきました。
ジャンパ栓の蓋や屋根に上るステップ、製造銘板といった取付金具全てを濃い青に塗り替える丁寧な造作はめでたいピンクと同じです。車両にレタリングするのは普通好きじゃないのですが、鯛のロゴマークは羽織の紋のようで悪くないです。やはり千代田工場いい仕事しています。
シートモケット、吊革も海をモチーフにめでたいピンクとは異なるデザイン、床も張り替えられ海釣りしている気分が味わえるようになってます。
台風21号で出鼻を挫かれ、秋の行楽シーズンもオシマイ、残念ながら車内は閑散としています。
路線図や窓のイラストもめでたいみずいろ版になってます。
ワンマン運転用のバックミラーにうまく収まったところを撮って発車。
紀ノ川橋梁を渡ります。こちら側上り線は明治36年アメリカ製の直角三角形が並ぶプラットトラス橋、向う側下り線は大正11年国産の二等辺三角形が並ぶワーレントラス橋です。男里川橋梁と変わらない古いれんがの橋脚ですが、補修で安全を確保しつつこのまま活用して欲しいと思います。
八幡前でめでたいピンクと交換。
めでたいみずいろ車内からめでたいピンク。停車時間が十分あったので、みずいろとピンクのツーショットが撮れたはずですが、うっかりしました。
加太に到着。めでたいでんしゃは増強されたものの相変わらず寂しい加太駅前です。南海電車の熱意や思惑と地元がすれ違っているような気がしてなりません。
加太駅は集落の入口近くにあって、淡嶋神社や浜辺、友ヶ島への船着き場まで1km以上あります。路線バスはなく、タクシーか旅館の送迎バス、あるいは徒歩ということになります。観光協会にレンタサイクルがあるようなのですが、どうも積極的にやっているようには見受けられません。田倉崎や城ヶ崎、あるいは大川峠辺りまで、めでたいでんしゃで気軽に向かうことができれば、と思うと残念でなりません。
加太や和歌浦は、和歌山県としても高野山や白浜に並ぶ観光地になるポテンシャルは十分あるはずですが、過去にやることはやって、もう諦めてしまったような感じがします。まぁ、そのマイナーさが自分的には合っているところがあるので気に入っているわけですが…。
紺染めの前掛けの駅員さんに見送られ折り返し電車で磯ノ浦へ一駅戻ります。
磯ノ浦
大阪湾じゃなくて太平洋です。
堤防の向こう、沖の方に漁船の大軍団が見えます。左側の島影はここから25kmほどの沼島です。
堤防の先っちょへ向います。テトラポッドのあるところまではちょっとおっかないです。振り返ると加太行のめでたいピンク。
沖の漁船軍団をアップで撮ってみました。陽炎でボケボケです。何を獲っているのかは分かりませんが、どの船も一人乗りか二人乗りくらいの小さな船、というより舟で三角の帆を上げています。
淡路島の端っぽの島影が海面から浮いています。蜃気楼ではないでしょうか。
一艘が帰ってきました。沖にはまだ百艘はいそうです。
堤防の先端までやってきました。めでたいピンクが和歌山市へ戻って行きます。影になった後ろの顔のピンクが濃く見えます。
堤防に干からびたでっかいミミズ、じゃなくて何かの魚です。まだ生きています。海に返してやると体をクネクネさせて泳いで行きました。
調べて調べてやっとわかりました。ギンポです。釣りスタに出てきたのを思い出しました。天ぷらにするとかなりの美味らしい。
あっ、ミサゴ。
海からめでたいみずいろ。加太さかな線から海が望めるのはこの100mほどの区間だけです。
浜辺の草むらにアオジ。
堤防の外の高い木のてっぺんにジョウビタキ♀、可愛い。
堤防にイソヒヨドリ♀、今日も和歌山に来ればイソヒヨドリに会えるという記録が守られました。
特急サザン10004編成
めだたいピンクは一般の7100系に交代していました。駅に貼ってあった深日町駅紹介のポスター、やはり「運が良ければ」イルカに会えるそうです。
八幡前駅でめでたいみずいろと交換。めでたいピンク、めでたいみずいろに続いて、めでたいみどり、とするなら、ぜひ7100系のグリーンツートン復刻、あるいは2200系で22000系グリーン細帯復刻がいいな。
男里川橋梁復旧、サザン運転再開に敬意を表して指定席車で帰ることにします。おや、緑の7000系復活の時、グリーン濃淡の復刻塗装で7037編成とペアを組んでいた10004編成です。
尾崎から樽井の車窓、上り線は徐行せずに通過も工事現場は下り線よりよく見えます。
全角英数字等幅フォントのドア上モニター、元喫煙車だった痕跡も残っています。コンセントも無く、12000系サザンプレミアムと比べると、やはり見劣りします。