農薬混入冷凍食品問題の原因考察

起こるべくして起こった事故という思いが強くします。

以前からずっと気になっていたのはスーパーへ行けばどこでも、しょっちゅう冷凍食品「4割引」とか「半額」セールをやってることです。近所のスーパーはつい最近まで、毎週日曜日「冷凍食品全品半額」でした。最近4割引にして特売頻度を上げているようです。但し、定番100円商品やロックアイスは特売対象外になっています。

もう一軒近所のイオングループのお店でもしょっちゅう「冷凍食品全品4割引」をやっています。但しトップバリュー商品は除くです。

こんなに特売頻度の高い商品カテゴリは他に無いですよね。いったい冷凍食品はどういう価格体系になっているのか、ず~っと不思議でしょうがありませんでした。

実は自分自身20年ほど前冷凍食品のマーケティングに関わっていたことがあります。でもその当時はこんな特売は無かったと思います。いつ頃からここまで大規模な特売が日本中で定着してしまったのでしょう?

どこかのメーカーがこういうしくみを始めたんでしょうね。それが定着してどのメーカーも、どのスーパーも追随せざるを得なくなったのでしょうね。

でも冷凍食品同士だけでなく、他のカテゴリの食品、惣菜や缶詰、レトルトなどとも競合はあるわけで、定番価格をそんなに高く設定する訳に行かないはずです。つまりこれだけ大規模な特売の原資を捻出するために相当なコストダウンが避けられなくなるはずです。

販売力を上げて、とにかく量的にコストダウンする。もちろん人件費の高い国内生産は無理、中国で生産するとしても、アパレルや家電など、その他の中国製品以上に、原料から製造工程まで徹底的なコストダウンを図ってきたのでしょう。

その中で、安全を軽視してもコストダウンしてしまった、というのが今回の問題の原因だと思います。もちろん中国の工場の生産管理や国内メーカーの仕入管理や検査体制は大いに責めれ、根本的な改善が求められますが、その背景は消費者も慣れきっている国内の商慣習だと言っていいと思います。

慣れというのは本当に怖いと思います。日付偽装なども発想は同じことなんでしょうね。

少なくとも「冷凍食品全品半額セール」はもう世の中からなくなるのは間違いないはずです。