マニュアルよりUI
かつて携帯電話を買ったらぶ厚いマニュアルが必ず付いて来ましたが、まともに読んだ記憶がありません。今でも付いてるんでしょうか?
iPhoneだと小さいおしゃれな箱に入っているだけで、マニュアルとか付いてませんが、触っている内になんとなくわかってはきました。それでも当初フリップ入力に気づかず、知人に教えてもらって、ビックリしたことがあります。
自分の制作するウェブサイトでも、これまで必ず「はじめての方へ」とか、マニュアルページを設置して、ユーザー登録方法やコンテンツの作成方法を説明、管理者となる方へは別途管理用の書面を提供してきましたが、しっかり読んでもらってる、と実感したことは殆どありません。
高齢者向け「らくらくホン」にも「長押し」ボタンがあります。例えば、マナーモード設定とかです。「長押し」とは何秒押せばいいのか、たぶんマニュアルに書いてあるのでしょうが、それを覚えることを高齢者に強要するのは、いかがなものか、と思います。UI(ユーザーインターフェース)の限られたガラケーですが少なくともマナーモードボタンは10キーとは別のスライドボタンとかにすべきでしょう。
iPhoneのマナーモード設定は、間違って操作しにくいスライドボタンになってますよね。ジョブズ自身が何度もテストしてこうなったんだと思います。こんなところがアップルの強みであり、最近の国内家電メーカーの苦戦の大きな原因だと思います。
振り返ってみて、結局のところ、マニュアルって制作者、管理者の責任転嫁ツールでしかないと気づきました。それで、このところ、ウェブサイト制作でも、マニュアルを作り込むのではなく、投稿者や管理者の方が、直感的にわかるように、クリック回数を減らすとか、UIをできるだけシンプルに使いやすく、説明を要すると思われる部分に直接、説明分や画像を組み込むことを心がけるようにしています。
これをするには、CMSだと、出力テンプレートだけじゃなくて、本体部分に手を入れる必要が生じる場合が多くなります。Drupalの場合、本体部分をイジることなくOverrideして対処できることも多いのですが、それでも対象となる変数を特定したりとかはかなり大変です。
ここで便利なのがjQueryです。ウェブサイトに動的な効果をもたらるJavascriptのライブラリのひとつですが、実装のしやすかから、ここにきてHTML、CSSと並ぶウェブ制作の必須要因となってきていると感じます。
例えば
$(function(){ $("h2:contains('入力フィールドの見出し')").append("<span>この入力フィールドでは・・・</span>");});
こんな感じで、入力フィールドの説明文を、入力フィールドのすぐ隣に追加してます。jQueryというと、スライドショーやアコーディオンパネル、ロールオーバーナビゲーションなどの見かけのダイナミックさを追求するものと思われがちですが、こんなシンプルな使い方で、UIの改善に役立つことが多いです。
と、ここまで書いて、説明文の追加や不要な要素の削除だけでなく、まだまだ自分の制作サイトでUIの改善が必要と気付かされます。
やっぱり自分の作ったものを、自分自身でもっと使わないとダメでしょうね。ナビゲーションの位置、マウスオーバー時の変化、各要素要素のレイアウトも、常にユーザー視点で継続的にブラッシュアップしていかないと、ユーザーさんがついてきてくれません。アップルという会社はそれが徹底している会社なんでしょうね。