田原本線820系復刻塗装

近鉄田原本線開業100周年とのことで、8400系3連1編成が昭和50年代頃田原本線の主力だった820系のマルーンレッド1色にシルバーの細帯に塗り替えられました。早速、田原本線へ。

余り何も考えないで奈良線に乗って西大寺、構内の立ち食いそば、二条庵の中華そば、安っちい味ですが、薄いチャーシュー、ナルト、海苔、シナチク、ネギ、それにわかめ、もやしがたっぷり入っていて、気に入ってます。これだけだと腹が持たないのでいなり寿司を追加。

満腹してすく近くにある喫煙所で一服、西向きの展望デッキより、東向きの喫煙所の方がポイントが交錯して、トレインビューとしてはこっちの方が面白いのですが、窓ガラスにはヤニがこびりついてます。

1番線の東端から撮り鉄、西大寺駅ならではのレールの描く幾何学模様に今日も萌えます。

西田原本から箸蔵

上本町から田原本へは西大寺経由より八木経由の方が全然早いと田原本に着いて気づきました。

西田原本から標準色の8400系B13編成に乗車したら、発車間際に820系復刻塗装となったB14編成がやってきました。田原本線のワンマン対応ですが、田原本線だけじゃなくて他の3連と連結されて奈良線や京都線にも入線するらしく、せっかく田原本線までやってきたのに目的の電車は自分ちの近くにいた、ではシャレにならないところでした。

行灯が付いて裾絞りされた正面からより、ドアの数は多いものの側面からみた方が820系を彷彿とさせます。820系はかつて8000系登場前の奈良線の主力車、自分的には生駒線でよく見かけました。

外装は復刻塗装も車内は普通に8400系なので、乗るまでもなくB13編成で先行しB14編成を撮り鉄することにします。まずはB13編成最後尾からB14編成。箸尾駅で下車、B13編成を見送ります。

古い建物では無さそうですが木造スレート葺のいい感じの駅舎です。東側に広い空間が広がっています。正面は竜王山。B14編成が来る前に西田原本行で試してみたところ電車の顔が逆光になるので別の場所を探します。田原本駅は奈良県磯城郡田原本町、箸蔵駅は奈良県北葛城郡広陵町で、この辺りは平成の大合併とかなくて小規模な自治体がビッシリ並んでいます。水道の運営とかどうなっているんでしょう。

来る前にストリートビューでここがいいかもと調べていた高田川にやってきました。ツバメがいっぱい川の上を舞ってます。土手に桜並木があるものの完全に葉桜、僅かに花が残るのみです。10分ほど待って蔵の陰からB14編成が出てきました。

橋台に殆ど直接線路が敷かれた簡易な鉄橋をB14編成が渡ります。1週間前なら手前の桜が見事だったはずですが、この写真は満足です。

馬見丘陵から池部

馬見丘陵公園が近いので行ってみます。いかにも奈良県っぽい古い家並みが続きます。田んぼにはケリ。

久しぶりの馬見丘陵公園はチューリップが満開。園芸品種の花にはあまり興味がないものの、これだけ綺麗だとさすがにカメラを向けたくなります。

な〜らんだ、な〜らんだ、赤、白、黄色♪、だけじゃなくて、すごくたくさんの品種。17世紀オランダのチューリップ・バブル以来続く品種改良です。

公園の周囲は雑木林に囲まれていて、ホーホケキョや色んな鳥の声が聞こえるものの全然見つかりません。何とかツグミ1羽だけ。ハナミズキが綺麗、鮮やかなチューリップより惹かれます。

池部駅近くの河合町役場、大正時代に建てられた近鉄田原本線の前身大和鉄道創業者の邸宅が戦後河合村に譲渡され、裏側に新庁舎が建てられた後、庭園や一部が保存され一般に開放されているそうですが、今日は門が閉まっていました。ちょうどB14編成がやってきました。ホームにはハイキングの格好をした団塊世代のひとたちがいっぱい。

サボに描かれた大丸百貨店みたいなマークは大和鉄道の社章です。大正7年(1918年)に新王寺-田原本間開業、確かにちょうど100年で、昭和36年に信貴生駒電鉄に併合され、昭和39年に近鉄に併合されています。当時大鉄やまてつと呼ばれていたようです。かつてはライバルでもあった先人に敬意を表する良いサボだと思います。

ちなみにサボとは「サイドボード」あるいは「サインボード」の略で、これをヘッドマークと呼ぶのは自分的には抵抗があります。列車の前後に華々しく愛称名を掲げるのがヘッドマークで、この日常的な行先票を模したものはやはりサボと呼びたいです。

大輪田

大輪田で下車、トイレ脇の一人分しかない撮影スペースからB14編成を見送ります。暫く待てば折り返してきますが、自分と似た年配の他の撮り鉄さんたちにスペースを譲ることにします。

電車の検査更新の際、大きなコストをかけずに、ちょっと塗り替えるだけで、話題作りと集客ができるので、近鉄に限らず復刻塗装はもっとやればいいと思います。南海高野線6000系も1編成でいいから青と黄色の帯を剥がすだけでかなり話題になるはずです。

大輪田駅南側の高台に上ってみます。221系の大和路快速がよく見えます。撮った時はてっきりカワラヒワと思っていたのですが、何とベニマシコ♀でした。

農作業中のおばさんに、何を撮ってはるんと聞かれ、新しい色の電車が走ってるんですと答えると、さあ、どこから撮るのがええのかなぁ、と一緒に考えてくれました。

駅の北側には大きな空間が広がっています。221系が大和川を渡り築堤を下りてきます。空にはヒバリ。風も強く、先週の陽気が嘘のように寒いです。

いい感じのカーブを描きながら、221系がゆるい勾配を下りてきます。もうこの付近は221系しか走っていません。

王寺

踏切を渡ると大和川の土手に出てきました。ここから垂直方向に竜田川が分岐しています。右岸の河川敷は整備されているもののこちら左岸には何もなく車道を歩きます。さほど通行量は多くないものの、クルマが通る度に大きく自分を避けてくれます。透明人間でなくて良かったと思います。でもなぜか自分は川の左岸が好きと気づきました。淀川もセーヌ川も。

土手の内側には菜の花がビッシリ、信貴山がよく見えます。生駒山地にあるのに大阪からは見えない山です。

王寺の町中に入ってきました。関西線は右へカーブ、その上を田原本線。近くから踏切の警報が鳴り出したので行ってみると田原本線築堤のレンガ積みの跨道橋の向こうに201系。

和歌山線に201系?と思ったら和歌山線に沿って引込線になってました。もうすぐ田原本線のB14編成が戻ってくるはず、201系と820系復刻塗装が上下2段で写せそうと思ったら、201系の運転手さんはこちら側に移動してきて程なく折り返してしまいそうです。

残念、B14編成がやってくる直前に201系は折り返して行ってしまいました。でもこの築堤の820系復刻塗装は今日のベストショット。201系がいない方が昭和っぽくていい写真になったとも思います。

今日もイソヒヨドリ。広い構内の王寺駅、米子や多度津同様鉄道の町、王寺町です。手前が標準軌の田原本線。わずか10kmで、田原本町、三宅町、広陵町、河合町、王子町と5つもの自治体を結ぶ鉄道は全国でここしかないのでは。

京成金町駅みたいな1線折り返しだけの新王寺駅、今日はこのB09編成とB13編成、それにB14編成の3編成が10kmの道のりを往復してました。田原本線の新王寺駅は生駒線の王寺駅から100mくらい離れていてJR王寺駅の方が近いです。出自の異なる生駒線と田原本線に直通需要など殆どないのでこれでオッケーです。自分もJRで帰ります。

西日の中に和歌山線の105系が2編成、何とバリバリの新車に置き換えられることが公表され、既に撮り鉄さんがチラホラ。自分も関西一のオンボロ電車とけなしつつも、105系を追いかけることになりそうですが、切妻ボディに分散式クーラーはやはりブサイクです。