プリンセス・トヨトミ

去年の夏、この映画のロケが空堀商店街であって、綾瀬はるかさんをチラっと見たことは以前書いたのですが、劇場では見逃してしまっていたところ、iTuneでレンタルを始めていました。

早々に空堀商店街のシーンになって、じっと目を凝らしていたら、ふとん屋のおばあちゃんが写ってました。

原作そのものがハチャメチャなのを、さらにいじくりまわした脚本、まず、柳沢慎吾あたりがハマり役と思われる鳥居役を綾瀬はるか、逆に旭役が男性になっているのが、原作を読んだ人には違和感たっぷりです。ヤクザの事務所へ殴りこみにいくのは原作は茶子だったはずが、大輔になっています。そんな必然性のない変更がいっぱいあって、理解に苦しみます。

空堀商店街と大阪城の他、道頓堀、新世界、黒門市場、阪堺電車、と大阪の観光ガイド的にもなっているものの意外性はゼロ、せっかくの大正区の渡し舟もエンディングでチラっと出てきただけでした。原作にも登場する都会にひっそり佇む祠とかで、もっと大阪情緒を表現できたはずです。食べ物も、おきまりの、お好み焼き、たこ焼、串かつだけ、大阪はコナモンだけやないデェ。

それと気になったのが、大阪弁の下手さ、特に中井貴一の標準語混じりのイントネーションはかなり気になりました。これだけビッグな俳優にこんな演技させてはダメでしょう。たこ焼屋のニイちゃんで玉木宏も登場、あまりにチョイ役すぎてもったいなすぎます。最後のシーンの綾瀬はるかの大阪弁は可愛かったけど。

先週、久しぶりに空堀商店街に行きました。ふとん屋のおばあちゃんも、お線香屋さんのおばあちゃんも変わらず元気そうでしたが、馴染みのお寿司屋さん「七福神」がつぶれてました。ここのうどんとお寿司のセットを毎週2回くらい食べてました。隠しメニューの釜揚げうどんや、必ず出してくれた、やたら甘いインスタントコーヒーも、もう味わえないとおもうと寂しいです。

ここだけじゃなくて、ずいぶん長く商売していたはずの花屋さんも閉店してました。天神橋や九条商店街のように、商業集積や周辺人口も大きくない空掘は、映画で少し観光客が増えた程度じゃ、なかなか厳しそうです。

七福神のランチの写真があったのでアップしておきます。