吹田総合車両所
友人のFacebook投稿で今日が吹田総合車両所の一般公開、それも向う10年かけて改修するらしく、これが現在の姿の最後の公開と知り、ちょこっとでかけてみることにしました。吹田総合車両所へは自転車で三島江まで向かう途中、門の隙間から52系電車をのぞき見して以来です。
まずは52系にごあいさつして、トラバーサーが3つもある広い構内を奥へ向かいます。工場の向うに117系が見えます。
公開エリアの一番奥に環状線運用を外れた201系とクモヤ145が3両、その先に683系(681系?)、色褪せてしまった381系、117系、105系と並んでいました。
323系キティちゃん環状線トレインも展示中、外観はステッカーを貼った程度の変更で、500系新幹線やはるかのキティちゃんと比べるとかなり安易です。
隣は201系LB3編成、3月末に廃車されたばかりです。残る大阪環状線の201系は3編成だけ、それも6月7日に運行終了だそうです。
ドナドナ
クハ116-12、何と去年の夏、枯木灘へ行った時に乗車した近ヒネSG001編成です。和歌山線に227系1000番台が導入され和歌山線、紀勢線の117系運用が真っ先に227系に置き換え、近ヒネ117系はあえなくドナドナ(鉄ちゃん用語で廃車回送の意)、ここ吹田へやってきてしまいました。
クモハ105もドナドナされてきています。クハ116-12の後ろにSG001編成を構成していたモハ116-312、モハ117-312、クハ117-12の姿はなく、もう鉄くずになってしまった可能性が高そうです。
4両の並びを横から撮ります。117系の下ぶくれの顔が好きなんですよねぇ。昭和55年7月8日日本車両製、新快速として大活躍の後、平成14年日根野へ転籍、まもなくその40年に満たない生涯を終えようとしています。
通路を挟んだ手前(吹田駅側)には、元常磐緩行線103系1000番台のクハ105、最新型227系1000番台、117系は近ヒネSG004編成のクハ117-318。
227系1000番台は今日のイベントのために新在家から回送してきたようですが、せっかくの機会なので、和歌山線や桜井線キャンペーンも兼ねて車内に入れるようにすれば良かったかと。もうボロボロになった105系との乗り心地の差はかなりのはず。ちなみにJR西の321系以降のロングシートは関西私鉄各社と較べてもかなり座り心地がいいです。
非貫通と貫通の683系(681系かも)、多少汚れが目立つ貫通型はイベント来訪者の休憩所になってました。
上屋の中の287系は特急下関行の表示、287系の卵型の車体にツルンとした光沢のある白はよく似合ってます。大勢人が並んでますが、何の行列かは不明です。
上掲の非貫通サンダーバードの後部が蛇のようにくねっていて萌えます。SG004編成は4両フル編成でまだ残っていました。
4連ワイパーやっぱカッコいいです。曲線に並ぶと止まっていても躍動感が感じられます。
201系は去年10月に廃車になったLB16編成のクハ200-141。その向うの工事用フェンスで囲まれた中に重機が見えます。撮った時には気づかなかったのですが、帰ってから調べてみると、このフェンスの中が電車の解体作業場と分かりました。
201系の陰に見たことのない車両、ハイデッカーなので何かを改造したジョイフルトレインかとググってみたら、瀬戸大橋線開通時に運用されていたスーパーサルーンゆめじ用のクモロ221-1と分かったものの画像検索結果と塗色が違ってます。それに後ろの車両はハイデッカーじゃなくて、2ドア・ステンレス車です。これ何?、と調べまくって、漸くクヤ212-1と分かりました。
後ろの2ドア・ステンレス車はサハ213-1改造のサヤ213-1、さらにその後ろにはクモハ231-9001(231系2000番台の試作車)改造のクモヤ223-9001がつながっていて、3両でU@techという名前の技術試験車を構成しています。何の技術かはこのページ辺りを参考にしてください。要はITによる高度な列車制御システム技術開発のようですが、その技術試験車としての役目を終え、この3月31日付で廃車となっています。
国内の鉄道車両のことならだいたい何でも知っているつもりだったけど、ハイデッカー鋼体車+2ドアステンレス+3ドアステンレスという極めてユニークな編成の存在は全く知りませんでした。走っているところを見たかった思うものの、最後の最後に会うことができてよかったと思います。
やたらと煙突の長い大型ライブスチームに牽かれたミニトレインから子どもたちが歓声を上げています。本物の石炭焚きでいい匂いが漂ってきます。石炭の火力でかなりの牽引力がありそうです。子どもたちはここがドナドナの場所であることは全く気づいていないと思います。知らなくていいし、教えなくていいとも思います。
ライブスチームの線路の手前、自分が歩いている左側に線路が伸びています。航空写真を拡大してみるとこの線路が解体作業場に続いています。途中で分岐して非貫通型サンダーバードが止まっているレールにつながっていて、117系やU@techのいるレールとは違っていることが分かり、何となくホッとしたもののわずかな時間の問題ではあります。
トラバーサー実演
その先に喫煙指定場所が設けられていて一服。
ちょうどトラバーサーによる車両移動の実演が行われていました。クモヤ145がフォークリフトに引っ張り出されるところです。吹田総合車両所には5両もクモヤ145が在籍しているそうです。
空になったトラバーサーが隣へ移動、念入りな安全確認をしながら自分の正面にクハ221-50が押し出されてきました。MC役の女性職員さんの説明が丁寧で分かりやすいです。
クハ221は横スライドしてクモヤ145の前を通過。
フォークリフトが密着連結器をクハ221の連結器位置まで持ち上げ連結、庫内へ引き込んで行きます。
上空から轟音、見上げるとC3POジェット。今日は南向きに離陸しているようです。
今度は塗装中のクハ682が押し出されてきました。ツィッターによるとこの車両は元々交直流683系だったのが直流専用289系に改造され、またまた交直流683系に改造されたばかりとのことです。
密着連結器を付けたフォークリフトが8番線に移動。
窓がマスキングされたクハ682、台車は外され別の場所で整備されていて仮台車を履いてます。
手前の滑車がぐるぐる回ってるのですが、これがトラバーサーの動力ではなさそうです。クハ682が8番線に入庫。スタッフの皆さんに拍手。
ドナドナ受け入れや解体じゃなくて、車両の全般検査、改造更新工事が吹田総合車両所の本来の役割です。どうにも湿っぽくなっていた気分がこのトラバーサーショーのおかげで明るくなれました。
吹田駅に戻ると岸辺寄りにEF65、暫く停車していたもののヘッドライトの光量が上がって発車。JR貨物新鶴見機関区所属のEF65-2067、JR貨物標準色だったのが、EF65原色に戻され赤ナンバープレート、ブルートレイン牽引機を彷彿とさせます。