アーバンミステリートレイン
一昨年の七夕ビアトレイン、昨年のビアトレインつどいに続く近鉄京都線の運転手さん車掌さんたちの企画によるイベント列車第3弾。通常6両または8両編成のアーバンライナーを4両編成で中間運転台をむき出しにして、アーバンライナーが普段走ることのない京都線橿原線を走るという企画です。
新快速で京都に着いたら向かい側にオリジナル色117系がいました。他の117系はドドメミドリ色に塗り替えられオリジナル色は1本しか残っていないそうです。この編成の塗装もかなり草臥れているので、今後どうなるのか気になるところです。
近鉄の1番線に、しまかぜが入線してきました。アーバンミステリートレインは、しまかぜの2分後に発車予定。
アーバンライナーが中間運転台を先頭に入線してきました。しまかぜの横の2番線だといいのに4番線に入線です。それでも103系と一緒に撮れたのでオッケーです。
何とかしまかぜとアーバンライナーを一緒に撮れました。間にいるのは30000系ビスタEX、上を行くのは700系ひかり。
しまかぜ発車。自分は未だ乗ったことがありません。
今日のルートは、京都→橿原神宮前→平端→天理→宮津→京都。先頭デラックスカーの席だったので、早速シートを離れカブリツキに向います。
1988年登場ということは、新幹線だと100系とほぼ同世代。その後「アーバンライナーplus」にリニューアルされていますが、運転台は昭和の香りがたっぷりです。
普段は名阪特急として130km/hでぶっ飛ばすアーバンライナーも今日はノンビリ、途中何度も退避して特急や急行に追い抜かれます。
木津川の土手で撮り鉄さんたちが待ち受けていました。特急や急行に追い抜かれるので、この列車のチケットを持ちながらも、沿線で撮ってから追いかけたり、途中下車して乗り鉄から撮り鉄に変身する人も少なくないようです。
客室ドア上のモニタの前面展望ライブビデオ、運転席横にカメラがありました。
西大寺到着と発車シーン、レールフェチにはたまりません。
お弁当が配られました。アーバンライナー中間車の掛紙がかかった、あら竹謹製「特上牛肉弁当」、創業明治28年、美人社長でも知られる松坂の駅弁屋さんです。
橿原神宮前到着。
引き込み線に引き上げます。吉野線の16000系、橿原線の22000系とのツーショットとスリーショット。ツーショットの方、16000系とはちょっと車体形状が異なります。調べてみると1編成2両しかない16010系です。車内に残ることがもできたので、アーバンライナーの先頭車から吉野線の特急を撮るということもできたはず。
次に1番線に入線してきたのは何とモト90形!狭軌の南大阪線車両を、標準軌の大阪線五位堂にある工場へ回送するための車両です。
2両編成で入線してきたのですが、南大阪線車両を回送する時は、モト90形の間に標準軌用の仮台車を履いた南大阪線車両を間に挟み、狭軌台車を荷台に載せて運びます。
荷台にはレールに変わる溝があります。運転台の後ろに張り出した屋根の上に大きなパンタグラフが取り付けられています。
このモト90形の他にモト75形というのもあるのですが、そっちは運転台の奥行きが長くてその上にパンタグラフがあります。モト90形の原始的なスタイルの方が好きです。
吉野線のホームから引き上げ線のアーバンライナーを狙ってみます。構内の桜が満開です。
引き上げ線のアーバンライナー中間車を撮影する近鉄の社員さんたち。アーバンライナーの橿原線入線なんて前代未聞、それも中間車むき出し、駅員さんや乗務員さんたちにとっても二度とお目にかかれないかもしれないシーンのはずで、コンデジで写真を撮っている社員さんたちを度々お見かけしました。
誇れる設備やサービスがいっぱいある、いい会社に勤めていてうらやましいです。
橿原神宮前出発ですが、聞き覚えのある声が聞こえてきたので、探してみると構内の架線の上にイソヒヨドリ。露出を変えたりして撮っていたら、危うく乗り遅れそうになりました。
天理線が分岐する平端駅北側の踏切を超えたところの本線上で一旦停車、運転手さんと車掌さんが車内を通って入れ替わります。
ポイントが切り替わり、逆方向に出発進行!橿原神宮前方面から天理行きの電車というのも普段見られない光景です。
天理到着、撮影中の「駅長」。
2号車と3号車の間にも中間運転台がありました。屋根のフィルターを通して光が和らげられ、とても美しいアーバンライナーです。
デラックスカーのシート、マクラの横で光っているのは読書灯です。テーブルは肘掛けから引っ張りだすようになっていて、テーブルを広げると、ベビーチェアでビールを飲んでるようになります。
宮津駅到着、車庫へ向います。見上げると、ひこうき雲、頭のなかでユーミンが歌い出します。
車庫での撮影会。広い構内にはこのアーバンライナーだけ、夜は何編成も停泊するものの昼間は全部出払うそうです。
未来の鉄道マンになりそうです。
車庫からみた京都線の電車、12400系(たぶん)特急と京都市交通局10系奈良行急行。
ダイヤの都合と思われますが、車庫での滞在時間がいささか長すぎてちょっと草臥れてしまいました。
京都に帰ります。中間運転台の中がどうなっているか覗きに行きました。先頭車と比べるとかなり狭く運転台後ろに窓もありません。やっぱりこの運転台は今日一日だけで十分のようです。
参加証・座席整理券と一緒に渡された「仕業表」です。「停車」や「待避」のハンコが押されていて、待避列車の列車番号まで手書きで書き加えられています。
約150枚これを手作業で作成するのは大変だったはずです。企画サイドのこだわりと、参加者を喜ばせたいという気持ちが、ひしひしと伝わってきます。
帰ってから写真を整理していて、昭和のデザインの秀逸さに見惚れてしまいました。確実な保守整備の賜物とも思います。
近鉄ファンづくりとして大成功だったのでは?次回はぜひ、しまかぜで!とおねだりしたいところです。