六甲を歩く

二年前、カメラを忘れて早々に引き返した再度山リベンジ。調べてみたら前回引き返した地点は全然序の口で、元町から再度公園まで5km以上の山道、土日だけ三宮から再度公園経由森林植物園行のバスがあると分かり、再度山手前の大龍寺バス停で下りて再度公園までちょっとだけ歩く計画を立ててみました。

伊勢エビライナーを真横からカッコよく撮れました。続いてやってきたLCカー、ヒストリートレイン出発、クロスシートセッティングです。

三宮バスターミナルの森林植物園行25系統のバス乗り場は長蛇の列でドン引き、森林植物園のアジサイが見頃で臨時バスも運行されているのですが、写真の右側にずーっとバス3台分くらいの行列です。バスは諦めて前回引き返したルートにチャレンジしてみることにします。

大師道から猩々池

三宮から1時間ほど歩いて諏訪山公園の金星台、明治初年にフランスの天体観測隊がここで金星の観測をしたことに由来するそうです。ビルの間からポートタワーが見えます。

諏訪神社境内でふわりふわり飛んでいたホシミスジが葉っぱに止まってくれました。

境内外れのわかりにくい場所から山道に入ったちょっと先、柵に囲まれた辺りが前回の引き返し地点です。今日はちゃんとカメラを持って来ています。

中の道と名付けられた斜面の道、犬の散歩のおじさんとかがひょいひょいと歩いてくるのですが、柵が無いところは崖下まで数十mありそうで、かなりおっかないです。ただ、生駒や鞍馬山と比べると勾配はさほどきつくないです。

この付近、マップを見ると神戸港地方となってます。「こうべこうちほう」ではなく「こうべこうじかた」と読む神戸市中央区の正式な大字名で、神戸港の周辺部という意味に由来するらしいです。

おっかない道をそろりそろりと歩いてようやく西側からの舗装路と合流、砂防ダムを越えるとさっきまで崖下だった流れが間近になりました。諏訪山公園、諏訪神社からじゃなくて、神戸山手大学の脇から登ってくれば怖い思いをせずにすんだようです。

舗装路の方が大師道で、中の道との合流地点から大師道も山道になります。お地蔵さんが彫られた丁石が等間隔に立てられているのですが、何合目まで登って来たのかはよく分かりません。

再度谷の大師道を登って行きます。青モミジが多く晩秋にはさぞかし見事かと。色んな鳥の声は聞こえるものの姿を見せません。たまに梢の高いところにいるのが見えるものの、まともに何も撮れませんでした。やはり繁殖期でかなり警戒心が強くなっているんだと思います。

中の道と大師道の合流点から歩くこと約1時間、目的地と考えていた猩々池に到着。期待に違わず、すごくいい感じの池です。

クロイトトンボがいっぱいいます。

池の中にはオタマジャクシがいっぱい、ウシガエルで間違いないかと。池の奥の草むらからカエルの合唱が聞こえてくるのですが、ウシガエルではありません。

ショウジョウトンボとギンヤンマが水面を一緒に飛び回っているのですが、ショウジョウトンボは止まってじっくり撮らせてくれました。

クロイトトンボの合体。♂と♀で胴や尻尾の模様がかなり違ってます。

居心地のいい猩々池の東屋から漸く腰を上げ、しばらく行くとこれまた居心地のよさ気なカフェがありました。振り返りつつ、よほどビールを飲んでここを今日の引き返し地点にしようかとも思ったものの、足や膝は調子良く、快晴で気温も湿度も高くなく心地いいので、もう少し登ってみることにします。

ほどなく大師道の終点、大龍寺に到着、空海由来の古刹です。つまり大師道は空海が修行で歩いたことに因みますが、中の道はともかくも大師道は修行というほどの山道ではなく、歩きやすい道でした。

再度越

再度山三角点を西側に回り込む、案内図に再度越とある道を進みます。当初の計画だと大龍寺バス停で下りてこの道を再度公園まで歩くだけのつもりだったのですが、大師道のような面白みはありません。

再度公園の修法ケ原池しおがはらいけに到着、三宮から3時間半歩きました。ふとスマホを見るとなんと圏外です。おまけにメールにフラグが立っているのですが、読み込んでくれません。

来た道を下りるか、本数の少ないバスに乗るか、バスの時刻を調べるにもバス停へ行く他ありません。

たどり着いたトイレや駐車場のある池の南西ではなく、池を半周したさらに先の公園北東端にあるバス停に向かいます。奥再度ドライブウェイに出てみると三宮行のバスが通過。松の木のてっぺんにホオジロ、今日まともに撮れた唯一の鳥です。

修法ケ原池の他にも池があり、覗いてい見ると50cmクラスの錦鯉が泳いでいて興ざめです。もう1本臨時便の三宮行バスが通り過ぎました。シモツケの花が咲いていて、このちょっと先のドライブウェイ沿い、周囲になにもない、なんでここにという場所に再度公園バス停、時刻表を見るとやはり1時間先までありません。反対側の森林植物園行がすぐ来るので、森林植物園へ向かうことにします。森林植物園から北鈴蘭台への無料送迎バスがあるはずです。

森林植物園

森林植物園に到着、ようやく圏外から開放され、メールは緊急の内容ではないことを確認。隣に北鈴蘭台行送迎バスが止まっていたものの、せっかくなのでアジサイを見ていきます。人出は多いものの広いのでゆっくり歩けます。

スジグロシロチョウ

ホシミスジ

石段に止まっている小さな虫を踏み潰しそうになりました、カノコガです。白い斑点部分は白じゃなくて透けています。前にもここへ来たことをがあるのですが、なぜか、ニホンカモシカが飼育されています。

やはりかなりくたびれたので引き上げます。バス停には三宮行の市バスが止まっていたものの、久しぶりに神鉄に乗ってみたいので北鈴蘭台行送迎バスに乗車。

バスの車窓から菊水山がよく見えます。北鈴蘭台駅は西側がメインで立派な駅舎が立っていることに初めて気づきました。ドピーカンの快晴です。

ハイカーから乗り鉄撮り鉄に変身

三田行5000系が50‰を登って来ました。新開地行5000系も急勾配を登ってきました。つまり、駅は掘割なのに両側が急勾配のピーク地点なっています。全国的にも珍しい構造かと。

ワンマン運転ですが、しんちゃんが乗務、後部の安全確認をしています。よほど鈴蘭台で撮り鉄と迷ったのですが、普通電車なので鵯越まで行くことにします。

石井ダムを過ぎて、菊水山駅跡を通過、長年休止状態だったのがこの3月ついに正式に廃止されたばかりです。

トンネルをくぐる5000系を見送り、6000系の向こう側の階段を登ります。

駅から5分ほどで、ネットで見つけた神鉄俯瞰撮影のお立ち台、右手は高取山、線路の向こうに海。スカイマーク機が離陸。

大阪湾の向こう正面の高層ビルはハルカスじゃなくてりんくうスカイゲートタワー、つまりここは関空の対岸です。5000系ハッピートレインが坂を下りていきます。

おっと、神鉄サイトの予定では今日は終日有馬口-有馬温泉をピストン運転しているはずのミントグリーンの1100系が粟生行で坂を登ってきました。昭和30年代の復刻塗装です。

神戸空港に着陸態勢のスカイマーク機と向こうは関空を離陸したスクート機、シンガポールのLLCです。続いて3000系ウルトラマン三田行準急が坂を登ってきました。

1300系が坂を下りていきます。スカイマーク機の向こうは二色浜辺りでしょうか。山に向かって並ぶ高圧線柱が目立ちます。

りんくうゲートタワー手前を行く大きな船に見覚えがあります。Andoromeda Spiritが関空の沖を航行中。和泉山脈の向こうにも薄っすらと和歌山県の山影が見えます。和泉山脈よりかなり高いので護摩壇山辺りかと。

縦の構図で撮ってみました。築堤法面の人工的な緑色だけがブサイクですが、真ん中に兵庫駅周辺の高層ビル街、関空沖をAndromeda Spiritが航行しているのも写ってます。電車の顔が少し陰っているものの、北側からのアングルにも関わらず、天候、光線とも条件が揃ったかと。

鵯越駅のトンネル入口の上からもう少し撮ります。

菊水山です。まだ登ったことがないのですが、今日の膝の調子だと行けそうです。さぞかし眺めがいいことかと。ウルトラマンで帰ります。残念ながら、アルミボディなのに車体がかなり傷んでます。

対抗の1300系に取り付けられたバカでかいヘッドマークは「神戸高速鉄道50周年」というもの、半世紀も湊川-新開地400mで追加料金を徴収しているのか、と思います。粟生線廃線問題の根源のひとつがこれであることは間違いないかと。丸山駅を過ぎた辺りの33.3‰のS字カーブ、レールだけで萌えます。

遅いランチ兼早い夕食のため元町で下りて南京町へ、ところが目指すお店は閉まっていて、客引きやってるおばちゃんの目があってしまい、お腹がぺこぺこだったので面倒くさくなって誘われるままにテーブルに着いたら大失敗、包子にスープの入っていない小籠包とか、油でギトギトの春巻きとか…。

土日は午後7時を過ぎると奈良行快速急行の本数は激減、やってきた特急は山陽5000系の3列クロスシートで満席、尼崎でのなんば線への乗り換えは、2番線の各停通り抜けができても、3番線でかなり待たされました。

それでもやってきたのは朝と同じクロスシートセッティングのままのLCカー、ヒストリートレインで機嫌が治りました。微妙なところでの起立してブレーキハンドル操作は阪神ならではです。